堺雅人:丸刈りで中村獅童と軍人に 浅田次郎原作「日輪の遺産」映画化

 ベストセラー作家、浅田次郎さんの小説「日輪の遺産」が俳優の堺雅人さん(36)主演で映画化されることが11日明らかになり、東映東京撮影所(東京都練馬区)で堺さんや中村獅童さん(38)、福士誠治さん(26)らが会見を開いた。丸刈りの軍服姿で登場した堺さんは「戦争を描くに当たっては、分かったふりだけは避けたいと思いました。型にはまった軍人にならないように気を付けています」と役作りについて語った。

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 「日輪の遺産」は、浅田さんが93年に発表した小説。太平洋戦争中、帝国陸軍がマッカーサーから奪取した財宝200兆円をめぐって軍の密命を守り抜いた将校と20人の少女たちの祖国復興を願った壮絶なドラマを描く。堺さんは陸軍の参謀・真柴少佐を演じる。「半落ち」(03年)や「出口のない海」(06年)を手がけた佐々部清監督がメガホンをとる。

 この日は、堺さん、獅童さん、福士さんの男3人のシーンを撮影したが、堺さんは「他の撮影ではユースケ・サンタマリアさんと20人の女学生が加わって、毎日が新鮮で、演じていて楽しい現場です」と語った。望月曹長役の獅童さんは「20人の女学生とのシーンで、彼女たちのたたずまいを見ていると心に響くものがあり、新鮮でした。もんぺをはかせると、やはり日本人だな(笑い)と、思いましたし、時代を飛び越えるような瞬間にドキッとさせられました」と勤労学生である女学生たちのシーンを振り返った。小泉中尉役の福士さんは「佐々部監督とは『チルソクの夏』以来7年ぶりにご一緒させていただきました。ずっと、もう一度ご一緒したいと思っていたので、役者としての喜びを感じながら演じています。英語を使うシーンがあるのですが特訓しながら準備しています」と意気込んでいた

 佐々部監督は「脚本を作り始めて4年目になり、いつ実現するのかという状況が続きました。助監督時代、最後の仕事が『鉄道員(ぽっぽや)』だったこともあり、自分の10作品目となる節目に、ファンである浅田次郎さんの作品を映画化できるということで感無量です。こうして素晴らしいキャストを迎え、周りの方々に感謝しながら、恥ずかしくない作品に仕上げたいと思っています」と抱負を述べた。

 教師役はユースケ・サンタマリアさん(39)。少女の現在を八千草薫さん(79)が演じる。11年に公開予定予定。(毎日新聞デジタル)

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