1997年に公開されたヴィンチェンゾ・ナタリ監督による密室スリラー映画「CUBE」のリメーク作「CUBE 一度入ったら、最後」(清水康彦監督)が10月22日に公開された。主演の菅田将暉さんをはじめ、杏さん、岡田将生さん、斎藤工さん、吉田鋼太郎さんと共に弱冠13歳(撮影時は12歳)でメインキャストを務めたのが田代輝(ひかる)さんだ。オーディションでの抜てきで、完成した映画について「他のキャストの方々がすごかったので、自分はまだまだ未熟だなって感じたのと同時に、これからもっと成長していきたいと思いました」と率直な感想を口にする田代さんに話を聞いた。
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田代さんは2007年11月17日生まれの13歳。子役として連続ドラマ「仮面同窓会」(東海テレビ・フジテレビ系、2019年)、「ノーサイド・ゲーム」(TBS系、2019年)、「FAKE MOTION」(日本テレビ、2020年)などに出演。今回の「CUBE 一度入ったら、最後」では、突然閉じ込められた男女6人のうち、唯一の“子供”である中学生・宇野千陽を演じた。
オーディションで同役を射止めた田代さん。合格の連絡をもらった際には「うれしさもあったのですが、共演者の名前を聞いて、皆さんの足を引っ張らないように頑張らなきゃ、と思いました」と振り返る。
千陽は13歳の少年で、田代さんによると「大人に対して警戒心があって、あまり信用していない。無口で、どちらかと言えば暗い感じの雰囲気を持っている」という。
そんな千陽を演じる上で、「影がある雰囲気は崩さないように意識した」と明かす田代さん。さらに「現場で受けたアドバイスは、その日のうちに消化して、次の撮影に臨むよう心がけました」と勤勉さをのぞかせ、「演技だけじゃなく体力面でも大変なことが多かったので、撮影が終わったときは達成感があって、気持ちよかったです。ここまでの大役をやったことがなかったので、今までとは違った達成感がありました」と笑顔を見せる。
同作では これまであまり得意ではなかったという、泣く演技にも挑戦した。「泣くシーンはうまくできるのかなって不安もあった」という田代さんにアドバイスを送ったのが共演者の一人、杏さんだった。
「誰かが亡くなってしまったとしたら、その人がいなくなって“ただ悲しい”と考えるのではなく、その人との楽しい思い出をたくさんたくさん思い浮かべた上で、それが全て一気になくなると思えば、気持ちが入って涙も出やすいってことを教えてくださって。実践したら、本当にその通りで、すごく勉強になりました」
そのほか現場でのエピソードとして、田代さんが撮影の合間に勉強していた際に、分からないところを岡田さんに教わったという話も披露。
「岡田さんは『CUBE』の撮影の前に教師の役をやられていて。しかも岡田さんは教師としての振る舞い以外に、実際に教える教科の勉強までして役作りをしていたそうです。そこは自分にとっても新たな気づきというか、僕も今後の役作りで、そのくらいできるように役と向き合わなくちゃいけないなって思いました。『CUBE』の中に出てくる素数は、ちょうど中学で勉強していたところで、そこも含めて岡田さんには教えていただきました」
最後に改めて映画の見どころを聞くと、田代さんは千陽が劇中で菅田さん演じる後藤と対峙(たいじ)するシーンを挙げた。
「なかなかうまくいかなくて、何回も失敗してしまったシーン。10テークくらいやり直して、周りを待たせてしまっているという自覚もあったので、内心焦っていたのですが、主演の菅田さんが『大丈夫だよ。俺はこのシーン、1週間でも1カ月でもやっていいから、安心して』と言ってくださって。何とか乗り切ることができたので、そのシーンにもぜひ注目して見てもらえたらなって思っています」
さらに清水監督からは「お昼ごはんを食べていたときに『一緒に有名になろう』と声を掛けてくださって、感動しました」と明かすと、「一つのモチベーションになりましたし、監督の言うように一緒に有名になれたらうれしいですし、そうなれるようにこれからも頑張っていきたいです」と目を輝かせていた。
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