君たちはどう生きるか:毎日映コン大藤信郎賞に鈴木P歓喜 「高畑勲もほしがっていた」

「第78回毎日映画コンクール」の表彰式に出席したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー
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「第78回毎日映画コンクール」の表彰式に出席したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー

 「第78回毎日映画コンクール」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の表彰式が2月14日、めぐろパーシモンホール(東京都目黒区)で開催され、劇場版アニメ「君たちはどう生きるか」で大藤信郎賞を受賞した宮崎駿監督の代理で、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが登壇した。鈴木プロデューサーは「大藤信郎賞は、長い歴史、伝統がある賞。スタジオジブリには、宮崎以外にかつて高畑勲という監督がいたのですが、これほしがってたんですよ。(宮崎監督は)『風立ちぬ』の時にとれなくて悔しがっていたのを覚えています。『君たちはどう生きるか』がそういう賞をとれて、本当にうれしく思っております」と喜びを語った。

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 鈴木プロデューサーは、同コンクールの特別賞も受賞し、大藤信郎賞に続き、連続でスピーチすることになり、「やりづらい」と苦笑い。スタジオジブリの設立に関わった徳間書店の故・徳間康快社長も同賞を受賞したといい、「でも(受賞の前に)亡くなっちゃっていたんで、あまり縁起がよくない。そんなことを言うのもまずいですが……。徳間社長ももらった賞を僕もいただけてうれしいです」と語った。

 「君たちはどう生きるか」は、2013年公開の「風立ちぬ」以来、約10年ぶりとなる宮崎監督の長編アニメ。宮崎監督が原作、脚本を手掛けた。2022年12月にポスタービジュアルがお披露目されたが、あらすじ、キャスト、主題歌などが事前に明かされないまま、2023年7月14日に公開された。第96回アカデミー賞の長編アニメーション映画部門賞にノミネートされたことも話題になっている。

 毎日映画コンクールは、日本で最も長い歴史を持つ映画コンクールの一つで、日本映画大賞を表彰する作品部門、主演賞などを表彰する俳優部門のほか、スタッフ部門、アニメーション部門、ドキュメンタリー部門などがある。第78回は、2023年1月1日~12月31日に国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーション・ドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)を対象に選出した。

 ◇「第78回毎日映画コンクール」の受賞作品(受賞者)は以下の通り(敬称略)

 日本映画大賞:「せかいのおきく」(阪本順治監督)▽日本映画優秀賞:「ほかげ」(塚本晋也監督)▽外国映画ベストワン賞:「TAR/ター」(トッド・フィールド監督)

 男優主演賞:鈴木亮平「エゴイスト」▽女優主演賞:杉咲花「市子」▽男優助演賞:宮沢氷魚「エゴイスト」▽女優助演賞:広瀬すず「キリエのうた」▽スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ「さよなら ほやマン」▽スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK「BAD LANDS バッド・ランズ」

 監督賞:石井裕也「月」▽脚本賞:阪本順治「せかいのおきく」▽撮影賞:鎌苅洋一「月」▽美術賞:上條安里「ゴジラ-1.0」▽音楽賞:ジム・オルーク「658km、陽子の旅」▽録音賞:志満順一「せかいのおきく」

 アニメーション映画賞:「アリスとテレスのまぼろし工場」(岡田麿里監督)▽大藤信郎賞:「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)▽ドキュメンタリー映画賞:「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」(寺田和弘監督)▽TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・日本映画部門:「劇場版 美しい彼~eternal~」▽TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・外国映画部門:「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」▽田中絹代賞:薬師丸ひろ子▽特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)

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