北野武監督の7年ぶりのバイオレンスアクション映画「アウトレイジ」の初日舞台あいさつが12日、東京都内で開かれ、ビートたけし名義で主演も務めた北野監督と、椎名桔平さんや加瀬亮さん、小日向文世さんら出演者が登場した。北野監督は冒頭から「監督の山田洋次です」と言って笑わせ、撮影中にキャストのせりふが増えたことについて聞かれると、「全員が主役で全員が脇役と考えていたので、出番が少ない人の出番を増やしていったら、自分の出番が少なくなっちゃった。だから本当は椎名君の出番だったところを自分がやりました」とカミングアウト。椎名さんは「初めて聞きました」と驚き、笑うしかないようだった。
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「アウトレイジ」は、「不法行為」や「乱暴」という意味を持つタイトルの作品らしく、組同士の権力闘争を描いたヤクザ映画。山王会本家会長・関内(北村総一朗さん)の命令には従順に従い、そのくせ配下の人間が勝手なことをするのを嫌う山王会池元組組長の池元(國村隼さん)。貧乏くじを引くのはいつも、池元組配下にある大友組組長の大友(ビートたけしさん)だ。たとえ不条理な命令でも、それに従うしかない大友だったが、その力関係が、ある出来事をきっかけに崩れ始める……というストーリー。
あまり撮り直しをせず、ほとんどの演技をキャスト任せにするという北野監督の撮影スタイルに、出演者は緊張したと口をそろえた。小日向さんが「僕が北野監督の胸ぐらをつかむシーンがあるんですけど、どうしても目を合わせられませんでした。面と向かうと緊張します。監督はシャイですから、あまりあいさつする機会もなくて」と話し、シャイといわれた北野監督は「ホモじゃないんで。女優さんなら付きまとうんですけど」とおどけて、またも会場をわかせた。
映画は丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(毎日新聞デジタル)
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