龍馬伝:真木・お龍を見て蒼井・お元に火が…… 新展開の第3部、魅力は「大人の龍馬」

第3部新展開で大人の魅力を見せる福山雅治演じる龍馬=NHK提供
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第3部新展開で大人の魅力を見せる福山雅治演じる龍馬=NHK提供

 第3部「RYOMA THE NAVIGATOR」が18日からスタートするNHK大河ドラマ「龍馬伝」について、同番組の鈴木圭チーフ・プロデューサーが会見。蒼井優さんが演じる第4のヒロイン芸妓(げいぎ)・お元について、「お龍を見たことによって(龍馬への思いに)火がつく」と福山雅治さんが演じる坂本龍馬を巡り、真木よう子さん演じるお龍との間で三角関係が描かれるなどオリジナルエピソードの一端を披露した。

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 「龍馬伝」は大河ドラマ初の4部構成で、坂本龍馬の生涯を三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎(香川照之さん)の視点から描いたドラマ。第3部は長崎という新天地に渡った龍馬が亀山社中を起こし、薩長同盟の締結に大きな役割を果たしていく様が描かれ、寺田屋事件後に九州・霧島へ行き、第二次長州征伐で長州支援を決意するまでの物語。1部、2部と変化した龍馬の髪形は、3部でさらに変わり、白袴(しろばかま)姿で登場。3部のラストでブーツを履く予定という。

 鈴木プロデューサーは第3部の龍馬を「ベンチャー企業の若社長のような“ビジネスマン龍馬”“新リーダー龍馬”」と表現。見どころを「成長した龍馬が、一筋縄ではいかない(商人の)グラバーや大浦慶ら、したたかな裏表のある人物たちと丁々発止ぶつかっていくところ。キャラクターの立った人たちが出てくる面白さがある」といい、後半では龍馬が薩摩、長州、幕府に名を知られて命を狙われる存在になり、「いつ刺客が襲ってきてもおかしくない状態の中でドラマが進んでいく」と語った。

 第3部では新たにお元のほか、ピストルを龍馬に贈った高杉晋作(伊勢谷友介さん)、龍馬や志士たちの活動を物心両面で支えたといわれる大浦慶(余貴美子さん)、陸援隊を組織した中岡慎太郎(上川隆也さん)らが登場する。鈴木プロデューサーはお元について「ミステリアスな部分があり、裏がある人物。隠れキリシタンという設定。蒼井さんならではのいろんな意味のある感じの女性に見えるようにやってもらってます」と語った。高杉晋作については「革命家という高杉像しか知らないが意外に女にだらしないエピソードは、人間っぽくて伊勢谷君がやったらかわいいだろう。(龍馬らと)政治の話だけでなく、女の人の話をするのもいいと思っている」と考えをめぐらせ、中岡については「悪役ではないが武力倒幕という路線で龍馬と対立していくところを色濃く出していきたい。仲間であり同志だが、激しく対立するライバルとしてドラマをスリリングに盛り上げる」と話した。

 長崎を舞台にした物語では赤をイメージカラーにし、「異文化の雰囲気をうまく出していきたい。(セットの)ビジュアル的にもガラッと変わる」という。亀山社中で龍馬らがカステラを作るシーンや、弥太郎が京都にやってきて新選組に捕まるというオリジナルエピソードがあるほか、龍馬がお龍にプロポーズするシーンも「龍馬伝らしい描き方がないか」と考えているという。また、龍馬と近藤勇がお龍をめぐって恋敵同士になる場面、龍馬とお龍が新選組と出くわすシーンも作りたいと意欲的。大の龍馬ファンで勝海舟役で出演した武田鉄矢さんからは「絶対オレはまた出たい」と懇願されたという。

 見せ場となる寺田屋のシーンは、同局のドラマ「ハゲタカ」などを手がけた大友啓史さんがメガホンを取る予定。鈴木プロデューサーは「正攻法にやろうかなと思っている。がっつりと立ち回りを楽しんでいただける寺田屋にしたい」と意気込み、日本初の新婚旅行といわれるお龍との霧島旅行は、同地でロケ撮影の予定といい、「あるサプライズなシーンを予定している」と含みを持たせた。

 福山さんについて鈴木プロデューサーは「一直線に頼む(という1部、2部の)感じだけではない、したたかさや駆け引きを行う大人の龍馬の芝居。声のトーンもずいぶん気を使っているよう。成長した大人の龍馬を意識した芝居に変えてきている」と評した。「大河の主役をやっていると今ぐらいの時期に寝込んだり、具合悪くなったりする」と明かし、「(福山さんは)プラスアルファで(異なる仕事も)やってますからね。座長として頭が下がります。(共演者との)息もぴったり。福山さんがまとめているという感じはすごくあります」と絶賛した。福山さんは共演者らと酒を飲みに行くなどして交流を深めているという。

 また、いまだ謎の多い龍馬の暗殺について鈴木プロデューサーは「1シーンかもしれませんがいったい誰が最後に切るのかとかいうあたりは頑張りたい」と気合を込めている。

 総合テレビで毎週日曜午後8時から放送中。(毎日新聞デジタル)

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