酒井広大:「シャドーハウス」 ジョン、ショーン一人二役の挑戦 「意識していないけど意識している」不思議な感覚

「シャドーハウス 2nd Season」に出演する酒井広大さん
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「シャドーハウス 2nd Season」に出演する酒井広大さん

 「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中のマンガが原作のテレビアニメ「シャドーハウス」の第2期「シャドーハウス 2nd Season」が7月8日に放送をスタートする。洋館・シャドーハウスを舞台に、顔のない一族・シャドーと、シャドーの“顔”として生きる世話係の生き人形の不思議な日常を描いたミステリーで、酒井広大さんがシャドーのジョン、その生き人形のショーンの一人二役を務めている。酒井さんは、豪快かつ裏表のない性格のジョンと少しクールなショーン正反対にも見える二人を繊細に演じ分けている。「毎回毎回が挑戦」になっているという酒井さんにアフレコの裏側を聞いた。

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 ◇新鮮な感情を大切に

 「シャドーハウス」は、マンガ家ユニット「ソウマトウ」が「週刊ヤングジャンプ」で2018年9月から連載中のマンガ。独特の世界観、謎めいた展開、個性豊かなキャラクターなどから「類似作品不在」とも言われる話題作だ。テレビアニメ第1期が2021年4~7月に放送された。

 「独特の世界観がありつつ、少年少女の成長劇でもあり、魅力的な要素がたっぷり詰まった作品です。一言で表現できないような魅力で、語ったり、考察したりしたくなります。シリアスですが、ジョンは一人だけ少年マンガ的だったり、コミカルなところもあり、緊張を緩和する役割もある重要なポジションです。第1期の時は、不安、プレッシャーもありましたが、第1期の反響を受けて、ホッとした部分もあり、第2期は自信を持って臨んでいるところもあります」

 先が読めない展開が魅力ではあるが、酒井さんはあえて原作を読まずに収録に臨んでいるという。

 「オーディションの時は読んでいたのですが、ジョン、ショーン役としては先を知らない方が、素直なリアクションができたり、新鮮な感情の表現が生まれたりするかもしれないと思い、途中までしか読んでいないんです。先の展開を知っていた方がいいと思った作品もありますが、『シャドーハウス』に関しては、先の展開を知らない方が、お芝居をする上で、いいのかなと思っています。衝撃を受けつつ、毎週アフレコに臨んでいまして、自分が感じた衝撃を演技にも乗せようとしています。ほかのキャストさんからは『先の話ができないじゃん!』とイジられます(笑い)」

 先の展開が気になるが、そこを我慢して……と酒井さんが芝居に臨む姿勢はストイックだ。

 「伏線もありますし、何度も見ると理解が深まる作品です。そこも作品の魅力だと思います。ジョン様に関しては好き勝手やっていますね。パワープレーですから(笑い)。特に第2期に関しては、よりパワーアップしています。自由にやらせていただいています。ショーンは対照的ですが(笑い)。その対比が面白いですよね。どんどん暴走していくジョンに感化されるショーンも可愛いですし。ジョンが陽だとしたら、ショーンは陰というのは意識しているのですが、演じ分けはそこまで意識していません。意識していないけど、意識しているという。矛盾しているんですよね。二役演じている人によって、それぞれ違うとは思いますが、僕は感覚を大切にしています」

 ◇第2期はジョンがパワーアップ

 「シャドーハウス」では、シャドーと生き人形が会話するシーンがある。酒井さんは、ショーンとジョンの一人二役ということもあり、「切り替えが難しかったりもします」と明かす。

 「同じシーンの時は、別々に録(と)っています。不思議な感覚なのですが、ショーンが、ジョンのテンションに引っ張られることもあり、そこに気をつけています。一人二役なので、全て自分の責任なんですよね。別々に録る時は、自分の芝居を想像しながら、それを受けて演じています。ほかの役者さんとの掛け合いとは、また違った面白さがあり、やりがいがあります。シャドーは顔のないキャラクターですし、想像しながら表情を付けていくことも初めて経験だったので、毎回毎回が挑戦です」

 第2期でショーン、ジョンに変化はあるのだろうか? エミリコのことを度々守ってきたショーンの活躍も期待される。

 「ベースはもちろん変わらないんですけど、ジョンは暴れ具合、テンション感も含めてパワーアップしています。ジョン、エミリコの影響もあって、ショーンも第1期に比べるとさまざまな感情が芽生えるところもあります。ショーンは、エミリコを守ろうとするのですが、エミリコに対しては、恋愛感情ではなく、お兄さん的な感覚なんですよね。エミリコに対するセキュリティーが発動したり、第1期とは違った面がみえるのではないでしょうか?」

 第2期は、キャラクターにより深みが生まれてきそうだ。酒井さんは第2期について「第1期では語られなかったことのより深い部分にも触れられます。ローブ様とは?。シャドーハウスとはどんな存在なのか?と想像をかきたてられます。第1期と第2期のつながりにも注目してください。ジョン、ショーンの変化もあるので、そこも楽しみにしていただきたいです!」と話す。第2期も酒井さんの挑戦は続く。

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