舞台「弱虫ペダル」など2.5次元作品に出演し、新たに舞台「刀剣乱舞」への出演も控えている俳優の砂川脩弥さん。4月17~21日には、赤坂RED/THEATER(東京都港区)で上演される、所属事務所エイベックスの若手俳優陣による舞台「ACTORS STAND vol.1『無垢ども』」に出演する。演じるのは、元役者で山にこもる猟師。「“あの方”を彷彿(ほうふつ)とさせるような……」と語る砂川さんに今作の見どころ、そして「役者人生の転機」と語る特撮ドラマ「仮面ライダーゼロワン」(2019~20年)について話を聞いた。
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舞台は、エイベックスの若手俳優が演技経験を積むための機会創出と、俳優とクリエイター陣の橋渡しとなることを目的に創設されたプロジェクトの第1弾。Seventeen専属モデルで俳優の平美乃理さんが主演を務め、映画「さよならエリュマントス」「辻占恋慕」などで知られる大野大輔さんが脚本・演出を担当する。
主人公は、熟成肉に夢中の高校1年生・遠山一華(平美さん)。ある日、校舎裏のウサギ小屋でブロック肉をドライエイジングしていたところ、動物の死骸がつるされていると勘違いした用務員に通報されてしまう騒動に発展し、一躍学校の有名人になる。そんな一華が、個性豊かな人物たちと触れ合いながら、やがて熾烈(しれつ)な学内闘争に巻き込まれていく……というストーリー。
砂川さんは「学校を舞台とした作品ですが、非日常感あふれるというか……何か都市伝説を見ているようなお話です(笑い)。自分たちの演じ方次第でとても“遊びがい”のある脚本をいただきました。考えさせられる一面もあるし、そんなに難しく考えなくてもコメディーとしても楽しめます」とアピールする。
自身が演じるのは、世間に嫌気が差して山にこもって猟師になった徳田。
「“あの方”を彷彿とさせるような役で、他の出演者から自分に向けられるせりふでも彷彿とさせるような感じになっているのですが、お客さんの頭がそれで一杯になると今回の物語とはかけ離れていってしまうと思うので、僕自身はそこを意識しないように演じています。“都会の喧騒(けんそう)から離れたかった”という徳田の気持ちはすごく分かるので、そういった共感できるところから役を作っていこうと。“人間味”を出していけたらいいなと意識しています」
今作で共演するキャストとは、同じ所属事務所だがほとんどが初共演になるという。
「(エイベックスは)たくさんの方が所属している会社なのですが、一人一人としっかりお話しするみたいなことはなかなかなくて……。前々からそれはちょっとさびしいなと思っていたんです。そんな中で、みんなで一緒に作品作りができる機会をいただけて、うれしかったですね!」
今年は既に舞台2作に出演し、今作上演後も2作品の舞台出演が控える砂川さん。「芸能活動を始めた8年前には、まさか自分が舞台に立っているとは思わなかったです。やっていくうちにいつの間にか舞台が好きになっていました」と笑顔を浮かべる。
ただ、芸能活動は順風満帆ではなかった。芸能活動を始めて2年ほどは仕事がまったくなかったという。そんな中で、転機となる作品と出会った。
「『仮面ライダーゼロワン』です。『ゼロワン』をきっかけに、SNSのフォロワーとかも一気に増えて! アルバイトを辞めて芸能のお仕事だけで生活できるようになりました。今振り返ると、ほんと(希望の)“光”みたいな作品でした」
「仮面ライダーゼロワン」では、テロリスト「滅亡迅雷.net」のメンバー・仮面ライダー滅/滅(ホロビ)を演じた。滅亡迅雷.netは、主人公・仮面ライダーゼロワン/飛電或人(高橋文哉さん)の当初の敵対組織ながらも人気となり、テレビ本編の放送終了後には、スピンオフ作品が制作された。
現在も砂川さんは、東映特撮ファンクラブ(TTFC)で不定期で配信中のスピンオフドラマ「仮面ライダーアウトサイダーズ」に、滅として出演中。「アウトサイダーズに出続けられる限り、滅役はやっていきたいです!」と話す。
「仮面ライダーゼロワン」終了後は、「すごくさみしかった」とも。
「もうさすがにないですが、(ゼロワンの次作の)『仮面ライダーセイバー』をやっていたときは、すごく嫉妬しましたよ。『僕たちの後にすぐに新しい作品が……仮面ライダー演じられていいなぁ!』って(笑い)」
「ゼロワン」のキャストは、主演の高橋文哉さんを筆頭に多くのメンバーが活躍しているが、いまだに交流はあるのかと尋ねると「みんな忙しくて、なかなか……」と打ち明け、集まったりすることはないそうだ。
「でも、SNSでみんなの活躍を見ているとうれしいですね。仲間だと思っているので。文哉くんはテレビでよく見ていて、文哉くんが出ているとチャンネルはそのままにしてます(笑い)。あっ!でも、今でもゼロワンメンバーでちょくちょく連絡をくれる人もいますよ。この前も予定が合わなかったのですが『ご飯どう?』って誘ってくれました」
高橋さんらの活躍をテレビで見て「自分は舞台を頑張ろう!って思います」と刺激を受ける一方で、役者としてステップアップしていきたいと考えている。
「いろいろなことができないといけないと思います。映像と舞台、どちらも出来ることが一番良いと思うので、いつかはそちら(テレビ)のフィールドにも行きたい。今は、目前の舞台に集中して、しっかりと向き合いたいです」