今年公開40周年を迎える大ヒットSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズ全3作(ロバート・ゼメキス監督)の新たな吹き替え版が、日本テレビの映画枠「金曜ロードショー」で2月7日から3週連続で放送されることが分かった。新吹き替え版では、声優の宮野真守さんが高校生のマーティ・マクフライ、山寺宏一さんがマッドサイエンティストの“ドク”ことエメット・ブラウンを演じる。山寺さんは、これまでもソフト版のマーティ役、BSジャパン版のドク役の吹き替えを担当してきた。
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宮野さん、山寺さんのほか、三宅健太さんが悪役のビフ・タネン、沢城みゆきさんがマーティの母ロレイン・マクフライ、森川智之さんがマーティの父親のジョージ・マクフライ、朴ロ美さんが女性教師クララの吹き替えを担当する。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズは、1985年に1作目が公開され、世界でヒットを記録。その後、「PART2」(1989年)、「PART3」(1990年)も大ヒットとなった。高校生のマーティ(マイケル・J・フォックスさん)が、科学者のドク(クリストファー・ロイドさん)が作ったタイムマシンのデロリアンでタイムスリップするSF作品。1作目は1985年の30年前の過去、2作目では30年後の未来、3作目では100年前の西部開拓時代が舞台となっている。
金曜ロードショーでは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー 新吹替版」が2月7日午後9時、「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 新吹替版」が14日午後9時、「バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 新吹替版」が21日午後9時に放送される。1作目と「PART3」は25分拡大、「PART2」は15分拡大で放送される。
宮野さん、山寺さんのコメントは以下の通り。
改めて大人になってこの作品を振り返ると、今あるエンターテインメントの土台になっている偉大な作品なんだなと思いました。タイムトラベルものとして、タイムパラドックスを科学的に説明しつつ、フィクションだけど実際に起こりそうとワクワクさせてくれるところがすごいです。PART2ではいろいろな世界線が描かれ、さらにPART3まで考えて物語が緻密に構成されていて、本当に面白い作品です。
あと、一番感動したのが、当時の役者さんたちの演技です。マイケル・J・フォックス(以降マイケル)はかっこいいし、何と言ってもお父さん役のクリスピン・グローヴァーの演技にハマりました! (PART1公開当時21歳なのに)特殊メークでマーティの父親役をコミカルに演じ、10代のシーンは愛くるしく演じていて、とても面白いです。ビフもロレインもみなさん巧みに演じていてテンポ感があり、まさにコメディーの王道だと思います。自分も役者として、とても触発されました。
マイケルも当時20代中盤で10代を演じていましたが、41歳の自分が10代の役を演じなければいけないので、年齢感を出すのには苦労しましたね(笑)。ふとすると大人の声になってしまうので、そこを注意しつつ、10代のやんちゃな感じ、未熟で青い感じをアメリカンに出していこうと意識しました。
でも演じていて、役自体の難しさみたいなものはそれほど感じなくて、フィット感はありました。役のキャラクター性、マイケルの演技にも上手くハマれたのかなと思っています! (過去にマーティ役をやった事がある)山寺さんにも、「マモ、この役あってるよね」と言ってもらえてうれしかったですし、自信にもなったので、思い切ってできました!
PART2ではマーティ、30年後のマーティ、マーティの息子、マーティの娘と4役演じ分けましたが、女性役はなかなかやることがなかったので(笑)、やっていて楽しかったです。
PART2のマイケル総登場のシーンはお気に入りのシーンです!
また、PART2、PART3と進むにつれ、前作をセルフパロディーして“天丼”になっているところも遊び心があって好きです。例えば、マーティが気絶すると、毎回母親に起こされるところとか。PART1では、(過去の若き日の)母親に起こされたマーティが「君はそのォあの……と、とても……痩せてる」と驚くのですが、このシーンはこだわって演じました。PART2で(別の世界線の)母親に起こされた時の、母親への「とても……ボインだし」というせりふも好きです(笑)。随所で80年代の言葉をあえて令和の時代に使っているので、若い方には分からないかもしれませんが、エモさで感じ取ってもらたらと思います(笑)。マーティの「ヘビー」、ドクの「なんてこった!」という印象的な決まり文句も大好きなせりふです!
僕自身がこの名作にたずさわれたことがうれしく光栄に思います。自分が声優としていろいろ培ってきた経験を注ぎ込んで、僕なりのマーティを演じることができました! 山寺さんとのコンビ感もバッチリなので、二人のテンポ感も含め存分に楽しんでいただけたらと思います!
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、もうそれはいろいろな人が語り尽くしていますが、僕は、とにかく最高のエンターテインメント作品だと思っています。タイムトラベルものって、いろんな矛盾が付きまとうんですけど、「そういうことってどうでもいいじゃん!」と思って楽しませてくれる最高の作品だと思います。人生でナンバー1に挙げる人もたくさんいらっしゃるのも分かるし、僕も心のベスト10の中の上位の方にずっと入っています。
とにかく思い出深い作品で、全てが最高です! もう名場面だらけ! 脚本も役者も音楽も、映画としてのあらゆる魅力が詰まっているんです。本当にドキドキ、ハラハラして、それでユーモアがあって、本当に映画に必要な、エンターテインメントに必要な要素が全てそろっていると思います。
20代の時に、マーティ役を演(や)って、10年前にはドク役を演って、今回もう一度ドクに選んでいただいたっていうのが、本当に有り難いです。その分、「前回ドク役を演った時よりも、良くなっていなければいけないな」という自分の中のプレッシャーがありました。
また今回は、昔僕がマーティ役を演った時と同じ台本で、その時ドク役だった青野(武)さんとはずっと一緒にやらせていただいてたので、この台本を見ていると青野さんの声が頭に浮かんでくるんです。どうしても青野さんのマネをしたくなるのですが、「マネしたんじゃダメだ!」と強く思って演じました。「こんなテンポの速い台本で、どうやってできたんだろう?」と、青野さんのすごさを改めて感じました。PART3で、1885年ではガソリンがないので未来に帰れないと思った時に、蒸気機関車が走っているのを見て「あれっきゃない!」というシーンは、青野さんバージョンが僕は大好きで、今回は同じせりふだったので、負けないように頑張ろうと思って取り組みました。
あと、あらためてクリストファー・ロイドさんがすごいなというのも感じました。昔から大好きなシーンが二つありまして、一つはPART1で、マーティの両親が「魅惑の深海パーティー」でいい感じになって、消えかかっていたマーティがいきなり復活してギターを弾くシーンです。もう一つはPART3で、ドクとクララが出会い、二人が恋に落ちるシーンです。このシーンはものすごい好きです!
お気に入りのせりふは、PART3で「未来は自分で切り開く」ってドクが言うせりふです。今までいろいろなことが起きてきたけど、最終的にこの作品が言いたいのはこのことではないでしょうか。あとPART2の最後で(PART3の冒頭にも、もう一回出てくるのですが)、「未来に送り返したはずのマーティ」が戻って来るところで、「なんてことを……するんだ!」と言ってドクが倒れてしまうのですが、その時のドクのせりふもお気に入りです!
僕は昨年、ニューヨークで「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のミュージカルを見たんですが、本当に最高でした! それで、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の魅力を再認識したところに、この新吹き替え版のお話をいただいたので、もう、とてもうれしくて……。3回目のチャレンジができてとてもうれしく思っています。
ずっとこの作品のファンでいらっしゃる方には、字幕のファンの方がいたり、三ツ矢(雄二)さんバージョンがお好きな方がいたり、ドクだったら青野さんじゃなきゃといういろいろなお気に入りがあると思うんですけども、今回、僕のことは置いておいて(笑)、宮野真守君が、マーティにぴったりです! それとほかの役も、本当に今考え得る最高のキャスティング……最高の声優がそろったんじゃないかと、僕は客観的に思っているんです! 僕のことは置いておいて(笑)。ですので、ぜひ楽しみにしていただきたいですし、今まで、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に触れてこなかった方々にも、今回のこの新吹き替え版で見て、お気に入りにしていただけたらうれしいなと強く思います。
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