今年8月に最終回を迎えた特撮ドラマ「仮面ライダーセイバー」(テレビ朝日系)で、主人公の仮面ライダーセイバー/神山飛羽真を演じた内藤秀一郎さん。約1年間の撮影期間は「つらいし、しんどいときもありました」というが、趣味のサウナや、家族、友人の温かい言葉が心の支えとなり、乗り越えることができたと振り返る。また、映画「仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ」(柴崎貴行監督、12月17日公開)で共演した「仮面ライダーリバイス」(同、日曜午前9時)主演の、仮面ライダーリバイ/五十嵐一輝役の前田拳太郎さんに、先輩ライダーとして「継承してほしいこと」を語ってもらった。
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「仮面ライダーセイバー」のテレビシリーズが終了して約4カ月。現在ようやく、仮面ライダーの撮影がない日常に慣れてきたという内藤さんだが、撮影後しばらくは戸惑いがあったと話す。
「『仮面ライダーセイバー』の撮影が終わってから約1カ月間お休みがあったのですが、その期間はきつかったですね。1年間“芝居漬け”の日々だったので、それが一気になくなったことが不安でしょうがなかったです。深夜の3時とかまで起きていても、撮影があったときみたいに(朝の)5、6時に目が覚めてしまうことも多かったです(笑い)」
多忙を極める仮面ライダーの主演期間が終わったことで、「なかなか会えていなかった地元の友達とかに会えるようになりました」という。「地元の友達には『変身してよ』ってよくイジられます(笑い)。(変身ポーズは)やらないですけどね。子供たちに見せるのはいいですけど。『TTFC(東映特撮ファンクラブ)で見てよ』って言います」と照れ笑いを浮かべた。
「仮面ライダーセイバー」の撮影は、楽しいことばかりではなく、「つらいし、しんどいときもありました」と振り返る内藤さん。ヒーローという役どころもあり、「そういう感情って、仮面ライダーの現場には絶対持っていけなかったので……」と精神的な苦労があったことを明かす。
そんな中、支えになったのは家族と友人、サウナだったという。
「行くと気持ちが楽になる、サウナは精神安定剤でしたね(笑い)。また、おばあちゃんとか家族が、毎週セイバーの感想を長文で送ってくれたり、友達が『地元の誇りだわ』って言ってくれたのが、お世辞でも心の支えでした」
また「もっとこうしておけば良かった」と、今でも「仮面ライダーセイバー」を見返すことがあるといいい、「自分が、もっと優しい顔や声のかけ方、ウソのない表情ができていたら、視聴者も(ストーリーに)もっと入り込めたのかな、と思います」と反省を口にしていた。
放送中の「仮面ライダーリバイス」について聞くと、「家族がテーマになっているのはいいですよね。飛羽真は最後まで家族構成が謎のまま終わっちゃったので、うらやましい!」と笑う。続けて、キャスト同士の仲の良さも挙げる。
「仮面ライダーリバイスチームがみんなで一緒に(オンライン)ゲームをやっているのもいいなって思います。日向(亘)くんがやっていたのをきっかけで、休日にみんなでプレーしているらしくて。仮面ライダーセイバーチームは自分以外誰もやっていなくて、ほかのメンバーにやってよって言ってもやってくれないんです(笑い)。映画で共演した後に、一度仮面ライダーリバイスチームに交ぜてもらってゲームをプレーしたのですが、仲が良いなって思います」
内藤さんから見た「仮面ライダーリバイス」主演の前田さんは「いつも姿勢がピシッとしていて、礼儀正しい子」で、「『仮面ライダーリバイス』がスタートして、3カ月ですごい変わったなって思います」と印象の変化を明かす。
「初めての共演は(8月放送のセイバーの)『増刊号』だったのですが、すっごいガチガチで『大丈夫かな?』って少し心配だったんです。でも、映画で再共演したときに、スタッフさんへの気遣いとか、周りがすごく見えているなって感じになっていて、すごく頼もしく見えました。“座長”になっていましたね」
自身も“一つ上”の「仮面ライダーゼロワン」(同、2019~20年)の仮面ライダーゼロワン/飛電或人役の高橋文哉さんから伝えられた、先輩仮面ライダーとして「継承してほしいこと」とは何なのか?
内藤さんは、高橋さんに以前、「次から次へとすごくいいキャラが出てくるし、自分の役よりキャラが濃くてうらやましくなる」という悩みを伝えたところ、かけられた「主演は作品を盛り上げるためにいる。そういうのは気にしないように」という言葉を反芻(はんすう)し、「仮面ライダーリバイス」主演の前田さんに次のようにメッセージを送った。
「後から出てくる仮面ライダーや登場人物が目立っていく展開になると、うらやましいと思うことや、悔しい気持ちが出てくると思うし、『自分がどんどん薄れていってしまうのでは?』と不安になることもあると思います。でも、後から出てくる仮面ライダーや登場人物を際立たせることができるのは、“座長”であり、“1号ライダー”である前田君だけだと思います。『仮面ライダーセイバー』の経験でも、1号ライダーが良くないと、一人一人の登場人物が引き立たない、作品が良くならない、というのはすごく感じたんです。“後からの登場人物を立たせてあげること”ができるのが座長、1号ライダーなので、そこをしっかりやって『仮面ライダーリバイス』を最高なものにしてほしいです!」
最後に、仮面ライダーの主演という大役を終えて、今後どのような俳優を目指したいかと聞くと、映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」(2021年)で共演した仮面ライダー1号/本郷猛役の藤岡弘、さんとの対談でかけられた「愛と正義と勇気とそして夢、希望、感動、これを子供たちに送り続けるヒーローであってほしい」という言葉を挙げ、「役者として、いただいた役を演じるのは当たり前なのですが、見ている人に少しでも何かを与えないと意味がないっていうのを藤岡さんの言葉ですごく感じて。藤岡さんがおっしゃっていた、夢や希望などを少しでも与えることができる役者になれるように頑張りたいです」と熱く語っていた。
※柴崎貴行監督の崎はたつさき
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