名探偵コナン
R164「千速と重悟の婚活パーティー(前編)(デジタルリマスター)」
2月21日(土)放送分
「チェンソーマン」などで知られるマンガ家の藤本タツキさんの短編8作品を一挙にアニメ化する「藤本タツキ 17-26」の作品の一つ「シカク」を手掛けたことも話題のアニメ制作会社「STUDIO GRAPH77」。エイベックス・ピクチャーズの子会社「FLAGSHIP LINE」が、2024年10月に設立した新鋭アニメ制作会社だ。FLAGSHIP LINE、STUDIO GRAPH77の代表を務めるのが、劇場版アニメ「ルックバック」などを手掛けてきた松村一人さんだ。松村さんにSTUDIO GRAPH77について聞いた。
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アニメ産業レポート2025(日本動画協会)によると、2024年の市場規模は約3兆8407億円と過去最高を更新した。活況を呈する裏で、制作現場は限界を迎えている。テレビアニメの年間タイトル数は300本を超え、深刻な人手不足と制作ラインの枯渇が常態化している。
「作品数が増える一方で、スケジュールのコントロールは極めて難しくなっています。ラインを優先的に確保し、プロデュースと実制作を一気通貫でリンクさせられます。何本もラインを並行させて量産するのではなく、一本一本に全力を注ぎ込み、クオリティーを担保したいと考えています」
アニプレックス傘下のA-1 PicturesやCloverWorksのような例はあるが、エイベックス・ピクチャーズのような“メーカー”がスタジオを運営するのは、異色かもしれない。STUDIO GRAPH77は「作り手が創作に集中できる環境」と「次世代の育成」を掲げている。
「日本のアニメ制作は各部門が高度に特化していますが、海外では全く違うアプローチもあります。ドリームワークスのような海外のスタジオでは、アニメーターだけでなく全体を統括するプロジェクトマネージャーがいて、工程ごとに構造化できている。日本の現場では、動画から原画、作画監督、演出……という職人的な横移動が主ですが、シーンを管轄するマネージャーのような選択肢をアニメーターに提示できれば、キャリアの幅はもっと広がります。コストはかかるかもしれませんが、それによって品質が担保され、クリエーターが長く働き続けられるようになるはずです。構造を紐解き、システム化することで、もっと働きやすい環境を作っていければと考えています」
日本のアニメの成長を牽引しているのは海外市場だ。国内市場を大幅に上回る“輸出産業”となっている。海外市場に向けて、クリエーターは国際感覚も必要になるだろう。
「国内の専門学校の学生も留学生が多いです。卒業後に日本で働きたくても、ビザの問題などで定着できず、せっかくの技術やナレッジが海外に流出してしまうこともありますので、海外クリエーターが日本で一緒に作っていける環境も必要になります。さまざまな文化圏のスタッフが日常的に交流することで、例えば『肌の色をどう表現するか』といったデリケートな文化的背景への理解も深まると考えています」
FLAGSHIP LINEは、文化庁の補助金によって日本芸術文化振興会に設置された文化芸術活動基盤強化基金 (クリエーター支援基金)を活用して、アニメのクリエーターの育成プログラム「PLUS CREATORS CAMP」を設立した。日本のアニメが世界で人気を集める中、国際的に活躍できるクリエーターの育成を目指す。若手に向けて、クリエーターの講義、MV(ミュージック・ビデオ)などの制作実習、海外スタジオや教育機関との交流を通して、スキルと視野を大きく広げる取り組みになるという。
「演出を軸に、音響、撮影、企画の立て方まで網羅したプログラムです。作品が成立するまでの全工程を知ることで、他部署への“思いの馳(は)せ方”が変わってくる。それが現場の空気感を変え、結果として作品の密度を上げる。自社のスタッフに限定せず広く門戸を開いています」
クリエーターの育成が、アニメ制作における持続可能性を高めることにつながってくるはずだ。
「まだ立ち上げたばかりで、決まった型があるわけではありません。でも、型がないのは困る。型をしっかり作った上で、それをあえて崩していくような挑戦をしていきたい。アニメ業界を取り巻く環境は厳しいですが、試行錯誤が楽しいですね」
松村さんは「作り手が創作に集中できる環境」と「次世代の育成」を掲げ、新たなスタジオの形を模索している。STUDIO GRAPH77の今後の取り組みが注目される。(阿仁間満/MANTANWEB)
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