女優の蒼井優さん(24)が、俳優の江口洋介さん(42)と映画「洋菓子店コアンドル」(深川栄洋監督)でダブル主演を務めることが明らかになった。作品中で2人は、パティシエとして洋菓子作りを披露する。パティシエ初挑戦の蒼井さんは「鹿児島弁とケーキ作りに挑戦しました。ケーキ作りの材料と器具一式を先生にお借りして、家で毎日練習したのですが、鹿児島弁を練習して、クリームの絞りをやって、絞りがうまくいくようになったら、今度は鹿児島弁を忘れてしまって、また練習して……。けっこう睡眠時間を削って没頭しました」と役作りの苦労を明かした。
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映画は、スイーツ界から突然姿を消した伝説のパティシエ十村遼太郎(江口さん)が、製菓学校の講師をしながら、スイーツ評論家としてガイドブックを出版。どんな有名店からの誘いも断り、その腕前を披露することはなかった十村が、恋人を追いかけて東京にやってきた鹿児島のケーキ屋の娘臼場なつめ(蒼井さん)と東京で評判のパティスリー「コアンドル」で出会う。そしてなつめは、ひょんなことから「コアンドル」で働くことになり、十村が菓子作りをやめた理由も明かされていく……という物語。共演は戸田恵子さん、江口のりこさん、加賀まりこさんら。
江口洋介さんは役作りについて「オファーをいただいた当初は、正直自分じゃないのでは?と思うほど繊細な印象を受けていました」という。そして「深川監督と細かいディスカッションを重ねていくうちに、十村という伝説のパティシエ像が、少しずつ自分の中に生まれていきました。作品に入る前には何度もケーキ作りを体験し、その奥深さと、その味を維持していくプロフェッショナルたちの真剣さ、厳しさを知りました」と語った。また「試食するため都内の店を何軒も見学したのですが、実においしそうにケーキを食べている人たちが大勢いるのを見て、ちょっと驚きながら、そういうことも幸せの一瞬なのでは?と感じたりもしました」と新たな発見もあったという。
そんな江口さんに対して蒼井は「今回初めてご一緒させていただきましたが、これまで会ったことのないタイプの方で、好奇心がわきました。役柄的に反発し合うことも多かったので、一番長いシーンがドア越しだったのも印象的です」と初共演の印象を語った。深川監督は「2人の俳優は確かに時代を築くスターとして輝いていました。江口さんは今までテレビドラマでは見せなかった姿を私たちに見せてくれました。蒼井さんは、同じ時代に映画人として存在できてよかったと思わせてくれる響きを見せていただきました」と2人を絶賛した。
また、江口さんは「映画を見終わったときに『ちょっと、ケーキ食べに行かない?!』と、思わず誰かを誘ってしまいたくなるような、そんな作品に仕上がったのではないかと思います」と作品をさりげなくPR。映画は11年正月第2弾映画として新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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