注目映画紹介:「トイ・ストーリー3」11年ぶりの新作は笑いと興奮、涙のバランスが絶妙

「トイ・ストーリー3」の一場面。(C)DISNEY / PIXAR
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「トイ・ストーリー3」の一場面。(C)DISNEY / PIXAR

 米ピクサー・アニメーション・スタジオの出世作「トイ・ストーリー」(95年)から15年、続編の「2」から11年。待望のシリーズ第3弾「トイ・ストーリー3」がいよいよ10日に全国で封切られる。

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 前2作で監督を務めたジョン・ラセターさんは、今回は製作総指揮を担当し、メガホンをとったのは、「モンスターズ・インク」(01年)や「ファインディング・ニモ」(03年)で共同監督を務めたリー・アンクリッチ監督。シリーズのファンは一抹の不安を覚えるだろうが、それを払拭(ふっしょく)するほどの見事な出来栄えだ。

 おもちゃたちの“ご主人様”アンディが大学進学で家を出て行くことになり、カウボーイ人形のウッディたちは、手違いから保育園に寄付されてしまう。ウッディは1人脱出し、アンディの元へ戻ろうとするが、仲間たちが乱暴な園児たちに破壊されそうになっていることを知り、彼らの救出に向かうことにする。

 「これがあのトイ・ストーリー?」と驚くほどスリリングなアクションシーンで幕を開ける。その勢いに乗って、ウッディによる仲間たちの救出作戦が展開する。彼らを待ち受けるシリーズ最大のピンチにハラハラし、心温まるエンディングに涙腺が緩む。笑いと興奮、そして涙。それらがバランスよく調和している。

 ウッディたちおなじみのキャラクターに加え、ロッツォ・ハグベアなど新キャラも多数登場。ジブリ作品のあの人気キャラまでもが“友情出演”し、アニメファンを喜ばせる。

 ラセターさんは、「2を作ってから3ができるまでの時間は、アンディを、そして私たち(スタッフ)自身を成長させるための月日だった」と語った。今回、アンディの声を担当したジョン・モリスさんは、シリーズを通してアンディを演じている。声優たちが、ウッディらの物語の中に過去と現在の自分を見つけたように、観客もまた、過ぎ去った日々を懐かしみ、感慨をおぼえるに違いない。

 前2作同様、日本語吹き替え版は唐沢寿明さんと所ジョージさんがウッディとバズ・ライトイヤーの声を担当しているのも、ファンにはうれしい。10日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。ディズニーデジタル3DとIMAX 3Dでも同時公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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