名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
モデルや女優として活躍する桃月なしこさんが、「月刊少年マガジン」(講談社)で連載中のラブコメディーマンガが原作のテレビアニメ「恋は世界征服のあとで」で声優に初挑戦する。桃月さんは、特撮ドラマ「魔進戦隊キラメイジャー」(2020~21年、テレビ朝日系)でキラメイジャーの敵のヨドン軍幹部・ヨドンナを好演し、ドラマ、舞台、CM、雑誌などでも存在感を発揮していることも話題の美女。アニメやゲームが大好きということもあり、声優初挑戦に「震えた」という。初めてのアフレコについて聞いた。
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「恋は世界征服のあとで」は、野田宏さんが原作、若松卓宏さんが作画を担当するマンガで、2019年から「月刊少年マガジン」で連載中。世界平和を目指すヒーロー戦隊・ジェラート5のリーダー・相川不動と、世界征服をもくろむ秘密結社・ゲッコーの戦闘員リーダーである死神王女こと禍原デス美の禁断の恋を描くラブコメディー。アニメは、小林裕介さんが相川不動、長谷川育美さんが禍原デス美をそれぞれ演じる。いわたかずやさんが監督を務め、project No.9が制作する。TOKYO MXほかで放送中。
桃月さんが演じるのは、ゲッコーの戦闘員リーダー「王女シリーズ」の一人の断罪王女こと乱乱。「魔進戦隊キラメイジャー」で敵幹部・ヨドンナを演じた桃月さんが、アニメでヒーローの敵を演じることになった。
「声優のオファーをいただいたのが、戦隊が終わった後だったんです。元々アニメやマンガ、声優さんが大好きでコスプレもやるようになったので、いつか声優のお仕事ができたらいいなとは思っていたんですけど、まさかこんなに早く、しかもメインキャラの役をいただけるなんて思っていなかったので、すごくうれしかったです。同時にプレッシャーや緊張もすごく感じました」
桃月さんは、「恋は世界征服のあとで」の出演が発表された際に「そうそうたる並びに震えている」とコメントしていた。王女シリーズは、“死神王女”禍原デス美役の長谷川育美さん、“魔獣王女”魔島忌々役の花澤香菜さん、“鋼鉄王女”黒百合凶子役の金元寿子さんと豪華声優が顔をそろえる。アフレコは一人だったというが、「第一声は、しっかり声が震えてました(笑い)」と振り返る。
「アニメ好きだからこそ、この並びがヤバいっていうのが分かるんです。何回見ても、どうしてこの並びに私がいるのか分からなくて(笑い)。メインキャラクターがこの方々で、私が戦闘員Aとかだったらまだ可能性はあるかなと思ってたんですけど。王女シリーズの一人に私が!?みたいな。めちゃくちゃ不安でした」
さまざまなアニメ作品を見て「声優さんって、こういう声の出し方をしてるんだ」と研究し、アフレコに臨んだ。「魔進戦隊キラメイジャー」でもアフレコを経験したが、アニメのアフレコは「難しさが違う」と感じたという。
「ヨドンナの時は、動いてる自分に声を当てているから、撮影の時の間の取り方とかも覚えているところがあるんですけど、アニメはキャラクターに声を入れるから、しゃべり方や話すスピード、間の取り方も自分とは違う。自分がよりそのキャラクターにならなきゃいけないとすごく感じました。声優さんに対するリスペクトがさらに大きくなりました。今回は反省点ばかりなので、ぜひまたやりたいです」
桃月さんが演じる乱乱は、他者となれ合わずひょうひょうとしているキャラクター。作中では、そんな乱乱が王女シリーズのパジャマパーティーに誘われることになる。桃月さんは「乱乱と似ているところがある」と感じたという。
「私自身も群れを作るのがあまり得意じゃないというか、集団行動ができなくて(笑い)、一人でいるのが楽だなっていうタイプなんです。乱乱が半ば強制的にパジャマパーティーに参加することになるんですけど、私も自分からそういう集まりに参加することって絶対ないんです。乱乱ちゃんがパジャマパーティーの後で、自分の中にある思いが芽生えたことに気付くんですけど、そういうところもなんか似ているなって」
乱乱は、仮面をかぶっているキャラクターでもある。桃月さんに普段「仮面をかぶっている」と感じる瞬間を聞いてみた。
「基本的にあんまり自分の弱みを見せたくなくて。結構強がっちゃうところがあるんですけど、割とメンタルはもろいです(笑い)。弱みを見せられなくて、つらい時もあって、落ち込んでる時もあるんですけど、おいしいご飯食べたら復活するので、なんとかメンタルを維持をするようには頑張ってます。でも、意外と弱いので優しくしてください(笑い)。強がっているだけなので」
子供のころからアニメやマンガ、ゲームが大好きで、「恋は世界征服のあとで」で念願の声優に初挑戦した桃月さん。サブカルの“沼”にハマったきっかけは何だったのだろう。
「自分の人生に影響を与えた作品はたくさんあるんですけど、ゲームでは『ポケモン』。記憶にある限りだと、『金・銀』(『ポケットモンスター 金・銀』)から全作プレーしていて、結果大人になった今も『ポケモン』がすごく好きです。アニメでは『薄桜鬼』ですね」
「薄桜鬼」は人気乙女ゲーム原作のアニメで、舞台、ミュージカルとメディアミックス展開している。桃月さんは「薄桜鬼」の土方歳三が「初恋の人」だという。
「私がちっちゃいころは、結構“エログロ”なアニメが深夜に放送されている時代で、アニメ好きの母と一緒にエログロアニメを見て育ってきたわけなんですけれど(笑い)、初めてキャラクターにハマってグッズを買ったのが『薄桜鬼』の土方歳三なんです。あの人に人生を狂わされました。私は本当にこの人と結婚するんだって思っていました。オタクになったきっかけが『薄桜鬼』で、そこからしばらくは『3次元の男って何だ?』という時代がありましたね(笑い)」
幼いころの桃月さんは、「薄桜鬼」のヒロイン・雪村千鶴に嫉妬していたという。
「アニメはエンディングが(ゲームの)土方ルートなんです。千鶴ちゃんが土方と結ばれるというエンドが、当時の私は見ていられなくって。『なんで土方ルートにしたんだ!』ってすごく腹が立っていたんです。今はもう大人なので、ちゃんと心穏やかに見られるようにはなりましたけど、当時の私は本当に千鶴が許せませんでした(笑い)」
そうした子供時代の体験が「今の自分を作っている」とも感じているという。
「親のせい、いや親のおかげで、なるべくしてオタクになったというか、今の私があると言っても過言ではないというか。今のお仕事にもつながっています。今回、声優はめちゃくちゃ難しかったんですけど、アニメもゲームもやっぱり好きなので、また声のお仕事も挑戦したいです」
桃月さんが緊張と不安、アニメ愛をもって臨んだ「恋は世界征服のあとで」。断罪王女でまた新たな魅力を見せてくれるはずだ。
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