今年6月、アイドルグループ「乃木坂46」を卒業した中村麗乃さんが新たなスタートを切った。自身初となるファンクラブを開設し、12月27日には開設記念イベントを開催。半年間の充電期間を経て、本格的に活動を再開する。グループ在籍中から数々の舞台で活躍し、堂本光一さん主演のミュージカル「Endless SHOCK」シリーズではヒロインを務めるなど、舞台俳優として存在感を示してきた。舞台・ミュージカルを軸に再出発する今の胸中を聞いた。
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約8年半在籍したグループの卒業理由は明確だった。「アイドルとして、もう十分頑張ったなと思えたことが一番です」。さらに「お芝居の道に本格的に進みたい」という思いも背中を押した。「お芝居をやっていきたいと思い始めたのは4、5年前。ミュージカルに出演し始めた頃から考えていました」
卒業後の半年間は、あえて“仕事をしない時間”を過ごした。「1日いっぱい寝たり、思い立ってカナダや韓国に旅行に行ったりと、ずっと夏休みみたいな毎日の中で、今後の人生についても考えていました」
活動再開のタイミングは決めていなかったが、「最初に表に出るなら、舞台ではなく、まずはファンの皆さんの前がいい」と考えていた。その思いから、ファンクラブを開設。「ファンの皆さんと交流する場は、ソロで活動していく上でも持ち続けたかったです」
ファンクラブでは、さまざまな企画を思い描いている。「女性のファンの皆さん向けにフリーマーケットみたいなことや、シール交換もやってみたいです!」。まずは12月27日に東京都内で開催するイベントで、「どんなことをしたいのか、皆さんに直接聞いてみたいですね」とにっこり。
イベントではMCも一人で務めるといい、「初めてのことなので正直ドキドキです(笑)。でも応募してくださった方がたくさんいて、待っていてくれた方がいると改めて感じました。今年をいい形で締めくくれるイベントにしたいです!」と意気込んだ。
乃木坂46卒業後、メンバーやOGと会う機会は減ったというものの、交流は続いている。同期の3期生とのつながりは今も深く、「卒業後も阪口珠美とはちょくちょく連絡を取りつつ遊びに行っています」と明かす。
3期生は「家族よりも長く一緒にいた存在」と特別な思いを口にする。「3期生のLINEグループもあって、結成日には『おめでとう』と言い合っています。これからも、ずっと続いていく関係だと思います」
今後は舞台・ミュージカルを軸にしながら、活動の幅を広げていく考えだ。「舞台以外で、これまで挑戦できなかったお仕事にも積極的に取り組みたいです。特に映像の世界は経験が少ないので、すごく興味があります」
ミュージカルの魅力については「オーケストラの生演奏が生む臨場感が最強なんです! その世界に入り込める夢のような空間です」と熱弁。「役と向き合い、稽古(けいこ)を重ねて作っていく工程すべてが好き。これからも立ち続けたい大好きな場所です」と情熱は揺るがない。
一方で、自身の現在地は冷静に見つめる。「まだまだ気持ちだけでは届かない部分もあります。これから、一から始めるくらいの気合いでまたお芝居に向き合っていかなければと思っています」
アイドルとして歩んだ時間を糧に、表現者として新たなステージへ。“中村麗乃の第2章”が始まった。
なかむら・れの 2001年9月27日生まれ。東京都出身。2016年9月、乃木坂46に3期生として加入。グループ在籍時からソロで舞台作品への出演を重ね、帝国劇場をはじめとする全国の主要劇場でヒロイン役を務めるなど幅広いジャンルの作品に出演。舞台俳優としてキャリアを築いてきた。主な出演作に舞台「逆転裁判」シリーズ、ミュージカル「Endless SHOCK」シリーズ、「ダンス オブ ヴァンパイア」など。