岸辺露伴は動かない:“原作の原点”「懺悔室」を映画化 邦画初の全編ベネチアロケ

映画「岸辺露伴は動かない 懺悔室」ティザービジュアル(C)2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
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映画「岸辺露伴は動かない 懺悔室」ティザービジュアル(C)2025「岸辺露伴は動かない 懺悔室」製作委員会(C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

 人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ(集英社)の荒木飛呂彦さん原作、高橋一生さん主演の映画「岸辺露伴は動かない 懺悔室」が5月23日に公開されることが、明らかになった。邦画初となる“全編”イタリア・ベネチアでロケが行われ、高橋さん、飯豊まりえさんも続投する。

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 「岸辺露伴は動かない」は、「ジョジョ」シリーズのスピンオフにあたり、人を本にしてその記憶や性格などを“読む”能力を持つマンガ家・露伴が、奇怪な事件や不可思議な現象に遭遇するサスペンス・ホラー。2020年12月に第1期のドラマが放送されると、その後も21年に第2期、22年に第3期を放送。23年には映画版第1作「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」が公開、24年5月にはドラマシリーズ最新作の「密漁海岸」が放送された。

 今回映画化される「懺悔室」は、ファンの間で屈指の人気を誇るエピソード。露伴が取材旅行でベネチアの教会内にある「懺悔室」を訪れると、一人の男が「告白」のために現れる。「体験はリアリティーを作品に生む」という信念と好奇心に駆られた露伴は、神父になりすまし、男の「告白」に耳を傾けると、男は25年前の恐ろしい出来事を語り始め……と展開する。

 ドラマシリーズ、映画版に続き、露伴を高橋さん、露伴の担当編集者・泉京香を飯豊さんが演じるほか、監督を渡辺一貴さん、脚本をアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズも手掛けた小林靖子さんが担当する。

 撮影は昨年秋に行われ、現在は編集中。ベネチアを象徴するサン・マルコ広場を始め、サン・ロッコ教会、バルバリーゴ・ミノット宮殿、原作にも登場するサンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ広場などでロケが敢行された。

 ◇高橋一生さんコメント

 20年に岸辺露伴を演じさせていただいてから、これまでテレビドラマシリーズは4シーズン、前回の映画も入れて全10話、5年目になります。以前にもコメントさせていただきましたが、これだけ長い時間を一つの役と生きられることは、俳優として貴重な体験ですし、幸運に感じています。加えて、今回は原作における「岸辺露伴は動かない」の原点である「懺悔室」を、幸運なことに原作通り、全編イタリアのヴェネツィアで撮影しました。定めていない原作世界の時系列が、生身の人間の僕が演じさせていただく岸辺露伴の世界では、一つにつながっていきます。

 ここにきて、ようやく原作の原点に手が届きました。この幸運も生身の人間だからこそ感じられることでしょうか、これまでご一緒してきたスタッフに加え、イタリアの陽気で真摯(しんし)な素晴らしいスタッフが加わり、また新たな岸辺露伴の世界を作れたのではないかと思います。前回、パリのルーヴルの「後悔」で自身のルーツや過去、受け継がれるものに触れた露伴が次に遭遇するのは、捉える人によっては表裏一体となる現在の「幸運」です。原作ファンの方、これまで僕が演じさせていただいてきた露伴の世界を愛してくださる方、どちらの方たちにとっても、また、今から作品を見てくださる方にとっても、どなたにおいても楽しんでいただける作品になっています。新たに加わった出演者の方たちもご一緒する事が光栄な俳優さんばかりです。ぜひそちらも楽しみにしていただけるとうれしく思います。僕が露伴としてここまで演じさせていただいた幸運と、携わって下さった皆さんとの出会いの幸運。その重なりともいえるものを、劇場に足を運んでくださる皆様にお届けできること。今から楽しみにしております。

 ◇飯豊まりえさんコメント

 「岸辺露伴は動かない」原作の原点でもある、「懺悔室」の作品をやらさせていただくことになりました。今回、撮影で訪れたヴェネツィアは、歴史と芸術が息づく街でした。いい緊張感、高揚感が漂っている撮影現場で、特別な時間を過ごさせていただきました。再び、露伴の世界に参加できたこと、幸福な時間をかみしめながら、大切に演じさせていただきました。ぜひ映画館で、楽しんでいただければと思います。

 ◇渡辺一貴監督コメント

 「岸辺露伴は動かない」シリーズ最初の作品「懺悔室」。この記念すべき大切なエピソードを、オールベネチアロケで撮影できたなんて、クランクアップした今でも信じられない。そこは陰と陽が混在する、不思議な街だった。廃墟、墓地、教会、貴族の館、迷路のような石畳の路地。そしてそこにいつものように凛として立つ露伴先生……。撮影した全ての場所、全ての時間が愛おしい。いつまでも撮り続けていたい、この時間が終わらないでほしい……。

 そんな思いを抱きながら撮影を続けるうちに、「『懺悔室』はこの街でなければ生まれなかったのだ」と確信した。この物語は「呪い」の物語でもあるが、「愛と覚悟」の物語でもあったのだ。退廃的で不道徳な気配に満ちた水都で繰り広げられる、弱くて滑稽(こっけい)で、それでも懸命にもがき続ける人々の奇妙な世界を覗き見てほしい。

 ◇小林靖子さんコメント

 原作「懺悔室」は、初めて岸辺露伴をメインにして発表された作品です。ドラマはもう5年目ですが、このファーストエピソードにたどり着くには必要な時間だったと思います。これも皆様の応援あってこそと感謝いたします。舞台はヴェネツィアです。露伴はいつものように、見たいものを見、聞きたいものを聞き、結果幸運という名の災難に襲われます。ぜひスクリーンで見届けていただければ幸いです。

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