ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
「まんがタイムきららMAX」(芳文社)で連載中のはまじあきさんの4コママンガが原作となっているテレビアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」。最終回となる第12話が12月24日深夜、TOKYO MXほかで放送された。極度の陰キャ女子高生の“ぼっちちゃん”こと後藤ひとりらによる「結束バンド」の青春を描いたアニメで、アニメが放送される毎週土曜深夜には、SNSで関連ワードがトレンド入りするなど人気を集めてきた。アニメは最終回を迎えたが、結束バンドのアルバム「結束バンド」が12月28日に発売される。同作は、個性的なキャラクター、気合の入ったライブシーン、巧みな演出に加え、結束バンドによる本格的なロックサウンドも話題になってきた。結束バンドのギターボーカルの喜多郁代(喜多ちゃん)役の長谷川育美さんは、アルバムの全14曲のうち11曲でボーカルを担当した。長谷川さんに「ぼっち・ざ・ろっく!」、同作の楽曲への思いを聞いた。
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「ぼっち・ざ・ろっく!」は、2018年から連載中の音楽マンガ。ギターを愛する孤独な少女・後藤ひとりが、ひょんなことから伊地知虹夏が率いる結束バンドに加入することになる……というストーリー。原作が人気だったこともあり、アニメの放送前から話題にはなっていたが、放送が始まると人気が爆発した。盛り上がりを受けて、長谷川さんは「めちゃくちゃうれしいです!」と喜ぶ。
「アフレコの段階から映像を見て、とんでもない作品!と思っていましたが、皆さんに見ていただかないことには始まらないので、とりあえず第1話を見て!という気持ちでした。放送を重ねるごとにジワジワ広がり、盛り上がりが増していることをSNSでも見ていて、皆さんの反響が伝わってきて、とにかくうれしいです」
「ぼっち・ざ・ろっく!」はなぜ、ここまで人気になっているのだろうか?
「原作を読んだ時から可愛さ、笑い、青春が詰め込まれ、全方位網羅した作品だと感じています。アニメになったことで、アニメならではの表現が存分に発揮されていて、アニメ化する意味はこういうことなんだ! 声や音が付いて、動くことを最大限発揮した作品なんです。やっぱり愛だと思うんです。キャスト、スタッフの愛の大きさがすごくて、それが見てくださっている方にも伝わったから、どんどん反響が大きくなっていると感じています。関わっている人間の作品愛が魅力、と自信を持って言えます。それが伝わって、好きになってくださる方が増えるという幸せスパイラルなんです」
結束バンドのメンバーは、ギターボーカルの喜多ちゃん、ギターの後藤ひとり、ドラムの伊地知虹夏、ベースの山田リョウの4人。喜多ちゃんは、明るく、可愛く、人と関わるのが大好きな女子高生で、メンバーでは唯一の陽キャだ。人気キャラクターではあるが、長谷川さんは放送が始まるまで、ここまで人気が出るとは思っていなかったという。
「私自身、喜多ちゃんよりもぼっちの方が共感できます。正直に言うと、どんな存在になるんだろう?と思っていました。あの陽キャオーラを受け入れていただけたのが、うれしいです。喜多ちゃんは、ぼっちとは対極の存在なので、攻撃的に見えないようにしようとしました。攻撃的になったら、青春コンプレックスを刺激するような存在になってしまいます。喜多ちゃんは、とにかくいい子なので、嫌われてしまうような子にはしたくなかったんです。キラキラを出しつつも、攻撃性のないキラキラでありたいと考えていました。いい子に見えているのでしたら、安心します」
喜多ちゃんといえば「キターン」だ。喜多ちゃんが陽キャオーラを発揮した際の擬音のようなもので、長谷川さんが実際に発声しており、「最初は本当に言うと思っていなかったんです。収録で『言ってもらっていい?』と言われたんです。全部同じではありません。『ここはぶりっ子に』などディレクションがあるんです」と明かす。
結束バンドのアルバム「結束バンド」に収録される全14曲のうち、喜多ちゃんが歌うのは11曲。長谷川さんは「すごいですよね。アニメから全14曲のアルバムが出ることもなかなかないですし、豪華です。歌うことが大好きなので、こんなに歌わせていただき、楽しくてしょうがないです」と喜ぶ。
普段は可愛い喜多ちゃんだが、歌う時は格好よさも感じる。普段と歌っている時では声の雰囲気が変わる。ただ、歌っている時も喜多ちゃんのパーソナリティーがしっかり表現されている。この絶妙なバランスは、長谷川さんの演技力、歌唱力によるところも大きいのだろう。
「歌は悩みました。オーディションで喜多ちゃんだけ歌のオーディションもありました。その時は『キャラ意識して歌った方がいいですか?』と聞いたこともあったのですが、実際にどう歌うんだろう?と悩んだんです。キャラソンは、その子のキャラクター性をフィーチャーして歌に落とし込んだ方がいいことも多いのですが、結束バンドに関しては、物語の中で、4人でバンドを組んでリアルに活動している中で生まれた曲なので、ほかのキャラソンとは違う……と考えました。結束バンドをちゃんと表現したかったんです。
喜多ちゃんは普段、可愛く、高い声でしゃべっていますが、結束バンドの楽曲はガチなロックです。普段のしゃべりのまま歌うと、曲のよさが消えるかもしれません。喜多ちゃんは歌がうまい子なので、曲の魅力を最大限引き出せる歌い方ができる子のはずです。できるだけ曲の雰囲気に合わせるのが正解なのかもしれない……と考えました。どこまで喜多ちゃんのキャラクター性を入れますか?と話し合いながらレコーディングしました。実際に、歌手の方が普段しゃべっている時と歌っている時で、声の雰囲気が変わることがあります。だから、この方がリアルなのかもしれません」
オープニングテーマ「青春コンプレックス」は、4人で歌うのかと思いきや、喜多ちゃんが一人で歌っている。長谷川さんは「オープニングはみんなで歌うのかな?と思った方もいたかもしれませんが……」と話す。
「自分一人の歌でオープニングを飾るのは初めてです。ハモりはリョウさんが担当しています。オープニングは作品の顔でもあるので、責任重大でした。オープニングから結束バンドはこうだ!とブレずに表現しているんです。初めて映像を見た時はすごく感動しました」
喜多ちゃんが歌った11曲で特に好きな楽曲を聞いてみると「全部好きなんですけど」と前置きした上で「フラッシュバッカー」を挙げる。
「制作陣からも超絶人気曲で、私も大好き。アニメには出てこない曲で、ほかの曲とも空気感が違って、ちょっと静かなんです。初めて聴いた時、涙を流すくらい響いちゃいました。聴く人によって思い起こされる情景、感じ方が違う曲かもしれません。私は、自分の中の思い出がよみがえってきて、グッときました」
アルバムには、水野朔さんが演じるリョウが歌う「カラカラ」、鈴代紗弓さんが演じる虹夏が歌う「なにが悪い」、青山吉能さんが演じるひとりが歌う「転がる岩、君に朝が降る」も収録される。ひとりが歌うのは、ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジカン)」の名曲のカバーだ。
「3人の曲もすごくいいんです。『カラカラ』はオシャレ! メロが独特でリョウさんだから歌える哀愁のある曲です。喜多ちゃんが歌ったらまた全然違うでしょうね。『なにが悪い』はズルい(笑い)。最初に流れた時の演出も完璧でした。虹夏もやっぱり虹夏の曲なんです。抱えているものがある虹夏だから表現できる曲です。私も家で口ずさむことがあります。虹夏もいい子ですよね。リアルにそばにいてほしい子です。そして、ぼっち! 最終回についにアジカン! 最終回でぼっちの歌が聞こえてくるので、グッときます。エモいです! 言葉の表現が簡単になっちゃうくらい、いいんです!」
結束バンドの4人の声優陣の結束力も抜群だ。
「みんな年齢、歴もバラバラなんですけど、すごくチームワークがいいんです。朔が一番年下なんですけど、最近は『このカフェに一緒に行きたいです』と誘ってくれるんです。アフレコが始まる前のテスト収録で、全然しゃべらなかった朔が! おとなしくてクールな子だと思っていたら、緊張していただけだったらしいです(笑い)。年下の子から誘ってもらえるとすごくうれしいです。よっぴー(青山さん)は、よっぴー節で盛り上げてくれて、本当に面白いです。唯一無二の空気感です。紗弓は一番引っ張ってくれます。どこか行く時、すぐに計画を立ててくれるんです。私は何だろう? よくしゃべります(笑い)。バランスがすごくいんです。放送が終わっても、関係が続いていきそうな4人で、ばっちり結束しています」
アニメは24日深夜の放送で最終回を迎え、長谷川さんは「終わっちゃうのが寂しいです。全話リアタイしていました。私はSNSをやっていないけど、ほかの3人のSNSを見ています。結束バンドとしてはLINEで盛り上がっています。本当に寂しい……」と悲しんでいる様子。
素晴らしいアルバムが完成し、2023年4月23日にはリアルイベントの開催も決定した。アニメは放送を終了したが、今後のさらなる展開にも期待したい。
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