モンスター
#10 信じた者たちへ
12月16日(月)放送分
俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。今作でチーフ演出を務める福井充広さんが、趣里さんの歌と踊りの魅力について語った。
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「ブギウギ」は、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲を歌った戦後の大スター、笠置シヅ子さん(1914-1985年)が主人公・鈴子のモデルとなる。笠置さんの人生を、激動の時代の中で、ひたむきに歌に踊りに向き合い続けた歌手の波瀾(はらん)万丈の物語として大胆に再構成。原作はなく、登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。
脚本は、2014年公開の映画「百円の恋」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞などを受賞した足立紳さんがメインで担当し、ドラマ「マルモのおきて」(フジテレビ系)の櫻井剛さんも参加する。音楽は、笠置シヅ子の代表曲「東京ブギウギ」の作曲者、服部良一の孫である服部隆之さんが手がける。
第1回(10月2日放送)の冒頭で、趣里さん演じる鈴子が「東京ブギウギ」をステージで披露する場面が描かれ、見事な歌声とダンスパフォーマンスが視聴者から注目された。
趣里さんの踊りについて、福井さんは「もともと英国に留学なさってプロのダンサーを目指していたような方ですから、体のしなやかさ、音をつかむリズム感などはまったくもって申し分ありません。この役にぴったりな方でした」と絶賛する。
一方、歌については「オーディションの段階では、歌の部分でどこまでいけるのか、ちょっとした不安感はありました」と率直に明かす。「笠置シヅ子さんを描く以上、ヒロインをしっかりした歌い手として僕たちは提示しないといけません。プロの歌手を表現するわけですから、70点ではだめで、最初から90点ぐらいの人じゃないとなかなか難しいぞ、という感じがありました」と語る。
オーディションの時点では、趣里さんは「そのギリギリのラインに立っていた」という。しかし、「服部先生も含めてお話させていただいたんですけど、ちょっとハスキーがかった声質で笠置シヅ子さんに通ずるものをお持ちだし、芝居のセンスが抜群に面白いし、何よりあのダイナミックな笑顔に心奪われました。これで歌のレッスンを積んでいけば“鬼に金棒”」と考えたという。
趣里さんは、昨年11月頃からボイストレーナーの先生と練習を重ねる中で、歌唱力がめきめきと上達したという。福井さんは「伸びしろがすごいですね。僕らの不安を一掃してくれました」とうれしそうに振り返る。
趣里さんは、主題歌「ハッピー☆ブギ」を、音楽ユニット「EGO-WRAPPIN’」の中納良恵さん、シンガー・ソングライターのさかいゆうさんと共に歌っていることも話題だ。福井さんは「服部先生も、趣里さんがどんどん成長していくさまを見て、主題歌もぜひ歌ってほしいと。服部さんがそういう気持ちの変化を起こしたぐらいですので、趣里さんの歌声は素晴らしいです」と熱く語る。
オーディション段階では、歌は“ギリギリのライン”だったという趣里さんが、主題歌を担当し、視聴者を見事な歌声で魅了するほど急激に成長。福井さんは、「今や280点くらいですね。いや、もっとかもしれません」と期待以上の成長ぶりに喜びを隠しきれない様子だった。
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