歌手のあのさんと、俳優の落合モトキさんが、2023年秋に公開される映画「鯨の骨」でダブル主演を務めることが6月7日、明らかになった。併せて場面写真が公開された。
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映画は、結婚間近だった恋人と破局した間宮(落合さん)が、マッチングアプリで返信をくれた女子高生と会うが、女子高生は間宮のアパートで自殺してしまう。遺体を隠そうとする間宮だが、気がつけば遺体は消えてしまっていた。間宮は、位置情報とリンクして実際の場所で撮影した動画を投稿することができる拡張現実アプリの中で、自殺した女子高生に似た少女、明日香(あのさん)を発見する。明日香の投稿を追いかけるうちに、間宮は現実とバーチャルの境界があいまいになっていく……というストーリー。
映画「ドライブ・マイ・カー」(2021年)や配信ドラマ「ガンニバル」(2022年)の脚本を担当した大江崇允(おおえ・たかまさ)さんが監督を務める。
あのさんは「ただ無性に冷たくて息もうまく吸えないそんな時期に撮影し、撮影しながらまるで深海にいるような、何度も明日香が自分と重なっては濁って消えていく、そんな体験をしました。『鯨の骨』でしか味わえない何とも奇妙な浮遊感を皆様にも楽しんでいただきたいです」とコメントした。
落合さんは「撮影中、印象に残ってるのはあのちゃんを追いかけるシーン。あのちゃんは信じられないくらい足が速くて久々に本気で走りました。でもそれが可愛らしく見えたり」と撮影を振り返った。
大江監督は「『都会の夜は深海に似ている』このフレーズが映画の発端であり、またそのすべてです。深海では、海底に落下した鯨の骨に群がり、その栄養を吸って生きる小さな生物群集が存在しています。それらは鯨の骨の栄養を吸い尽くすと、やがて骨と一緒に消えてしまうはかない生物です。そんな生物たちですが、どうやら薄っすらと発光しているそうなのです。僕には深海の点在する光が、まるで空から見た都会の夜のあかりと重なりました。僕が四角い水中眼鏡をかけて見ている世界、それがこの映画です」とコメントを寄せた。
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