アリスとテレスのまぼろし工場:毎日映コンアニメーション映画賞受賞 岡田麿里監督「アニメーション映画への憧れを前のめりに詰め込んだ作品」

「第78回毎日映画コンクール」の表彰式に出席した「アリスとテレスのまぼろし工場」の岡田麿里監督
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「第78回毎日映画コンクール」の表彰式に出席した「アリスとテレスのまぼろし工場」の岡田麿里監督

 「第78回毎日映画コンクール」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の表彰式が2月14日、めぐろパーシモンホール(東京都目黒区)で開催され、劇場版アニメ「アリスとテレスのまぼろし工場」でアニメーション映画賞を受賞した岡田麿里監督が登壇した。岡田監督は「ずっとアニメーション映画に憧れて、その憧れを前のめりに詰め込んだ作品になっています。完成した映像を見て、その時々の葛藤や情熱、良いことも悪いことも全てが画面に表れているなと思いました。そんなスタッフ一人一人の思いが詰まった作品を評価していただけたことを本当にうれしく思っています」と喜びを語った。

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 「アリスとテレスのまぼろし工場」は、アニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などの脚本で知られる岡田さんの2作目となる監督作で、「呪術廻戦」「チェンソーマン」などのMAPPAが制作した。2023年9月に公開された。

 突然起こった製鉄所の爆発事故により、時が止まり、外に出る道も全て塞がれてしまった町を舞台に、少年、少女たちが“恋する衝動”を武器に未来に向かおうともがく姿が描かれる。声優の榎木淳弥さんが正宗、上田麗奈さんが睦実、久野美咲さんが五実をそれぞれ演じた。シンガー・ソングライターの中島みゆきさんが主題歌「心音(しんおん)」を担当したことも話題になった。

 毎日映画コンクールは、日本で最も長い歴史を持つ映画コンクールの一つで、日本映画大賞を表彰する作品部門、主演賞などを表彰する俳優部門のほか、スタッフ部門、アニメーション部門、ドキュメンタリー部門などがある。第78回は、2023年1月1日~12月31日に国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーション・ドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)を対象に選出した。

 ◇「第78回毎日映画コンクール」の受賞作品(受賞者)は以下の通り(敬称略)

 日本映画大賞:「せかいのおきく」(阪本順治監督)▽日本映画優秀賞:「ほかげ」(塚本晋也監督)▽外国映画ベストワン賞:「TAR/ター」(トッド・フィールド監督)

 男優主演賞:鈴木亮平「エゴイスト」▽女優主演賞:杉咲花「市子」▽男優助演賞:宮沢氷魚「エゴイスト」▽女優助演賞:広瀬すず「キリエのうた」▽スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ「さよなら ほやマン」▽スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK「BAD LANDS バッド・ランズ」

 監督賞:石井裕也「月」▽脚本賞:阪本順治「せかいのおきく」▽撮影賞:鎌苅洋一「月」▽美術賞:上條安里「ゴジラ-1.0」▽音楽賞:ジム・オルーク「658km、陽子の旅」▽録音賞:志満順一「せかいのおきく」

 アニメーション映画賞:「アリスとテレスのまぼろし工場」(岡田麿里監督)▽大藤信郎賞:「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)▽ドキュメンタリー映画賞:「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」(寺田和弘監督)▽TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・日本映画部門:「劇場版 美しい彼~eternal~」▽TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・外国映画部門:「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」▽田中絹代賞:薬師丸ひろ子▽特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)

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