機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島:「クラッシャージョウ」から40年 音響監督・藤野貞義が語る ララァ、セイラのキャスティング秘話も

「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のトークイベントの様子(C)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のトークイベントの様子(C)創通・サンライズ

 アニメ「機動戦士ガンダム(ファーストガンダム)」のアニメーションディレクターやキャラクターデザインなどを担当した安彦良和さんが監督を務める劇場版アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」のスタッフによるトークイベントが6月28日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、安彦良和監督、イムガヒ副監督、音響監督の藤野貞義さん、福嶋大策プロデューサーが登場した。音響監督を務めた藤野さんが「作品が始まる時から、どのようなキャスティングでいくか、どんな音楽、効果音をつけるか決めていきました」と音響制作の裏側を明かした。

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 藤野さんが安彦監督と一緒に初めて仕事をしたは約40年前の「クラッシャージョウ」で、「ククルス・ドアンの島」では、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」以来8年ぶりに安彦監督とタッグを組んだ。「安彦さんと久しぶりに一緒に仕事をしまして、いろいろと感動しました。楽しい作品に関わらせていただいたと思っております」と話した。

 ララァ・スンとセイラ・スンのキャスティングには苦労したといい「(セイラ役の潘めぐみさんの)お母さんの潘恵子さんがララァをやっていらしたので、当然、親子2代でララァをやると思っていたんですけど、あまりにも上手だったので、セイラでお願いしようと思いました」と明かした。

 「ククルス・ドアンの島」で印象の残ったシーンが話題になると、藤野さんは子供の食事シーンを挙げ、「子供の食事をするシーンや自由に話すところがあるんですけど、コロナということもあって一緒に録(と)れなかったんです。大人でも難しいのに、子供に一人ずつガヤをさせてしまいました。なので、そこをイムさん(イムガヒ副監督)が心配なさって、細かく一つ一つガヤのせりふを書いて子役の方々はとやり取りしていたのが印象的でした」と話した。イム副監督は「せりふを新しく入れるのがプレッシャーだったんですけど、藤野さんと相談しながら自然になるように調整しました」と振り返った。

 イム副監督は「どのシーンも愛情込めて、スタッフみんなが妥協せずに作っていますので、選ぶのが難しいんですけど、長く応援してくれているガンダムファンの皆さんに見てほしいなと思うのが、艦長室にいろいろネタが仕込まれているところですね。(キャラクターデザイン・総作画監督の)田村(篤)さんにわざわざ描いていただいたところもあって……」と語った。

 安彦監督は「見た方から、たくさんの意見をもらいますが、こないだ対談した樋口(真嗣)監督にも褒められたんですよ。また作品を作ってくださいとエールを送ってくれました。よい人ですね。ちなみに、今日の衣装は森口博子さんにいただいたシャツです。愛のこもった衣装です。こうしてたくさんの人から反応をいただきまして、どちらを向いても感謝しかありません。気持ちのいい仕事ができ、気持ちのいい後味です。あともう一つ、(安彦監督が住む)所沢の水道屋さんが今日こちらの会場にいるんです。その方にも感謝を伝えたいです。ありがとうございます」と話した。

 「ククルス・ドアンの島」は、1979年に放送されたファーストガンダムのテレビアニメ第15話のエピソードで、主人公のアムロ、敵対するジオン軍の脱走兵ククルス・ドアンの交流を通じて、戦争の哀愁が描かれた。劇場版では第15話を改めて描く。

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