解説:ガンプラW杯(GBWC) 世界一ガンプラがすごい! 日本代表も健闘

「ガンプラビルダーズワールドカップ 11thトーナメント」のOVER-21コースで世界一になったガンプラ
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「ガンプラビルダーズワールドカップ 11thトーナメント」のOVER-21コースで世界一になったガンプラ

 アニメ「ガンダム」シリーズのプラモデル(ガンプラ)の作り手世界一を決めるコンテスト「ガンプラビルダーズワールドカップ(GBWC、ガンプラW杯)」の第11回「ガンプラビルダーズワールドカップ 11thトーナメント」の世界大会決勝戦が12月16日、ガンダムベース東京(東京都江東区)で開催された。16の国と地域の代表が激突し、21歳以上のOVER-21コースでは、カナダ代表の「ボンド フロム アボーブ」(サイモン・ラムさん)が世界一に選ばれた。今年のGBWCについて解説する。

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 ◇バナージとミネバが手を取る 「ガンダムUC」の感動を!

 GBWCは、ガンプラの工作や塗装技術、アイデアなどを競う国際大会で、2011年に始まった。今年は、前回同様に14歳以下のU-14コース、15歳以上、20歳以下のU-20コース、21歳以上のOVER-21コースがある。日本、中国内地、韓国、台湾、香港特別行政区、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、オーストラリア、ベトナム、米国、カナダ、ヨーロッパ&中東、英国の16の国と地域で開催。各エリア、地域大会を順次開催し、代表を選出した。

 OVER-21コースで優勝したカナダ代表の「ボンド フロム アボーブ」(サイモン・ラムさん)は、「PG 1/60 RX-78-2 ガンダム」などをミキシング(複数のキットのパーツを組み合わせる手法)して「機動戦士ガンダムUC」に登場するトルロ社製プチモビルスーツTOLRO-800(トロハチ)を制作した。バナージ・リンクスとオードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)などの造形にこだわった。制作期間は約4年。

 審査員は「トロハチはガンダムベース限定のガンプラとして商品化されていますが、このサイズでは商品化されていない。どうやって作られているか分からないくらい工作レベル、ミキシングのセンスが高い。コックピットの作り込み、バナージとミネバが手を取る瞬間を表現し、アニメの一シーンを見ているかのような作り込みに感動した」と高く評価した。

 見れば見るほど細部の作り込みに驚かされる。「機動戦士ガンダムUC」の感動をガンプラで表現したところも高く評価されたようだ。

 ◇U-20は「水星の魔女」 家族の絆を表現

 U-20コースで世界一に選ばれた台湾代表の「ザ ブレッシング」(ハルさん)は、「機動戦士ガンダム 水星の魔女」を題材とした作品で、「HG 1/144 ガンダムキャリバーン」などを使用した。スレッタ・マーキュリーが搭乗するガンダム・キャリバーンが、ガンダム・エアリアルにとらわれたエリクト・サマヤに手を差し伸べる様子をガンプラで表現した。

 ガンダム・キャリバーンのガンプラは7月15日に発売されたこともあり、審査員は「いち早く作品を仕上げるスピード感」に驚かされた様子。「背面から見ても家族の絆を感じる。どこから見ても楽しめる作品」と作り込みとドラマ性の高さが評価のポイントになったようだ。

 「水星の魔女」は2022~23年に放送され、新たなガンダムファンを獲得したとも言われている。U-20コースの各国代表は、ほかにも「水星の魔女」を題材とした作品が見られ、世界中の若者に愛されていることがうかがえた。

 ◇U-14も力作ぞろい 優勝作はタイの神獣!?

 U-14コースは、タイ代表の「ザ ドラゴンホース マニル マンコーン」(パッサコーン・フォサインガムさん)が世界一に選ばれた。「頭は竜、体は馬」というタイの神獣をモチーフにした作品で、「MG 1/100 百式 ver.2.0」などを使用した。

 審査員は「宇宙世紀を題材にした作品だが、宇宙世紀作品以外のガンプラのパーツを使って仕上げている」とミキシングのセンスの高さを評価した。

 GBWCのスタート時はジュニアコースと呼ばれていた、14歳以下のコースは年々レベルが上がっている。中には、OVER-21コースのガンプラと並べても遜色ないクオリティーの作品もあった。今回のタイ代表のように自由な発想の作品もあり、大人も刺激を受けるはずだ。

 日本代表は、2018年の15歳以上が対象のオープンコースの「ガンダムエクシアリペアII -胎動-」(ウツギさん)以来、世界一になっていない。今回は残念ながら優勝を逃したが、U-14コースで小島柚紀さんの「カミーユ 宇宙へ…」が3位、U-20コースでkoseiさんの「Valiant」が2位に選ばれ、健闘した。

 今回の世界大会決勝戦の最後には、第12回が開催されることが発表された。次回の日本代表の活躍にも期待したい。

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