マンガ質問状:「らき☆すた」 ファン、スタッフ、作品の力を強く感じた

 話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、「コンプティーク」で連載中のマンガ「らき☆すた」(角川書店、美水かがみ)です。埼玉県の町おこしでも話題になったこの作品の魅力をコンプティーク編集部の加藤剛さんに聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は? 

 おたくネタと日々の生活を結びつけたゆる~い雰囲気の4コマ。主要キャラクターはマンガやアニメが大好きな女の子「泉こなた」、双子だけど容姿から性格まで似ていない「柊つかさ」「かがみ」姉妹、そして、才色兼備の「高良みゆき」の4人組を中心に物語が展開します。そんな彼女たちの、おもわずつっこんだりニヤリとするゆる~いネタが満載なので、肩の力を抜いて楽しんでいただければと思います。

 特に泉こなたは、読者と同じような視点で考えたり楽しんだりするので、非常に身近に感じることができるはずです。自分自身の分身として物語を楽しんでみるのはいかがでしょうか?

 −−作品が生まれたきっかけは?

 やっぱりタイミングと運ですね。03年9月にコンプティークが大幅リニューアルを行ったタイミングに、雑誌のカラーに合う作品を連載しようということで、他の作品と入れ替わるように立ち上がりました(※「らき☆すた」連載開始は03年12月)。

 ちょうど雑誌の方向性を見極めるタイミングで、どのコンテンツを残し、どのコンテンツを入れ替えるかと、編集部で毎日のように打ち合わせを行っていました。なので、当初の連載コンテンツも当時のコンプティークのカラーにあった作品だったら「らき☆すた」の企画も無かったかもしれませんでした。ある意味、雑誌のカラーが決まる前に滑り込めたので、ラッキーでした。

 「らき☆すた」の連載に関してですが、当時から、美水かがみ先生とは細かい仕事を一緒にさせていただいたのですが、どの作品も読者から高い支持を受けていたので、いつか時期を見て連載をお願いしたいと思っていました。ですが、リニューアル前のコンプティークには「らき☆すた」のような作品を連載する枠が無かったので、虎視眈々(こしたんたん)とチャンスを狙っていました。

 そんなタイミングでリニューアル、コンテンツの入れ替え話につながっていきます。美水先生がひそかに温めていた「らき☆すた」の原案に、マンガやアニメ、ゲームが好きといったコンプティークの読者視点を加味した作品を武器に編集部内のコンペに参加したのですが、特に対抗馬もなかったのですんなり連載が決まりました(笑い)。そういった意味でも運がいいと思います。

 −−作品を作るうえでうれしいこと、逆に大変なことは?

 作品を通じて多くの人と知り合えたことがうれしいですね。やはりアニメを中心としたメディアミックス展開を近くで見ていて、1のモノが10にも100にも大きくなるといったファンの力、スタッフの力、そして作品の力を強く感じました。個人的な野望では、どこに行っても置かれているような作品になったら幸せだなと思っています。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 ゆる~い感じが「らき☆すた」のキーワードなので、いろいろな可能性を入れつつも、ゆるゆると展開していければいいなと思っています。現在、発売中のコンプティーク5月号(4月10日発売)では、美水かがみ先生が描きおろした「らき☆すた」と「初音ミク」がコラボした「さくらかがミク枕カバー」が付録で付いてきます。いまから花見の人も花見に行った人も、そして行けなかった人にもうれしいアイテムですので、ぜひチェックしてみてくださいね。「らき☆すた」があなたにとっての大切な一冊になれましたら幸いです。どうもありがとうございました。

角川書店 コンプティーク編集部 加藤剛

◇連載情報など

らき☆すた 美水かがみ 1~7巻 コンプティーク(毎月10日発売)で連載中 

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