阿部サダヲ:「あんぱん」風来坊のパン職人“ヤムさん”は「やりがいがある、おもしろい役」 戦争への思いも今後明らかに

連続テレビ小説「あんぱん」で屋村草吉を演じる阿部サダヲさん (C)NHK
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連続テレビ小説「あんぱん」で屋村草吉を演じる阿部サダヲさん (C)NHK

 今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(総合、月~土曜午前8時ほか)に出演している阿部サダヲさん。パン職人の“ヤムおんちゃん”こと屋村草吉役の阿部さんが、演じる上で意識したことや、のぶ(今田さん)と嵩(北村匠海さん)への思いについて語った。

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 ◇脚本・中園ミホから「ヤムさん、おもしろくしてください」

 草吉は、どこからともなくふらりと高知にやって来た、風来坊のパン職人。お金にうるさく口は悪いが、パン作りの腕は確かだ。のぶ(今田さん)と嵩(北村匠海さん)の人生に大きな影響を与えていく。

 朝ドラに出演するのは、2003年度前期の「こころ」以来となる阿部さんは、「朝ドラは、お父さん役もできる年齢になってきたかなと思っていましたが、それとはまた違う、風来坊のパン職人というおもしろい役をいただけて、やりがいがあるなと感じています」と語る。

 「僕の想像ではありますが、草吉は何かを諦めてきて、愛情に飢えている。だからこそ、人にすごく興味がある人物なのかなと。一見冷たそうに見えますが、結局は困っている人がいると助けたくなってしまうのだと思います。とはいえ、特に前半は、なんだかよく分からない人でいたほうがいいんだろうなと思って演じていました」

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 そんな草吉を演じる上で意識していることについて、「言葉遣いが荒いので、ただの気が強い人に見えないよう、なるべくあたたかい印象に持っていけるようにしたいと思っています」と明かす。

 「釜次さん(吉田鋼太郎さん)との掛け合いで、ユーモアのある感じに見えるといいなと。あとは、脚本の中園さんに『ヤムさん、おもしろくしてください』と言われたので(笑)。暗くなるような場面も、明るくしていければと思っています。ただ、皆さんが方言に苦労されていて、僕が勝手なことをしてしまうと、急には方言が出てこなくて困らせてしまうので。そこはあまり乱すことはしないように気をつけています」

 ◇嵩にシンパシー?

 パン職人を演じるにあたり、「実際にパンの工場に行って、パンをこねて、あんこを包んでという基礎から練習しました」と振り返る。

 「撮影では、道具も作り方もその時代に合わせています。パンがおいしそうに見えないから撮り直しということもありましたし、ツヤ感が重要みたいです。『あんぱん』を見て、朝ごはんがパン派になる人も多いんじゃないかな(笑)」

 劇中では、登場人物があんぱんを食べるシーンがたびたび登場する。

 「草吉があんぱんで悲しみに包まれた朝田家の人々を救ったり、のぶや嵩の受験のときに“合格あんぱん”をあげたり、元気になってほしいときにあんぱんを焼くっていうのは、いいですよね。いつの間に作っていたんだろうという場面も多いですが(笑)。みんなのことを思って、こっそり作っているんでしょうね」

 のぶと嵩の関係については、「あの2人の関係性はすごくおもしろいなと思いながら見ています」と話す。

 「のぶのように、あれだけ明るく真っすぐに向かってきてくれる人ってなかなかいないと思いますし。だから、嵩はこの人がいいなと思ったんでしょうね。草吉からすると、嵩はどこか似ているところがあったんだろうなと。最初に川辺で、一人ぼっちでいる嵩を見たときから、そのさみしげな姿に、何かシンパシーを感じたんだと思います。草吉からすると、嵩は気になって仕方ない存在なのかもしれません」

 最後に、視聴者に向けて「『あんぱん』は、愛があり、やさしい気持ちになれる作品だと思います。草吉はずっと朝田家にいましたが、やっぱり風来坊ですからね。どこかに行かなくてはなりません(笑)。草吉の戦争への思いというのも、このあと明らかになると思いますので、ぜひ今後の展開も楽しみに見てもらえるとうれしいです」とメッセージを送った。

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