機動戦士ガンダム サンダーボルト:太田垣康男 13年の連載を振り返る パーフェクト・ガンダム、パーフェクト・ジオング戦で描こうとしたこと

アニメ「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」の上映会の様子
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アニメ「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」の上映会の様子

 太田垣康男さんのマンガ「機動戦士ガンダム サンダーボルト」のコミックス最終27巻が発売されたことを記念して12月19日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)でアニメ「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」の上映会が開催された。原作者の太田垣さん、アニメ版プロデューサーのバンダイナムコフィルムワークスの小形尚弘さんが登壇。太田垣さんは「ちょっとホッとしています。ちゃんと結末を迎えられて、肩の荷が下りました」と笑顔を見せ、約13年の連載を振り返った。

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 長期連載となった経緯を「3巻が終わる頃、『やめちゃダメ』と言われて、長くなる覚悟をしました。そこで最初は終わる予定だったんです。長編の構成を練らないといけないので、結構悩みました。当時の担当編集から、戦後のロケット技術のように、サイコ・ザクというオーバーテクノロジーを奪い合うというアイデアをもらい、フルスルットルでやるしかない!となった。ただ、予想外のことが起きて、どんどん変わってきた。風呂敷のたたみ方に悩みました」と説明。

 「マンガ連載はアドリブでやっていきます。アニメや映画とは違う作り方で、描いている作者もどうなるか分からない。そこにワクワクするし、モチベーションになります」と描いていく中で変化してくこともあったといい「パーフェクト・ガンダムは出す予定はなかった。ニュータイプも最初は出さないつもりでした。ただ、避けて通るのは逃げているようになってしまう。長く続けさせていただいたので、自分なりの解釈を出したいと思った。人類の未来にどう関わるかを描きたかった」と明かした。

 南洋同盟のパーフェクト・ガンダム、地球連邦軍のパーフェクト・ジオングが戦う展開も話題になった。「イオがジオング、ダリルがガンダムに乗る。意図的に主人公の逆転をやりたかった。正義と悪の対立を避けたかった。それこそ戦争の現実だろうと。それを意識的にやりました。ガンダムに乗っているのは正義という固定観念は、危険なことだと思います」と思いを込めた。

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 “オリジナル次回作”が2026年夏に始動することも発表されている。「『MOONLIGHT MILE』の続きのネームを執筆中です。『MOONLIGHT MILE』を完結させることを目標にしています。新作も準備しています。また、メカものでオリジナルになると思います。挑戦を続けたいと思います」と語った。

 「機動戦士ガンダム サンダーボルト」は、一年戦争のサンダーボルト宙域での地球連邦軍とジオン公国の戦い、一年戦争後のジオン残党軍、連邦、南洋同盟の戦いなどが描かれた。アニメ化、プラモデル化されるなど人気を集めている。「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で2012年に連載をスタートし、今年9月に最終回を迎え、約13年の連載に幕を下ろした。シリーズ累計部数は600万部以上。

 この日、上映された「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY」はアニメ第1シーズン全4話に新規シーンを追加したディレクターズカット版で、2016年に劇場上映、配信された。

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