放課後カルテ
第7話 お前が学校に来ようが来まいがどうでもいい
11月23日(土)放送分
10月20日スタートの連続ドラマ「ザ・トラベルナース」(テレビ朝日系、木曜午後9時)で主演を務める岡田将生さん。人気ドラマシリーズ「ドクターX ~外科医・大門未知子~」(同)などで知られる中園ミホさんの脚本で、年の差コンビの看護師の活躍を描く医療ドラマだ。バディーを組む中井貴一さんとは約11年ぶりの共演で「これからの俳優人生が変わると思う」。岡田さんに生じた変化とは? ドラマの見どころは? 岡田さんの口から語っていただく。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
ドラマは、米国ではメジャーな資格であるフリーランスの看護師「トラベルナース」が、日本の医療現場を改革する姿を描く。岡田さんが若手ナースの那須田歩、中井さんがその相棒となっていく伝説の看護師・九鬼静を演じる。
トラベルナースとは日本ではあまりなじみのない言葉だが、岡田さんも「初めて聞いた言葉でした。撮影の前にスタッフさんに、いろいろな資料をまとめてもらい、勉強しました。米国では全看護師の10%を占めているということには、驚きました。今作を通し、日本でも浸透してくれたらうれしいです」と話す。
コロナ禍での医療ドラマの主演ということで、撮影現場では緊張感が続く。「今も最前線で戦っている大勢の医療従事者の皆さんにはリスペクトがありますし、実際の看護師の方たちに共感を得られるようなシーンをいっぱい作っていこうと、中井さんと撮影に臨んでいます」と述べる。
「フィクションである以上、職業ものはどうしてもウソっぽくなってしまう部分はあるかもしれない。でも、今作は『なるべくそういうウソをなくしていこう』と、中井さんとまずお話をしました。患者さんのベッドシーツを替えたり、注射をする際の所作など、細かい部分まで気を付けています」
看護師の仕事内容を知っていくにつれ「本当に体力勝負な仕事」と畏敬(いけい)の思いを強くしたという。「大変な職業だとは思っていましたが、改めて大変さを痛感しました。体力も必要な仕事ですし、患者さんだけでなく、その家族のケアまで……メンタル的にもタフさが求められます。ただただ頭が下がる思いです」と心中を明かす。
作品の持つ世界観については「医療ドラマの醍醐味(だいごみ)は、オペ(手術)のシーンだと思いますが、今回は僕たちナースが、オペ室の前まで患者さんに寄り添い、患者さんと歩んでいくドラマとなっています」と説明。「古い価値観を壊していく中園さんの作品の“痛快さ”を残しつつ、看護師たちと患者が織りなす“人間ドラマ”をぜひ見てほしいです」とアピールする。
今作では、プライドの高い歩(岡田さん)と、毒舌な静(中井さん)の年の差バディーの「兄弟漫才」のようなやりとりも見どころとなる。2人の共演は、映画「プリンセス トヨトミ」(2011年)以来、約11年ぶりとなった。
岡田さんは「当時はあまり深いセッション(共演)がなかったので、いつか貴一さんと、がっつりお芝居できるように役者業を頑張ろうって思っていました。でも、まさかコンビでできるとは思わず、それだけで、とてもうれしかったです」と笑顔を見せる。
撮影現場では、大先輩の温かさを感じることが多々あった。「貴一さんが僕を立ててくれて『お前がやりたいようにやりなさい、全力で守ってあげる』とおっしゃってくれました。おかげで、こういうふうにしたいと、臆せず意見も言えましたし、全力で貴一さんにぶつかっていけました」と話す。
2人の年の差は、約30歳。「よりよいものを作っていこうという作品に対する姿勢がすごい。僕も作品と向き合っていたつもりだったのですが、僕の何倍も深く深く考えて向き合っている貴一さんに、毎日勉強させていただいています」。中井さんの背中は、岡田さんの目にとても大きく映っているようだ。
中井さんと共演したことで「これからの俳優人生が変わると思う」と語る岡田さん。「それに正確に気付くのはまだまだ先かもしれないけれど、“ずっと仕事ができる俳優とはこういう方なんだ”という姿を見ました。この作品が、僕の俳優人生のキーになると思います」
たくさんの刺激を受け、気持ちを新たに。「40、50代でも活躍し続ける俳優になるには、僕はまだまだ積み重ねていかなければならないことがたくさんあると感じました。これからも濃密な作品に関わりたいので、もっと頑張っていきたいです」と力を込めた。
※スタイリスト:大石裕介 ヘアメーク:小林麗子