ドラゴンボールDAIMA
第10話 ウナバラ
12月16日(月)放送分
「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載中の小林有吾さんの人気サッカーマンガが原作のテレビアニメ「アオアシ」。Jリーグのユース年代を題材にした作品で、名門ユース、東京シティ・エスペリオンに入団した主人公・青井葦人(アシト)のチームメートとなる冨樫慶司を演じるのが人気声優の八代拓さんだ。海外サッカーに詳しく、自身もオフはフットサルをプレーするという八代さんに「アオアシ」の魅力、作品への思いを聞いた。
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「アオアシ」は、2015年から「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中のJリーグの高校生世代を育成する組織・ユースチームを題材にしたマンガ。セレクションの末、Jリーグの東京シティ・エスペリオンFCの名門ユースの一員となった主人公・青井葦人が成長する姿を描いている。アニメでは、新人声優の大鈴功起さんがアシトを演じる。NHK・Eテレで毎週土曜午後6時25分放送。
中学生時代にサッカーに魅了されたという八代さんは、海外サッカーを中心に観戦を続け、お笑いコンビ「ナインティナイン」の矢部浩之さんのサッカー番組「やべっちスタジアム」でナレーションを担当したこともあるサッカー通だ。「アオアシ」のテレビアニメ化が決定する前から原作を読んでいたといい、「僕が今まで出会ったマンガの中で、サッカーというスポーツを最もリアルかつ深く描いている」と魅力を表現する。
「ヒューマンドラマと同じぐらいの熱量で、サッカーの戦術やポジションについて、ものすごくしっかりと描かれていて、まずそこにひかれました。また、サッカー史的にすごくインパクトがあった2020年のリバプール対ワトフォード戦を例に出すような描写もあって、サッカー好きにもすごく刺さる部分が多くて、一気にのめり込んだのを今でも覚えています」
「アオアシ」が高校サッカーでもプロサッカーでもなく「ユース」を描いているからこその魅力も感じているという。
「ユースって、絶妙だと思うんです。絶対に全員の頭の中には『プロのJリーガー』という目標がある。もちろん高校サッカーでもそうした面はありますが、やっぱりユースという環境がゆえに、よりリアルに描けるのではないかと思います。『アオアシ』には、栗林晴久のようなJリーグで活躍するユース上がりの選手も登場します。今後、もっといろいろな選手がJリーグで活躍するかもしれませんが、そこは狭き門だと思うので、なかなか難しくて引退する選手も出てくる。そうした全てがすごくリアルで、だからこそ胸を打つんです。納得感もあるし、説得力があると思います」
八代さんは、冨樫役でアニメ「アオアシ」の出演が決まった際、「味わったことのない高揚感と緊張感」があったという。
「オーディションが行われる前から愛読している作品に出させていただくのは、今回が初めてなんです。ポップに言うと『声優をやっていてよかった!』という感じなんですけど(笑い)、その中にはいろいろな複雑な気持ちもあって、すごく身が引き締まる思いでした」
八代さんが演じる冨樫は、アシトの同年代の中で唯一、福田達也監督がスカウトした逸材で、豪快なプレースタイルの攻撃的ディフェンダー。元ヤンキーで、リーゼントのヘアスタイルも特徴的だ。八代さんは冨樫の魅力を「ロジカルに物事を考えるところ」と話す。
「フィジカルとロジカルのバランスがすごく絶妙で、バランスのいい選手だなと思います。誰よりも俯瞰(ふかん)して、物事や人間関係を見ていて、アシトがフィールドを俯瞰できるキャラクターだとするならば、冨樫は日常も俯瞰しているんです。でも、いざピッチに立つと、持ち前の情熱を存分に発揮しつつ、状況を見て頭で対処する能力を持っている」
「冨樫を実際のサッカー選手に例えると?」と聞くと、元イタリア代表のアレッサンドロ・ネスタさんの名前が挙がった。
「元々フォワードをやっていて、キャリアを進めていくうちにセンターバックという守備の要になった選手なんですけど、すごく体も強いですし、足元もうまかったり、頭も良くて。日本人では、アーセナルの冨安健洋選手も通ずるものがある気がします」
八代さんは、「冨樫は斜に構えているところがある」といい、「台本の言葉そのままではなく、彼がなぜその言い回しを選んだか」に注目して演じているという。
「せりふではこう言っているけど、そう思ってないよね?とか、伝えたいことは違うよね?とか、ともすればツンデレみたいなところもあるんです(笑い)。彼なりの独特のコミュニケーションの取り方があるので、意識して演じています」
ほかのキャストの掛け合いでは、「影響を受けたいという欲望があるんです」とも話す。
「冨樫はジュニアユース上がりを敵視しているので、堀江(瞬)くんが演じている黒田勘平に対しては、本当にギラついていて『こんなやわなやつらに絶対負けねえ』という気持ちが前面に出るので、ユース上がりの独特な雰囲気を演じられてる人のせりふを聞いたら、やっぱりイラッとするし(笑い)。それもいい影響だなと思います」
主人公・アシトを演じる大鈴さんからも刺激を受けているという。
「大鈴くんは、同じ事務所の後輩でもあるのですが、初めてアシトの声を聞いた時はびっくりしました。まごうことなきアシトがそこにいて。あの瞬間だけは、冨樫役の八代拓というよりも『アオアシ』のファンでしたね。なんというか、すごく刺激を受けました。アシトって、周りを巻き込むほどの無尽蔵にあふれてくるパワーと、ちょっとでも足を踏み外したら崩れてしまうような柔(やわ)さを兼ね備えていて、だからこそ物語の真ん中にいると思うんです。大鈴くんが、そうした危うさも含めて表現していて、すごくアシトを感じました」
八代さんは、アニメ「アオアシ」では、「芝居が付くと、それだけ色づく世界がある。その中で僕も生きていこうという気持ちです」と語る。今後も声優陣の熱演、熱いドラマに注目したい。
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