PLUTO:日笠陽子「今だからこそ全世界の人に」 アトムの多彩な感情を表現

「PLUTO」の一場面(c)浦沢直樹/長崎尚志/手塚プロダクション(c)浦沢直樹/長崎尚志/手塚プロダクション/「PLUTO」製作委員会
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「PLUTO」の一場面(c)浦沢直樹/長崎尚志/手塚プロダクション(c)浦沢直樹/長崎尚志/手塚プロダクション/「PLUTO」製作委員会

 浦沢直樹さんのマンガが原作のアニメ「PLUTO」がNetflixで10月26日から配信される。浦沢さんが手塚治虫の「鉄腕アトム」の一編「地上最大のロボット」をリメークしたマンガが原作で、日笠陽子さんがアトムを演じる。日笠さんが、アトム役への思いを語った。

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 ◇アトム役に身が引き締まる思い

 「PLUTO」は、2003~09年に「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で連載され、「鉄腕アトム」では脇役だったロボット捜査官・ゲジヒトの視点で描いた。人とロボットが共存する社会で、世界で最も優秀なロボットが次々に暗殺される怪事件が発生し、真相を追うゲジヒトとアトムはやがて世界を破滅へと導く史上最悪の憎しみの存在に気付く……というストーリー。

 アニメは、真木太郎さん、丸山正雄さんがエグゼクティブプロデューサーを務め、丸山さんが創設したスタジオM2が制作する。「紅の豚」「新世紀エヴァンゲリオン」などの作画監督の河口俊夫さんが監督を務める。藤真秀さんが主人公でユーロポールのロボット捜査官・ゲジヒトを演じる。

 日笠さんは、自身の兄が浦沢さんの作品のファンということもあり、強い思い入れがあったといい「あれをアニメ化するんだというのが衝撃でした。また、連載からかなり時間がたっている『PLUTO』がアニメ化されるということも驚きました」「こうして関わってみると、今だからこそこの作品が映像になって全世界の人に見てもらうということに意味があるのだと、とてもめぐり合わせを感じました」と語る。

 アトム役に決まった際のことを「理解が追い付かないほど驚きましたし、身が引き締まる思いでした」と振り返り、「オーディション原稿がきた時に、演じてみたいなと思う気持ちと、浦沢さんの作品に関わることの喜びそして、少し宙に浮いてしまうような気持ちを抑えるのに必死でした」と話す。

 ◇アトムに指摘されたような気がしました

 アトムはロボットでありながら、同じくロボットであるゲジヒトに「人間かロボットか、識別システムが誤作動を起こしそうになる」と言われるほど多彩に感情を表現する。人間の子供に近い姿のアトムを演じる上で苦労も多かったといい、音響監督から「もっとみずみずしく人間的に、その場の感情でやってほしい」とリクエストがあったという。

 「私が自分なりに役作りをしたアトムをアフレコで初めて演じた時は、ある意味でロボット的だったのだと思います。この子はもしかしてものすごく大人で、いろいろなことを乗り越えた上で子供を演じているのかな?と思ったんです。自分がそう考えたのは、いわゆるセオリーを決めつけるみたいな、“プログラミング”ですよね。自分で考えるということ自体がいかに決めつけだったかというのを思い知らされて、逆に自分がちょっとロボット的になってしまっていたんだなと、アトムに指摘されたような気がしました」

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