TBSの朝の生番組「ラヴィット！」（月～金曜午前8時）の大型音楽イベント「ラヴィット！ロック 2025」が8月23日、国立代々木競技場第一体育館（東京都渋谷区）で開催された。会場約1.1万人、配信と合わせて6万6000人が楽しんだ舞台で、MCの川島明さんが観客に、スタッフに、出演者たちに、およそ5分のスピーチで熱いメッセージを送った。

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　◇川島明さんスピーチ（ほぼ全文）

　「ラヴィット！」が皆様のおかげで今年5年目を迎えることができまして、本当にありがとうございます。

　番組始まった当初のコンセプトは「ライフアイデア発見バラエティー」というジャンルだったんですけども、笑える情報番組というのを目指していたんですが、いつの間にか5年目を迎え、「ラヴィット！」現在、何の情報もお届けできていない。そういう番組になりました。

　自分のことをハンバーグボーイと言い、子供を引き連れて踊り、そう言い切る中年男性を見ていても何の情報もないと思いますし、「今から音楽が流れます。太鼓をたたいてください。でも四発しかたたけません」その姿を見て主婦は何を思うのかと思いますが、精いっぱいバラエティーをやらせてもらってる。そんなつもりで、2025年も走ってきました。

　でも、ただのバラエティーではないような気がしてて今年はひとつ特別な場所になったんじゃないかなと、思うできごとが……7月28日にありまして。月曜日だったんですけど、月曜メンバー、ぼる塾とか丸山（桂里奈）さん本並（健治）さんとかみんながいて。そこになすなかにしの2人ももちろん出てたんですけど、那須（晃行）くんはみなさんご存じの通り、2023年の年末に脳梗塞を患って突然緊急入院して、突然手術してもう戻ってこられないかもしれないなんて状況を、なすなかにしという看板を中西（茂樹）くんが守り抜き、そして那須くんの奥さん、家族、みなさんが懸命なリハビリをサポートしたおかげで、驚異の5カ月というスピードで那須くんは「ラヴィット！」に帰ってきてくれました。

　帰ってくる番組として「ラヴィット！」を選んでくれました。那須くんが帰ってきたとき僕はたまらなくてハグしてしまったんですけども、そこから1年3カ月、ビリビリを受けることができなかったんです。

　お医者さんに「脳梗塞で倒れて4カ月リハビリしてるんですけどビリビリ椅子受けていいですか？」と言って、「どうぞ」という医者はこの世にいないと思う。知らないことなので、ちょっとやめておいた方がいいんじゃないですかと、ということが続いて。那須くんはビリビリ椅子を受けられなかったんですね。那須くんも悔しかったと思うんですよ。仲間がみんなビリビリ椅子食らってるのをちょっと離れたところで見るしかなかったっていう。

　そして、そこからまたリハビリがあって、リハビリを完全に終えて、今年の7月28日、那須くんのお医者さんが「ビリビリ椅子をうけてもいい」と判断をくだしまして。聞いたことない判断だったんですけども、覚えている方もいるかもしれませんが、つい1カ月前のことなので。月曜メンバーみんなで食パンの値段を当てたり、デニーズのオムライスの値段を当てたりとか、近似値が出ればそのチーム優勝みたいなことだったんですが、結果全員が大きく値段を外しまして、全員がビリビリということになったんです。

　もちろん那須くんがそこにいて、僕は初めてのことなので、那須くんに何かあったらどうしようという不安もありました。自分もビリビリ食らうんですけど、那須くんのほうばかり見ていました。無情にも3、2、1とカウントが流れて全員にビリビリがきました。那須くんももちろんバンッとくらって。僕はもう、つい「どうですか？」と振ったんですけど、そのときに「痛い」とか「なんやねんこれ！」とか言わず、那須くんは「ただいま」って言いました。

　すごいなと思って。「ラヴィット！」ってみんなが帰ってこられる場所になっているんだなと、そこでハッと思ったんです。

　昨年の「ラヴィット！ロック」からいろんなことがあったんですけども、いろんな理由で、「ラヴィット！」に出たくても出られない人がすごく増えたんです。

　近藤千尋さんのようにめでたい、出産という理由もあれば、大人の事情とかいろいろあったり、はっきり言って謹慎の人が出てきたりですね。これは今までなかったんですけど。「ラヴィット！」にとっては非常にダメージあったんですけど、今の世の中というのが、そういった方々に対する「休め！」という判断はすごく早いんですけど、彼らが何かを成し遂げて気持ちを整理をしたときに帰ってこられる場所がないんですよ。世の中全体そうかなって思うんですけど。

　それがすごい反省したり、いいことしたのに、悲しいなと思って。だから「ラヴィット！」という番組はみんなが、そういったみんなが帰って来られる場所になったらいいなと思って。スタッフさん、演者メンバーが相変わらず楽しいバラエティーをずっと守り続けております。

　みなさんもそういうことがあると思うんです。今から受験のある方、就活したり、人生の大きな決断があったり、自分のせいじゃないのになと思って。日常からちょっと離れるなんてことがあるかもしれません。「ラヴィット！」見たかったんだけど、ニュースしか見ることが許されなかったり、テレビを見ることができなくなる方々も今、いるかもしれませんし、これからそういう人がいるかもしれないです。

　また一生懸命頑張って夢中になるというのは人間にとって一番すてきなことなんですけど、そこで疲れたなとか、休みたいなとか、しんどいと思ったときはぜひ「ラヴィット！」をつけていただけたらと思っております。

　変わらない日常、そして相変わらず真剣にふざけるみんなの様子を見て、またこんなことやってるとか、あんなことやってるなとか、笑ってもうた、また明日から頑張ろうと、そういうふうに思える番組作りを目指してスタッフと出演者一同頑張っております。

　「ラヴィット！」がみなさんに寄り添うなんておこがしましいことは言いたくないんですけど、つらいとき、しんどいとき、ちょっと嫌ややな、自分を肯定できないときはぜひ「ラヴィット！」にもたれてください。

　ふとテレビをつけたらぼる塾がハンバーグを食べ、どこのチェーン店のハンバーグか一生懸命悩んでいると思います。あるときは若槻（千夏）さんにビビる大木さんがため口で怒られていると思います。あるときはラッピーに盛山（晋太郎）が飛びかかり、スタッフ全員に取り押さえられてると思います。あるときは屋敷（裕政）が5メートルのロングパットを決め、その30分後に嶋佐（和也）がカラオケで大きな声で歌っていると思います。金曜メンバーがカメラに向かってキス顔を披露し、全員が顔を赤くしてきつねに襲いかかるという瞬間もあると思います。

　その一部始終を見ていた田村真子さんが、さっきまで爆笑してたのに、急に「報道フロアから最新のニュースです。高柳光希アナウンサーお願いします。」本業に戻ったみたいな顔をしていると思います。

　つまり変わらない日常みたいなのをみなさんにお届けできたらと思って、出演者、スタッフ一同、頑張っております。これからもよろしくお願いいたします。

　最後になりますが、365日、「ラヴィット！」を支えてくれて今日のライブのために大成功するためステージに上がらず、ステージの裏、もしくはステージの下で縁者を支えてくれる方々がいます。（ペンライトを）水色にしていただいて、後ろにも下にも聞こえる拍手をお願いします。

　スタッフさん、本当にありがとうございます。みなさんのおかげで「ラヴィット！」ができていて、「ラヴィット！ロック」を今年もできることになりました！本当にありがとうございます！

　そして今日お越しのみなさん、配信をご覧の皆さん、「ラヴィット！」をこれからもよろしくお願いします。先ほども休憩時間にエゴサーチしていたら「川島兄弟だけ、あれはなんだったんだ」という声もありましたが、それも含めて優しい目で見てください。