人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第一章「黒の侵略」が7月19日から上映される。1980年公開の劇場版第3作「ヤマトよ永遠に」に新解釈を加え、全26話、全七章に再構成する。「宇宙戦艦ヤマト」の音楽を手がけた故・宮川泰さんの息子である宮川彬良さんが、これまでのリメークシリーズと同じく音楽を担当するが、「ヤマト3199」は、兼松衆さんの名前もクレジットされている。兼松さんは「白い巨塔」「黒い十人の女」「クロックワーク・プラネット」など数々のドラマ、映画、アニメの音楽を手掛けてきたことで知られているが、「宇宙戦艦ヤマト」シリーズに参加するのは初めて。なぜ、「ヤマト3199」の音楽は、宮川さんと兼松さんの2人体制になったのだろうか? 宮川さん、兼松さんに聞いた。
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宮川さん リメークシリーズは僕が50歳を過ぎてからはじまりました。今年、63歳になりました。刺激の仕方によってアイデアは出てくるので、アイデアが尽きたわけではないけど、ずっと同じ電車に乗って、駅を通り過ぎ、4つ目の駅で、そろそろほかの人乗ってこないかな?とうすうす感じていたんです。親父にしても「ヤマトよ永遠に」が制作された80年代は、羽田健太郎さんと共に仕事をし始めた時期でした。このまま自分だけで全部やるという選択肢もありますが、そこにこだわりすぎるのは、心にも体にもよくない。ひょっとしたら、また30年後に『宇宙戦艦ヤマト』を作ろうという人が出てくるかもしれない。アニメは監督が代わっているけど、音楽だけ僕がせき止めるというのもよくない。そろそろ半分くらいバトンを渡した方がいいんじゃないか?と。
宮川さん 自然な継承ですよね。兼松さんの音楽をテレビで耳にして、おこがましいけど僕は自分に近い感性だと感じたんです。もがいている感じですね。ジャズとクラシックをやっている音楽家は、もがくんです。僕も父に「ポップスもクラシックも両方好きなんだろう? だったら人の2倍勉強しないといけない」と言われた。どっちも中途半端にしたら失礼だから、もがこうとする。そういう音楽は少ないけど、両方に挟まれながら、勝負しているように感じたんです。
兼松さん 僕はたまたまそういうふうになったところもあるのですが……。
宮川さん ただ、そのもがいている感じがあって、ピンときたんです。感覚的なのですが、ツルッとしていなくて、ザラッとしている。
兼松さん 宮川さんとは、お会いしたことがなかったので、お話をいただき、びっくりしました。お会いしたことがない方にお声掛けいただくのは初めての経験だったので。
兼松さん 歌はもちろん知っていました。「宇宙戦艦ヤマトが何かも知らないまま、音楽の時間で、みんなで歌ったり。
宮川さん 「さらば~」とCマイナーで始まる。その後もまがれどまがれどCマイナーなんです。こういう曲の中に、すごく売れるものがたまにあるんです。「ビューティフル・サンデー」もそうですよね。「僕です!僕です!僕です!」と押しが強い曲ですし。
兼松さん 見たのは大人になってからですね。2007年に上京してから、見るようになって、SFが好きだったので、見ていました。
インタビュー(2)に続く
宮川彬良×兼松衆インタビュー(2) 「宇宙戦艦ヤマト」の“歌心” 半世紀以上残る音楽
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