名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
青山剛昌さんの人気マンガ「名探偵コナン」のスピンオフが原作のテレビアニメ「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」が10月3日深夜にTOKYO MX、読売テレビほかでスタートした。「名探偵コナン」の犯人である正体不明の人物をシルエットで描いた“黒い人”(犯人の犯沢さん)が主人公という斬新かつ異色のギャグマンガが原作で、声優の蒼井翔太さんが犯沢さんを演じることも話題になっている。蒼井さんは、「犯沢さんは自由度満載な人物」といい、「自由度が高いからこそ、僕自身が声優人生で培ってきた常識をいい意味で“グワっと”外す工程が必要になると感じました。犯沢さんには、新しい経験をさせていただきました!」と語る。演技のこだわり、アニメの魅力を聞いた。
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表紙を見た時から「テンポが速い作品だろうな」と想像し、いい意味で「ヤバい作品になる」と思いました(笑い)。ストーリーに関しては犯沢さんの真の目的である「ターゲットを××すること」以外は、常日ごろ僕たちが感じている“あるある”がたくさん詰め込まれていて、すごく読みやすい。一方で、ヤバい人物もたくさん出てくるので「何かあるな」と感じさせられます。現実的になる部分と、犯沢さんのヤバい世界観に引きずりこまれる部分とを行ったり来たり、ジェットコースターのような感覚を味わえる作品です。
すごくありがたいと思いました。ご指名をいただくこと自体、本当にうれしいことですが、この素晴らしい作品「犯人の犯沢さん」の犯沢さん役ということで、光栄の極みでした。僕が青春時代に見てきた大好きな「名探偵コナン」のスピンオフ。説明不要の大人気作品の一部になれることに、とてつもないプレッシャーも感じました。原作に触れ、その魅力を知ると、プレッシャーよりもアニメを楽しみにしてくださるみなさんを笑わせたい、楽しませたいという気持ちが大きくなり、とても気合が入りました。
犯沢さんは自由度満載な人物だと思っています。普段、声優というお仕事をさせていただく中で、さまざまなキャラクターと出会いますが、そこまで振り幅のある役って意外と少ないんです。犯沢さんは振り幅のかたまり、相当の振り幅を持っているキャラクターです。でも、自由度が高いからこそ、僕自身が声優人生で培ってきた常識をいい意味で“グワっと”外す工程が必要になると感じました。犯沢さんには、新しい経験をさせていただきました!
僕の中に変なプライドのようなものがあり、蒼井翔太だと気づかれたくないという思いがありました。だから「絶対この声ではしゃべらなそう」という声でやらせていただきました。動画がアップされたとき、みなさんの予想では僕じゃない方ばかりの名前が上がっていたので「しめしめ」という思いでした(笑い)。ただ、僕のファンの中には「あれ? もしかして?」とピンときた方もいらっしゃったみたいだけど、いい意味でみなさんを驚かすというフックになった気がしています。
性別不明のキャラクターであることが大きなポイントです。男性なのか、女性なのか分からない感じを出すことも大事にしました。僕の中で一つ決めていたことがあって、それは原作の中で犯沢さんが真の目的に触れるときに、表情がグワっと変わって本性を現す場面での声の出し方。絶対ドスをきかせたいと決めていました。それ以外は日常のシーンなのでインスピレーションを大切にして、「このシーンではこんな感じかな」と犯沢さんの表情のようにくるくる変わる声の出し方を意識しました。本性の時と日常の時の変化で、目的はハッキリしているけれど姿形はつかみどころがない面白さがあることはしっかり意識して表現したい、そんな思いでアプローチしました。
犯沢さんからすると名前も知らない人たちになるので、犯沢さんならではの呼び名が誕生します。それがすごく面白いんです。特に(毛利)蘭ちゃんに関しては犯沢さんにとってトラウマを植え付けられるほどの出会いがあって(笑い)。呼び名も面白いですし、絡み方もインパクトがあるので、「名探偵コナン」が好きな方にも、そしてもちろん「犯人の犯沢さん」が好きな方にも楽しんでいただけると思います。
大好きなのは(鈴木)園子ちゃん。声を担当している松井菜桜子さんは僕の恩師のような存在です。声優としてデビューするにあたり、松井さんからご指導をいただきました。だから、原作で園子ちゃんが登場するのを知って、台本にも出てくるかなとドキドキして読ませていただきました。放送前までに出演する方たちが解禁されていくはずですが、とにかく豪華でびっくりすると思います。もちろん、現場で犯沢さんを演じているときはプロとしてそこに立っていますが、一方で「名探偵コナン」の世界に入っているという不思議な感覚にもなりました。だって、見渡したら、そうそうたるメンバーがいるわけですから。みなさんもぜひ、期待してください。犯沢さんがあんな人、こんな人と共演しています!
めちゃくちゃ可愛いです。犯沢さんにとってポメ太郎は相棒という存在ですが、僕自身も相棒としてワンちゃんが欲しいという気持ちになるほど、いのりちゃんのポメ太郎にひかれました。ポメ太郎に出会う瞬間の犯沢さんは、ポメ太郎もびっくりの可愛さを見せてくれます。すごく心温まるシーンなので、注目してください。
新浜レオンさんのオープニング「捕まえて、今夜。」は本当に素晴らしい歌謡曲で、サウンドに男のロマンを感じ「やってやるぞ!」という犯沢さんの勢いが感じられる楽曲だと思いました。倉木麻衣さんのエンディング「Secret,voice of my heart」はしっとりしみてくる楽曲で、もう曲名でヤラれちゃいますよね。豪華なお二人に主題歌を担当していただけるということで、「犯人の犯沢さん」の制作サイドの本気がうかがえます。「名探偵コナン」への愛、そして「犯人の犯沢さん」への愛を感じる楽曲だと思いました。
光栄です。大地監督の作品への愛もしっかり感じています。確認VTRの時点で、監督が全役に声をあててくださっていたし、SE(効果音)まで入っていました。これはもう愛以外のなにものでもないと感じると同時に、僕はそれをしっかり受け取り、僕の犯沢さんバージョンでやろうと心に決めました。大地監督の声は「もうこれでいいじゃん!」と思ってしまうほど模範解答のようでした。本当に面白くて、僕は確認VTRで「犯人の犯沢さん」の世界を存分に堪能させていただきました(笑い)。確認VTRで気持ちが通じ合った感覚がありました。いただいたものをしっかり受け止め、僕なりの犯沢さんでお返しをするような感じかな。だから、言葉を多く交わさなくても、一緒に作っている感じがしてとても刺激的なアフレコになりました。新しい感覚を味わえたことに感謝しています。
ファッション&芸術都市です。ミラノ、サンフランシスコ、ニューヨークとかがいいかな。ネットでなんでも見られる時代だけど、やっぱり肌で感じてみないと分からないものってありますよね。それは、アフレコにも通じることだと思っています。テレビで見ていた「名探偵コナン」の世界に今回、スピンオフという形で関わり、肌で感じさせていただきました。まさに全身で「犯人の犯沢さん」に関わらせていただくことによって分かったこともたくさんありました。犯沢さんは犯罪都市・米花町で、僕はファッション&芸術都市でそこでしか得られないものをインプットしたいです。
親族の話や、ペットの話、日常の話など人によって刺さるところは違うかもしれないけれど、僕的に注目してほしいのは、犯沢さんの表情です。日常と真の目的を語るときの表情の変化は海外の方にも楽しんでいただけると思っています。あとはやっぱりみなさんが大好きな「名探偵コナン」のキャラクターが出てくるところではないでしょうか。「来た!」という喜びと「こう来るか」という驚きと、「え?」と思わずズコーッとなるような登場もあるので、さまざまな感情を味わっていただけると思います。
聴けば聴くほど味わいの出てくる楽曲を“スルメ曲”と読んだりしますが、「犯人の犯沢さん」に関しては“味の濃いスルメ”と言えます。最初のインパクトの濃さもすごいけれど、1回じゃ終われない、何度も見たくなるスルメ要素も持っている。それって最強ですよね。インパクトと後を引くうまみ。そんなパワーを持った作品です。ぜひ、期待してください。
「犯人の犯沢さん」は、2017年5月に「サンデーS(スーパー)」(同)で連載をスタート。青山さんが原案、かんばまゆこさんが作画を担当したギャグマンガで、米花町を舞台に「名探偵コナン」の犯人である正体不明の人物をシルエットで描いた“黒い人”(犯人の犯沢さん)の日常を描いている。アニメは、「おじゃる丸」「セクシーコマンド 外伝 すごいよ!!マサルさん」などの大地さんが監督を務める。TOKYO MXほかで放送中。
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