アンジュルム:伊勢鈴蘭&長野桃羽インタビュー(1) 新アルバムで繋いでいくもの 「明るさ」を強みに

「アンジュルム」の伊勢鈴蘭さん(左)と長野桃羽さん
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「アンジュルム」の伊勢鈴蘭さん(左)と長野桃羽さん

 「モーニング娘。’25」などが所属するハロー!プロジェクトのアイドルグループ「アンジュルム」。6月に上國料萌衣さんが卒業し、伊勢鈴蘭さんが新リーダーに就任。8月には最年少メンバーの長野桃羽さんが加入し、新体制となった。11月12日に発売された新体制としては初となるアルバム「Keep Your Smile!」は、オリコン週間デジタルアルバムランキング(11月24日付)でグループ初の1位を獲得。11月30日には、秋ツアーのファイナルとなる日本武道館(東京都千代田区)公演「アンジュルム2025 autumn『Keep Your Smile!』final」を控えている。新たなアルバムへの思いをリーダーの伊勢さん、長野さんに聞いた。

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 ◇「Keep Your Smile!」に込めた思い

 --アルバム「Keep Your Smile!」は2枚組で、DISC1には2023年6月発売のシングル「アイノケダモノ/同窓生」から最新シングル「アンドロイドは夢を見るか?/光のうた」までの楽曲、DISC2には新体制の9人による新曲6曲が収録されています。「アンジュルム」にとってどのようなアルバムだと感じていますか。

 伊勢さん 私はこれまで「アンジュルム」のアルバム全部に参加させていただいていているのですが、今回のアルバムは楽曲の曲調、ジャケットの写真も含めて、ポップで明るい感じが前面に出ているんじゃないかなと思います。これまでもアルバムを出す時は「繋いでいく」という感覚が自分の中にあって、今の体制で「繋いでいく」と考えた時に、その明るさがグループの強みになってくるんじゃないかなと思いました。だから、ポップでカラフルな、聴くと笑顔になれるような曲がいっぱい詰まっているんだと思います。

 --タイトルの「Keep Your Smile!」にも、そうした思いが込められている?

 伊勢さん そうですね。「Keep Your Smile!」は、ライブが始まる前にメンバーで円陣を組む時のかけ声で、初期から使われてきた言葉なので、そういう意味でも“回ってきた”と感じます。

 --長野さんにとっては、加入後初のアルバムとなりました。

 長野さん 私は、新曲6曲が収録されたDISC2に参加させていただいているんですけど、いろいろなジャンルの曲があるので、「アンジュルム」のいろいろな一面を楽しんでもらえるアルバムなんじゃないかなって思います。

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 --新曲6曲の中で、一推しの楽曲は?

 伊勢さん 「午後3時スクランブル」は、ダンスの振り付けがすごく好きです。曲調はポップで、街をルンルンと歩きたい感じの曲になっているんですけど、振り付けが格好よくて、イントロからみんなで揃ってバチッと踊ります。もう一曲、バラードの「右ななめ後ろから」を推したいです。アンジュルムは、しんみりとしたバラード、歌で聴かせるような曲が少なくて、あったとしても結構踊るような楽曲が多かったんです。「右ななめ後ろから」は、歌だけで聴かせられるような曲で、恋愛の曲でもあります。「アンジュルム」は、いろいろな年代、いろいろな声のメンバーがいるので、温度感が全然違って、ライブでみんなどういう歌い方をするんだろう?とすごく楽しみです。

 長野さん 私は「Celebrate! Celebrate!」と「トラブルメーカー」が好きです。「Celebrate! Celebrate!」は、新曲の中でも一番好きなんじゃないかってくらい好きな曲で、最初に聴いた時は曲全体に爽やかな感じがあって、その後「ふわぁ!」と変わる感じがすごくすてきだなって。すごく友達のことを思っているような歌詞も、後ろに流れている音もキラキラしていてすてきだなと思います。「トラブルメーカー」は、アップテンポでノリノリの楽曲で、複雑な振りもいっぱいあってめちゃくちゃ難しいんですけど、ライブで披露するとめちゃくちゃ楽しくて。ファンの皆さんのコールが入ると、テンションがめっちゃ上がる曲で、お気に入りです。

 --DISC2の1曲目の「FAST PASS」は、現在開催中の秋ツアーでも披露されてきた楽曲です。

 伊勢さん 「FAST PASS」はツアーの初日から披露して、良い意味で新曲感がなくて、ファンの方も盛り上がって、慣れてきてくれています。この曲は、ライブでやっていて本当に楽しいなって。「アンジュルム」は、難しい振り付けや、力強い振り付けの楽曲が多いのですが、「FAST PASS」は、あえてサビで激しく踊らないんです。皆さんもまねできて、一緒に踊ったり歌ったりできることを大事にしている曲なので、全然知らない方も一回聴いただけで、コールしたり、踊ったりして楽しめると思います。最近の「アンジュルム」の楽曲の中では珍しいかなと思うので、そういう意味でもすごく好きな楽曲です。

 ◇60倍テンションが高い伊勢鈴蘭 長野桃羽の新しさとなじむ力

 --アルバムのレコーディングはいかがでしたか。

 伊勢さん 私は、毎回レコーディングは「何か自分で発見しよう」「トライしてみよう」という気持ちで臨むのですが、今回は、自分の苦手だった部分に挑戦することが多かったです。自分は声質が落ち着いているので、明るい楽曲を歌う時に、人の何倍もテンションを上げないといけなくて、それこそ「FAST PASS」は、自分が思っている60倍くらいテンション上げて歌うことを頑張りました。それでも、歌った後に自分の声を聴いたら「全然上がっていない」と思って、声に自分の感情を乗せることの難しさを改めて感じました。

 --そこから、60倍テンションを上げた声を表現するためにどんな工夫を?

 伊勢さん 「アンジュルム」は、キラキラした声質の子が多くて、特に橋迫鈴ちゃんがそうなので、鈴ちゃんのレコーディングの声を理想にして、いろいろなメンバーの声を聞きながら取り組みました。

 --長野さんにとっては、初めてのレコーディングになりました。

 長野さん 緊張していてガチガチだったので、明るい曲はめっちゃテンション上げて歌うというのも、すごく難しかったです。新曲の「午後3時スクランブル」は、アップテンポな楽曲なのですが、間奏の後は雰囲気が変わってしっとりした感じになるので、そこの表現の切り替えに苦戦して何度もやり直しました。曲ごとの表現が結構違うので、難しいなと思うのですが、そういうことを考えて試しにやってみるのが楽しいなと思いました。

 伊勢さん 私は桃羽ちゃんの「FAST PASS」のレコーディングを見たのですが、まず緊張感をこちらに感じさせないところがすごいなって。緊張しているとは思うのですが、それを感じさせない度胸というか、強いところがレコーディングから既に見えていて。それが音源になった時、「新しい声だな」とも感じたのですが、今までの先輩たちとプツンと途切れているわけではなくて、馴染む力もあったんです。それは、本人が意識していない部分だとは思うんですけど、これまでのアンジュルムと離れている感じがしないのが面白いところだなと思いました。ライブでも、既に歌い方のニュアンスを変えるということをやっていて、素晴らしいな、楽しんでくれているなって思います。

 長野さん ちょっとうれしくなっちゃいました。毎公演、こういうふうに歌ったら面白いかなと思って、「ここはもうちょっと笑顔で歌いたい」とやってみたりしているので、そんな褒めてもらえるとうれしくなっちゃいます。

 インタビュー(2)へ続く。

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