俳優の橋本環奈さんが2月29日、東京都内で行われた、スタジオジブリの劇場版アニメ(宮崎駿監督)を舞台化した「千と千尋の神隠し」の会見に登場した。2022年の初演から主人公の千尋役を演じている橋本さんは、「舞台に立って演じているときの発見とかも新しいことだらけで。こんなに感情が動くことってあるんだと驚いた部分がある」と話し、「役者人生の中で、絶対に何十年たっても忘れられない役、作品になったなと思っています」と役への思いを明かした。
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「千と千尋の神隠し」は2001年に公開された劇場版アニメで、不思議な世界にある神々のための銭湯「油屋」に迷い込んだ少女・千尋が、強く成長していく姿を描いた。舞台は、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の世界初演の潤色・演出を担当したジョン・ケアードさんが翻案・演出を担当。千尋役は、2022年の初演から演じている橋本さんと上白石萌音さんに、川栄李奈さんと福地桃子さんが加わり、4人で交互に出演する。
今年の舞台は、3月の帝国劇場(東京都千代田区)での公演から全国ツアーがスタートし、4~8月には初の海外公演としてロンドンでも上演される。橋本さんは「どれだけ期待していただいても、それを裏切らない作品になっているんじゃないかなと思っています」と自信をのぞかせ、ロンドン公演については「ロンドンでできる、というのが何より幸せなこと。ロンドンの皆さん、世界の皆さんに楽しんでいただけたらと思っています」と心境を語った。
会見には、同じく千尋役の上白石さん、川栄さん、福地さんも出席。上白石さんは「千尋は、他のことをしていても心にいる感覚があります。街にいる時に10歳ぐらいの子を見かけると、目で追ってしまうんです。いまだに千尋のために子供を研究している自分がいて……千尋をずっと心の中に飼っているんだなと感じます」と千尋への思いを語った。新加入の川栄さん、福地さんの千尋に対しても「新しい刺激をめちゃくちゃいただいて。私も変わらねば、と思っているところです」と明かした。
オーディションを経て千尋役に選ばれた川栄さんは、「初演のときに萌音ちゃんの千尋を帝国劇場で見て、幕が開いた瞬間に『本物の千尋がいる』と鳥肌が立ったことを覚えています」と当時の印象を明かし、「その作品に自分が参加できるとまったく思っていなかったので、今ここにこうしているのをうれしく思います」と喜びを表現。さらに「オーディションに受かってうれしいのと同時に、不安が今も大きくて。そこを解消できるように、2人からたくさん教わろうと思っています」と現在の心境も語った。
福地さんは「まだ、千尋として自分が参加していることが不思議でたまらない気持ちです」と率直な思いを告白し、「初演のときに劇場で見ることができなかったので、(けいこで)一番いい席で生の千尋を客観的に見て、たくさん学ばせていただいています」と現状を説明。「不安な気持ちというよりも、舞台としてこの作品をお届けできることをとても楽しみにしています」と笑顔を見せた。
舞台「千と千尋の神隠し」は、3月11~30日に帝国劇場で上演され、同年4~8月にロンドン、4月に名古屋、4~5月に福岡、5~6月に大阪、6月に札幌でも順次上演される。
会見にはハク役の醍醐虎汰朗さん、三浦宏規さん、増子敦貴さん、カオナシ役の小尻健太(※)さん、中川賢さん、山野光さん、リン/千尋の母役の妃海風さん、華優希さん、実咲凜音さん、釜爺役の田口トモロヲさん、宮崎吐夢さん、湯婆婆/銭婆の夏木マリさん、羽野晶紀さん、春風ひとみさん、演出を手掛けるジョン・ケアードさん、共同翻案の今井麻緒子さん、東宝の松岡宏泰社長、ロンドン公演で共同製作を担当するPWプロダクションズ最高経営責任者のイアン・ギリーさんも出席した。
※……小尻健太さんの尻は中が丸が正式表記。
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