海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)で、子ども時代のヒロイン鈴子(澤井梨丘さん)の弟、六郎を演じている又野暁仁(またの・あきひと)君。又野君は、NHK大阪制作の朝ドラに5作連続で出演している“ベテラン”で、劇中に登場すると視聴者の話題を集めた。又野君の起用理由や現場での様子について、演出担当に聞いた。
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又野君は、2013年2月生まれ、大阪府出身の10歳。初めて出演した朝ドラは「スカーレット」(2019年後期)で、ヒロイン喜美子(戸田恵梨香さん)の息子、川原武志の子ども時代を演じた。
その後、「おちょやん」(2020年後期)ではヒロインの友人、洋子(阿部純子さん)の息子の若崎進太郎、「カムカムエヴリバディ」(2021年後期)では「なあなあ、お兄ちゃんとお姉ちゃんアベックなん?」と、るい(深津絵里さん)と錠一郎(オダギリジョーさん)に話しかける野球少年、「舞いあがれ!」(2022年後期)ではヒロイン舞(福原遥さん)の祖母、祥子(高畑淳子さん)が住む五島に移住体験でやってきた星が好きな少年、朝陽として出演。
又野君が「ブギウギ」で演じる六郎は、鈴子の3歳下の弟で、ちょっとぼーっとしたところがあるマイペースな性格。拾ってきたカメをペットにしており、第3回では、小学校卒業後の進路に悩む鈴子の前で「わい、カメ博士になる!」と宣言していた。
チーフ演出の福井充広さんは、六郎は脚本を担当する足立紳さんの「強い思い入れがある役」と明かす。六郎は「人と人との関係性に対してちょっととぼけている、足立さん独自の人間らしさ、子どもらしさが極端に振れている男の子として台本の段階から存在していた」キャラクターだった。
鈴子と違って「素でやってもらうのではなく、芝居をしっかりできないと」という難役だが、又野君をオーディションで抜擢(ばってき)した。「多くの方にお会いさせていただいたんですけれども、こちらの要求に応えてくれる男の子は数少なかった。そうした中で、又野君は、可愛らしさとあの年齢での現場での対応力、経験値があるところが決め手になった」という。
演出の泉並敬眞さんも、「又野君は『スカーレット』の子どもの頃の武志役のときからよく知っているんですが、あのピュアさ、純真さ、台本通り演じているんですけれど、台本があるように全く見えないという演技力が彼の才能だと思っています」と評する。
「小学校3年生でカメが話し相手という弟がいるというのが、ヒロインのキャラクターを作る上でも(影響力が)大きいと足立さんと台本を作る上で話していた」という六郎を演じるのは、「又野君しかいなかった」と太鼓判を押した。
「ブギウギ」は、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」など数々の名曲を歌った戦後の大スター、笠置シヅ子さん(1914-1985年)が主人公・花田鈴子(福来スズ子)のモデルとなる。笠置さんの人生を、激動の時代の中で、ひたむきに歌に踊りに向き合い続けた歌手の波瀾(はらん)万丈の物語として大胆に再構成。原作はなく、登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。
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