鈴木亮平:同性愛者役に「演技以上の責任」 「エゴイスト」宮沢氷魚と毎日映コンW受賞

「第78回毎日映画コンクール」表彰式に出席した「エゴイスト」の(左から)松永大司監督、男優主演賞の鈴木亮平さん、男優助演賞の宮沢氷魚さん
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「第78回毎日映画コンクール」表彰式に出席した「エゴイスト」の(左から)松永大司監督、男優主演賞の鈴木亮平さん、男優助演賞の宮沢氷魚さん

 「第78回毎日映画コンクール」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞主催)の表彰式が2月14日、めぐろパーシモンホール(東京都目黒区)で開催され、「エゴイスト」(松永大司監督)で男優主演賞を受賞した鈴木亮平さんが登壇した。「エゴイスト」からは宮沢氷魚さんも男優助演賞を受賞し、表彰式には松永監督と共に3人で出席。鈴木さんは「最高です! やっていたときはこんな華やかな場に立たせていただけるなんて思ってもおらず……予算も大きな作品ではなかったので、驚きです!」と喜びを爆発させた。

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 今作で、宮沢さんとゲイのカップル役を演じた鈴木さんは、LGBTQの勉強をして撮影に臨んだといい「異性愛者の自分が同性愛者の役を演じるので、ゲイの方に間違いなく自分たちの物語だと思っていただけるように、いろいろな方々のお話を聞きました。そのとき一番思ったのは“知ったつもりでいたことが、実は何も知らなかった”こと。映画のエピソードにもあるのですが、恋人と結婚できないので、婚姻届を部屋に貼っている。ニュースでは分かったつもりでいましたが、異性愛者が当たり前だと思っている権利が、同性愛者には当たり前じゃないんだ、と。選択肢すらないんだと実感しました。そのとき、この映画をやるとき、演技以上の責任があるぞ、と強く思いました」と力を込めた。

 宮沢さんは、鈴木さんの作品作りへの姿勢に「作品への思い入れはこれまでご一緒してきた方で断トツ」と話し「亮平さんから、作品に対する思いをクランクイン前から強く感じていて。僕も、ほかの役者の皆さんも、その思いを大事に、責任感を持ってこの作品に向き合うことができました」と撮影を振り返った。

 映画は、故・高山真さんの自伝的小説の実写化で、虚勢を張って生きてきた主人公・浩輔(鈴木さん)が、パーソナルトレーナーの男性・龍太(宮沢さん)との出会いにより、愛に向き合っていく姿を描いた。

 毎日映画コンクールは、1946年に創設された国内で権威のある映画賞。各賞は、第一線で活躍中の映画評論家やジャーナリスト、専門家など約80人が選考。今回の受賞作は、2023年1月1日~12月31日に国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーション・ドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)を対象に選出された。

 ◇「第78回毎日映画コンクール」の受賞作品(受賞者)は以下の通り(敬称略)

 日本映画大賞:「せかいのおきく」(阪本順治監督)▽日本映画優秀賞:「ほかげ」(塚本晋也監督)▽外国映画ベストワン賞:「TAR/ター」(トッド・フィールド監督)

 男優主演賞:鈴木亮平「エゴイスト」▽女優主演賞:杉咲花「市子」▽男優助演賞:宮沢氷魚「エゴイスト」▽女優助演賞:広瀬すず「キリエのうた」▽スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ「さよなら ほやマン」▽スポニチグランプリ新人賞(女性):サリ ngROCK「BAD LANDS バッド・ランズ」

 監督賞:石井裕也「月」▽脚本賞:阪本順治「せかいのおきく」▽撮影賞:鎌苅洋一「月」▽美術賞:上條安里「ゴジラ-1.0」▽音楽賞:ジム・オルーク「658km、陽子の旅」
▽録音賞:志満順一「せかいのおきく」

 アニメーション映画賞:「アリスとテレスのまぼろし工場」(岡田麿里監督)▽大藤信郎賞:「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)▽ドキュメンタリー映画賞:「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」(寺田和弘監督)▽TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・日本映画部門:「劇場版 美しい彼~eternal~」▽TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・外国映画部門:「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」▽田中絹代賞:薬師丸ひろ子▽特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)

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