インタビュー:矢島美容室 「泣けて笑える心がじーんと温かくなる映画ができた」

映画の見どころを語った(左から)ストロベリーさん、ナオミさん、マーガレットさん
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映画の見どころを語った(左から)ストロベリーさん、ナオミさん、マーガレットさん

 お笑いコンビ「とんねるず」が出演するバラエティー番組から生まれた音楽ユニット「矢島美容室」のデビュー秘話を描いた映画「矢島美容室 THE MOVIE~夢をつかまネバダ~」(中島信也監督)が全国で公開中だ。とんねるずの木梨憲武さん、音楽アーティストのDJ OZMAさん、とんねるずの石橋貴明さんとそれぞれ容姿が酷似している母マーガレット、長女ナオミ、次女ストロベリーが映画初主演の感想や見どころなどを語った。(毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 −−日本で初めて映画に出演されていかがでしたか?

 ナオミさん 本当に信じられないと思いました。まさか本当に映画に出演できて、しかも初出演、初主演できるなんて……。とても緊張したけど頑張りました。

 マーガレットさん すごい大人数でいろんなお仕事の人が一つになってチームワークよく仕事できました。100人以上いたんじゃないかな。大勢の人で一つの作品を作っていることに感動いたしました。

 ストロベリーさん みんなで見て分かるすごく楽しい映画ができたと思います。ちょっぴり泣けて笑える心がじーんと温かくなる映画ができたと思う。

 −−撮影中に大変だったことは?

 ストロベリーさん 昨年秋から撮ったんですけど、とても寒くて(新型)インフルエンザがはやっていて、ストロベリーの友人役が熱を出して撮影が中断したことがありました。みんなで気をつけていたことは、手洗い、うがい、そして、毎日おいしいごはんを食べること、これが大切ですし、大変でした。

 マーガレットさん ママ(自分)は大人なので、毎日お酒をガブガブ飲まないように早めに寝ることを心がけました。そのほか、大人数だからお弁当が足りなくなる前に、早めに食べるよう心がけました(笑い)。 

 ナオミさん お芝居をしたことがないから不安で。せりふを覚えることはできるんですけど、どういうふうに表現したらいいか分からなくて。手探りで大変でしたけど、模索しながら最後まで頑張りました。

 −−日本に来た時、日本の印象はどうでしたか。どこの街が好きですか?

 ストロベリーさん ネバダって、アメリカの中では田舎の方なのね。ラスベガスは高いビルやきらびやかなホテルがあるけど、そのほかは砂漠なので、東京みたいにたくさんの人が歩いていないのね。だから、人の歩く速さや、ネバダには地下鉄がないので地下鉄にびっくりした。どこにどう行くのかさっぱり分からなかったわ。

 マーガレットさん ママは祖師谷大蔵(東京都世田谷区)ね。ないのは(ルイ・)ヴィトンとエルメスだけ。だいたい何でもそろっているから。商店街が長いところが好きです(笑い)。

 ナオミさん 私はやっぱり六本木が好き。六本木には私たちのような外国人がたくさんいるので怖くないんですよね。困ったときも言葉が通じる人がいるんで。六本木は夜からキラキラする街で。ラスベガスとは違うけど、そういうきらびやかさにひかれて、街灯に群がるチョウのように六本木を訪れます(笑い)。

 −−日本の芸能界は楽しいですか? 大変ですか? ギャラって高いですか?

 ストロベリーさん 楽しいこともたくさんあるけどねー。たくさん大変なこともあって。大変なことをたくさん頑張れる人が芸能界でたくさんお金をもらってるの。

 マーガレットさん 大変なことを大変と思わないことね。「あーら、ずいぶん大変ね~」とか、これくらいでいいの。それとダウンしないようにね。

 ナオミさん 私はつらいことはほぼないですね。実際に朝つらいとかはありますけど(笑い)、仕事は毎日が新鮮で楽しい。いい経験ばかりさせてもらえていて。すごく充実してます。ただ私はまだギャラは高くないですけど。頑張ります(苦笑い)。

 −−どうしたら劇中のように歌を上手に歌えるんでしょうか。

 ナオミさん 私すごい歌がヘタクソで……。とにかく歌を歌うことにあこがれていて。ヘタでもずっと毎日毎日、歌っていたらいろんなことが徐々に分かってくるの。あ、今日は音程がはずれてるなとか、こうすれば歌えるなとか。とにかく続けること。頑張って歌っていればいつかうまくなります。

 マーガレットさん お風呂場で歌わない? そこで歌うと“作曲家”になるからね。そこからスタートね。

 −−映画の見どころ、ぜったい見てほしいシーンは?

 マーガレットさん ナオミが画面に向かって「パパ帰ってきてー」というところかしら。あとは、マーガレットたちのソフトボールチームとライバルチームとの戦いのシーンとかね。

 −−映画を見る子どもたちに一番感じてもらいたいことは?

 ストロベリーさん 矢島ファミリーはとっても仲がいいでしょ。仲がいいファミリーのところへは幸せがやってくるの。子どもたちも兄弟とか、友だちとか、自分の周りにいる人を大切にしてもらいたいな。

 ナオミさん ストロベリーのせりふですごく好きだったのは「恋愛は壊れやすいから大切にしないと。友情は永遠だからね」という言葉。子どもたちはこれから先、友人同士で、「あいつは嫌い」とか嫌なことがあるかもしれないけど、必ずちゃんと言い合ってすてきな友だちを見つけてほしいですね。(そうすれば)これから一生涯の友だちができると思うから。

 −−ストロベリーさんは12歳とのことですが、将来の夢は何ですか?

 ストロベリーさん この日本で必ず歌手として頑張って、将来的には父が見つかったらネバダに帰りますんで、最終的にはアメリカでアカデミー賞、グラミー賞、トニー賞の三つをとりたいと思う。向こうのエンターテインメントで勝負していきたい。

 −−マーガレットさんは日本へ帰ってしまった徳次郎さんのことを怒ってないんですか。

 マーガレットさん ぜんぜん怒っていないんです。悲しかったですね。いい男だったの。ちょっと私がほれてるんで。だから、パパがどう思っているのか聞いてみたいし、早く仲直りしたい。そのことはパート2で明らかになります(笑い)。

 −−結局、徳次郎お父さんには会えるんですよね。

 ストロベリーさん 夢はぜったいに信じていればかなうんだと思っていますので。

 マーガレットさん 必ず見つけ出しますから!

 <プロフィル>

 母マーガレットさん(38)、長女ナオミさん(18)、次女ストロベリーさん(12)からなる女性3人組の音楽ユニット。アメリカ・ネバダ州に暮らしていたが、マーガレットさんの夫で失踪(しっそう)中の日本人美容師・矢島徳次郎を捜すために来日し、お笑いコンビ「とんねるず」とDJ OZMAさんのプロデュースにより日本でデビュー。08年10月に「ニホンノミカタ ネバダカラキマシタ」でCDデビューし、10年3月にファーストアルバム「おかゆいところはございませんか?」を発売した。映画は全国で公開中。主題歌は「矢島美容室feat.プリンセス・セイコ」名義で松田聖子さんと矢島美容室がコラボした「アイドルみたいに歌わせて」。

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