TAKAHIRO:ドラゴンボールもダンスの一部に マドンナのダンサーが8月に日本凱旋公演

凱旋公演「SIX DOORS」を行うTAKAHIROさん
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凱旋公演「SIX DOORS」を行うTAKAHIROさん

 09年に米ポップ歌手マドンナさんの世界ツアーに正式メンバーとして参加した米在住の日本人ダンスパフォーマー・TAKAHIROさん(28)が初プロデュース、振り付け、出演するダンス公演「SIX DOORS」が8月14、15日に赤坂BLITZ(東京都港区)で行われる。同公演は、TAKAHIROさんがマドンナさんの世界ツアーに出演して以降、日本で初めて行う公演となる。日本のマンガなども題材にパフォーマンスしているTAKAHIROさんに、日本公演の魅力などを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 18歳からダンスを始めたTAKAHIROさんは、大学卒業後、05年に米ニューヨークの著名なクラブ「アポロ・シアター」の伝統的なコンテスト「アマチュアナイト」に出演。“プロへの登竜門”といわれ、過去にエラ・フィッツジェラルドやジェームス・ブラウン、スティービー・ワンダーなどを輩出、マイケル・ジャクソンが「ジャクソン5」時代に出演し、優勝した同コンテストのテレビシリーズで、06年に9大会連続優勝記録を打ち立てて殿堂入りを果たし、ヒップホップダンサーとして米プロデビューした。

 TAKAHIROさんは、自身のパフォーマンスの魅力を「テクニックの軽さ。地面から浮いているように踊る独特の世界観や、形にとらわれていないところ」と分析し、「一言で言うと、TAKAHIROらしいところ」という。「ダンスは習うものではなく、自己の中から発信し、自分の経験を反映するものだと思う」という自身の考えもあって、「ドラゴンボール」など日本のマンガやアニメからもインスピレーションを得て、パフォーマンスに取り入れている。具体的には「『ドラゴンボール』の曲を使ってカンフーポーズをするところ」などがあり、マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載されていた「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」からも「タコのように踊る『ダバダバ』」を取り入れているという。

 全米各地で約1カ月半にわたって行われたマドンナさんのツアーオーディションを勝ち抜き、16人のダンサーの一人に選ばれてツアーに参加した後、ニューヨークを中心に活動し、ダンス公演のツアーを成功させたTAKAHIROさんは、8月の日本公演について「ついにここまでやってこられたな、と思いました」と感慨深げで、「公演規模も大きくなって、夏までの焦点は、このライブのためにあります。海外公演も考えながら全力投球したい」と意気込んでいる。

 公演は、TAKAHIROさんとニューヨークで活躍する5人のダンサーが「一人一人の想像」をテーマに表現するもので、TAKAHIROさんは「今、ニューヨークで流行しているダンスのいいところと、自分の日本人らしいところが融合しているところを見てほしい」とコメント。「想像力をテーマにしているので見に来る方もいろんな答えを持って見てほしい」と呼びかけている。

 TAKAHIROさんと同じコンテストのテレビシリーズで、7大会連続優勝記録を持つ日本人ダンサーの海老名健一さんも公演に参加。TAKAHIROさんは海老名さんを「手品を取り入れたり、照明、音響も工夫した手法を持っている。ニューヨークの中で僕が一番、本当に素晴らしいと思っているエンターテイナー」と絶賛。2人で鏡のように踊る演目「ミラー」を披露予定で、TAKAHIROさんは「ストーリー仕立ての最高傑作」と自信を見せている。

 また、TAKAHIROさんは本名の上野隆博名義で、8月に初のフォトエッセーの出版も予定している。TAKAHIROさんが08年から撮りだめた写真をまとめたもので、ニューヨークやマドンナさんのツアーで回ったヨーロッパの写真などを収録。見どころについてTAKAHIROさんは「ダンサーの目を通して見てきた世界のとらえ方」とコメントし、「(出版の)夢がかなって非常にうれしい」と話している。

 マドンナさんのワールドツアーで印象深かったことは「オーディションですね。審査が多く、急にロサンゼルスに呼び出されたり、合宿審査があったりと困難な道でした」と苦労を明かし、国外から見た日本のいいところ、悪いところについて「いいところは気品や品格があるところ、悪いところは情報の力が強すぎるところですかね」と教えてくれた。

 ダンス以外に興味のあることは「体作り」というTAKAHIROさん。「体が細いのがコンプレックスで、海外で渡り合っていくには細すぎる。今年は肉体改造を行っています」と語った。また日本のポップカルチャーで初めて“ハマった”ものを聞くと、「あんなこといいな、できたらいいな」というフレーズで知られるアニメ「ドラえもん」の主題歌を歌うアニメ・童謡歌手の山野さと子さんの名を挙げ、「幼稚園のころから今に至るまで、聴き続けています。小さいときに聴いた曲は、僕にとって歌の世界を想像しやすく、夢があるから、いつまでも楽しい」と明かしてくれた。

 <プロフィル>

 たかひろ。81年9月4日生まれ。ソロダンサーとして活動するほか、プロのダンサー集団「NY The MOVEMENT」にメーンキャストとして参加している。07年に米週刊誌「ニューズウイーク」の「世界が尊敬する日本人100人」に選出された。凱旋(がいせん)公演「SIX DOORS」には、ニューヨーク最大級のダンス学校「PERI CENTER」の校長で、芸術監督を務めるイガール・ペリーさんがゲスト振付師として参加する。ぴあ、ローソン、e+でチケット発売中。全3回。フォトエッセー「TAKAHIRO DANCE IN THE WORLD」(ダイヤモンド社)は144ページ、1800円。

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