大みそか放送の「第73回NHK紅白歌合戦」で8年連続の出場を果たすアイドルグループ「乃木坂46」。日本のアイドル界をけん引するグループのエース・齋藤飛鳥さんが同日をもってメンバーとしての活動を終了する(卒業コンサートは2023年開催予定)。11年前、13歳で乃木坂46の1期生として加入した齋藤さん。今の乃木坂46の人気を確立した“立役者”といえる彼女の活躍を振り返ってみたい。
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齋藤さんは2011年、「AKB48の公式ライバル」として誕生した同グループの1期生メンバーに合格、1期生最年少の13歳でグループに加入。最新31枚目シングル「ここにはないもの」まで表題曲のセンターを5回務めたほか、モデルや女優としても活躍する乃木坂46のエースだ。
しかし、初めから決して目立つポジションにいたわけではない。デビューシングル「ぐるぐるカーテン」では選抜メンバーに選ばれたが、ポジションは最後列の3列目。2枚目シングル「おいでシャンプー」では選抜から外れ、以降は同期の生田絵梨花さん、生駒里奈さん、白石麻衣さん、西野七瀬さん、橋本奈々未さん、松村沙友理さんらが選抜常連メンバーとして頭角を現していく中、アンダーメンバーとして活動することが主だった。
そこから徐々に人気を獲得していき、結成5年目、2015年発売の11枚目シングル「命は美しい」で選抜入りして以降は、すべてのシングル曲で選抜入りする人気メンバーに。2016年発売の15枚目シングル「裸足でSummer」では初めてセンターも務めた。当時はまだ上記のそうそうたる同期メンバーがいた時代だが、次第に「次世代エース」の呼び声も高くなるように。そして白石さんや西野さんたちの卒業後は、「次世代エース」から「絶対的エース」に成長した。
マスクで完全に隠れるほどの小顔など、その抜群のプロポーションから、2015年から女性ファッション誌「sweet」(宝島社)のレギュラーモデルに就任。これまで数多くのガールズイベントやファッションショーに登場するなど、モデルとしても活躍し、男性ファンだけでなく、同世代の女性からの支持も厚い。
2017年公開の映画「あの頃、君を追いかけた」では山田裕貴さんの相手役としてヒロインを務め、2020年に連続ドラマが放送されると共に映画化もされた「映像研には手を出すな!」で主演した。アイドル活動だけでなく、齋藤さんのモデルや女優としての活躍が、グループの知名度の向上に大きく貢献した。
特技はドラム。2021年には音楽をテーマにした「OKAMOTO’S」のハマ・オカモトさんとの冠バラエティー番組「ハマスカ放送部」(テレビ朝日)がスタート。同番組は木曜深夜2時帯の番組として始まったが、視聴者投票企画でグランプリに輝き、今年4月から毎週月曜深夜0時15分に“昇格”した。12月に行われた番組のファンイベントでは、齋藤さんがドラマーとして、OKAMOTO’Sと生セッションを披露した。
「乃木坂46の顔」ともいえる齋藤さん。11月の卒業発表時にはファンだけでなく、他のアイドルグループのファンの間にも衝撃が走った。
モデルや女優、音楽と活動範囲が広かっただけに注目されるのは卒業後の進路。卒業発表直後のブログでは「これからゆっくり考えていきたいなと思っています。約11年、ありがたいことにいろいろな経験をさせていただいて、いろいろなところに興味のやじるしがあるので、私自身とってもたのしみです!」とつづっていたが、依然明言はしていない。来年開催予定の卒業コンサートで何か発表があるのだろうか、注目される。
卒業コンサートはあるが、テレビで“乃木坂46の齋藤飛鳥”を見られるのは紅白の舞台が最後だろう。同グループが披露するのは、齋藤さんが初のセンターを務めた「裸足でSummer」。11年間にわたってグループの屋台骨となってきた齋藤さんには、この上ない花道となるのではないだろうか。