ドラゴンボールDAIMA
第5話 パンジ
11月11日(月)放送分
田中芳樹さんの人気小説「銀河英雄伝説」のアニメシリーズ「銀河英雄伝説 Die Neue These」の第3期「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」の第二章が4月1日から3週間限定で上映される。原作の刊行が始まったのは1982年、昭和57年だ。約40年前だが、色あせない魅力がある。「銀河英雄伝説 Die Neue These」は、普遍性のある名作を、今だからできる表現、時代の変化に合わせた視点でアニメ化した。多田俊介監督に制作の裏側を聞いた。
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「銀河英雄伝説」は、銀河帝国の常勝の天才・ラインハルトと自由惑星同盟の不敗の魔術師ヤン・ウェンリーの対決を中心に銀河の興亡を描く作品。1988年からアニメ化され、本伝110話、外伝52話、長編3作が制作された。アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」は、プロダクションI.Gが制作。第1期「邂逅」がテレビアニメとして2018年4~6月に放送され、第2期「星乱」が2019年に劇場上映された。NHK・Eテレでも2020年4~9月に放送された。第3期「激突」の第一章は3月に上映終了、第二章は4月1日から上映、第三章が5月13日から上映される。各章3週間限定上映。
第二章は、銀河帝国軍科学技術総監のシャフトが立案したイゼルローン要塞(ようさい)奪還作戦に向け、ラインハルトがガイエスブルク要塞のワープ実験を進め、ヤンは、自由惑星同盟政府から出頭命令を受けることになる。
「第三章は、要塞と要塞の戦いがメインになります。戦闘シーンにSF的なメカニックなギミックを見せようとしました。巨大な要塞なので、惑星のように美術として描くこともできますが、今回は要塞を動かそうとしました。巨大な3Dモデルを作って動かしています」
CGを駆使した迫力のある戦闘シーンは「銀河英雄伝説 Die Neue These」の魅力の一つで、今だからできる表現だ。魅力はそれだけではない。
「『銀河英雄伝説 Die Neue These』は、俯瞰(ふかん)した描き方よりも、カメラが人間の間に入っていく、ドラマとして見せる方向にシフトしています。ラインハルトは、半身とも言える相棒のキルヒアイスを失いました。第3期では、ラインハルトと彼を支える人々をしっかり描写しようとしました。ラインハルトを取り巻く人々のドラマにフォーカスしています」
ドラマにフォーカスしたことで、キャラクターが魅力的、立体的に見えるようになった。第3期は特にそれが顕著だ。多田監督は、銀河帝国のオーベルシュタインを例に説明する。
「例えば、オーベルシュタインは、犬を飼っています。これまでの映像、原作でも、犬を飼っているというウワサがありましたが、今回はそこをしっかり見せています。犬目線でドラマを見せたシーンもあります」
「銀英伝」はキャラクターの数が多く、関係性が複雑なところもある。犬の目線で銀河帝国陣営の人間関係をたどることで、キャラクターの関係性、心情などがより分かりやすくなった。
第3期では、自由惑星同盟のユリアンの活躍も描かれる。ユリアンも重要なキャラクターの一人だ。
「ヤンは一人で物語のヒーローになり得るキャラクターですが、明確に目的を分かち合えるパートナーとしてユリアンが出てきます。ユリアンの成長によって、ユリアンの重要性が増してきます。ただ、第3期のユリアンは難しいんです。まだ16歳です。ヤンに引き取られた時は思慮深いところのあるものの、まだ子供だったユリアンが、ヤンに自分の思いをぶつけられる存在になっています。大人でも子供でもない存在を描くのが難しいところでした。ユリアン役の梶(裕貴)さんの演技が素晴らしく、梶さんに助けていただきました」
戦闘シーン、ドラマを丁寧に描きつつ、バランスも大切にした。メリハリが利いていて、物語に没入できる。
「ヤンの査問会のさなか、イゼルローンが攻撃され、ピンチになる。ヤンは早く戻らなければいけない。サスペンス要素もあります。2話分でもできますが、4話分使っています。ヤンが不在の間、守ろうとする自由惑星同盟、手柄のために攻撃する銀河帝国の人々のドラマをしっかり描こうとして、こういう配分にさせていただきました」
原作の刊行が始まったのは約40年前だ。世界は大きく変化した。ドラマにフォーカスしたのは、時代の変化とも関係している。
「原作、OVA版が大好きですが、当時とは時代が変わったところもあります。東西冷戦があった当時と今では状況が違います。『銀河英雄伝説 Die Neue These』は、キャラクターが置かれている戦争という状況を俯瞰するというよりも、個々のキャラクターにカメラを向けています。第3期は特にそこを意識しています」
もちろん「銀英伝」には、普遍的な魅力がある。今後、世界がまた大きく変化してもその魅力は色あせないはずだ。だからこそ、再びアニメ化されることになった。多田監督は「原作のテーマを変えているわけではありません。見せ方を変えています。根源の部分はいつの時代も通用する内容だと思っています」と思いを込めた。
第3期を制作する中で「僕自身が原作とOVAのファンで、スタッフ、キャストも同じ気持ちです。だから、心の中のOVAのイメージをゼロにすることはできません。最初はそこに苦労したところもあります。ただ、第3期を作って、踏ん切りがつきました。もっとやってみたい!という気持ちです」と確信した。
物語はまだまだ続く。さらなる展開も期待される。
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