ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、クトゥルー神話の神々が美少女化してドタバタ劇を繰り広げる「這(は)いよれ!ニャル子さん」(逢空万太著、狐印画)です。ソフトバンク クリエイティブ・GA文庫編集部の松本真弓さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
「いつもニコニコあなたの隣に這いよる混沌(こんとん)、ニャルラトホテプです」。しょっぱなのこの登場せりふが、作品すべてを表していると思います。
ニャルラトホテプという名称は、ゲームやアニメなどで見知っている方が多いのではないかと思いますが、元々は「クトゥルー神話」(米作家ハワード・フィリップス・ラブクラフトの描いた小説世界をもとに作り上げられた架空の神話体系)に登場する神の一柱です。本作では、この“ニャルラトホテプ”が宇宙人のニャルラトホテプ星人の一人、銀髪・碧眼の美少女ニャル子となって登場する混沌ラブ・コメディーです。
ある日、主人公・八坂真尋は何ものかに襲われます。そこを冒頭のちょっと嫌なキャッチコピーとともに現れたニャル子に救われます。彼女いわく、真尋は宇宙のとある組織に狙われており、そんな彼を保護し守るため、彼女はやって来たのだという……。かくして、宇宙規模なのになんだかしょうもない真尋とニャル子の混沌な日常が幕を開けたのです!
−−作品が生まれたきっかけは?
この作品は第1回GA文庫大賞の応募作で、投稿時のタイトルは「夢見るままに待ちいたり」でした。応募作品を読み進めていた中の一作だったのですが、そのタイトルから当初「クトゥルーものの、ホラーっぽい作品?」と思って読みはじめたんです。
……が、実際はそんな予想をザックリと裏切るこれでもかというハイテンションな会話で描かれたコメディー作品だったんです! ただ、先も申しましたようにクトゥルー神話がベースに使われている上に、これでもか!というくらい既存のアニメやマンガや特撮などのパロディーといいますか、せりふやシチュエーションや有名になったシーンなどがちりばめられていましたので、これを果たして新人賞に残していいのかは迷いました。ですが、私が読んでいたときのあまりの笑いっぷり(かなり爆笑しながら読んでいたと言われました……)に、同僚たちから「いいんじゃない? 先の選考に進めても」と後押しされ、気が付けば「優秀賞」までたどり着いていた作品なのです。ちなみにこの作品は、応募時から原稿をほぼ修正していません。少しだけシーン追加をしてもらいましたが、大きな流れはそのままです。ただ、タイトルだけは応募時のままですとわかりにくいので、せっかくのインパクトあるキャラ名を生かす−−ということで変更させていただきました。
−−作者とイラストレーターはどんな方でしょうか?
著者の逢空先生は、超絶きまじめな方です(笑い)。まじめが眼鏡かけてます。コーヒーが苦手なようです。でも打ち合わせはいつも、京都発の有名なコーヒー屋さんで行ってます。この作品は、きまじめな著者と、ちゃらんぽらんな担当でバランスを取っております。締め切りは破ったことがないです。と言いますか、ご自分で締め切りを設定されます! −−ですので担当は、すごく楽をさせてもらっております(笑い)。
狐印先生は、こちらの適当(フランク?)なオーダーに対し、常にハイスペックなイラストを仕上げてきてくださいます。シャンタッ君とか、当初より登場はしてましたが、イラスト先行で現状のキャラになったのは否めませんし、表紙のライダーポーズも、編集部からの依頼ではなく、狐印先生の案です。なので、次の巻が何ライダーになるのか、実はラフがあがってくるまで誰も知りません(笑い)。そんなふうに、いつも予想の上をいく素晴らしい絵を上げてきてくださるのです! ニャル子ワールドに別角度から良いインパクトを与えてくださっているのは、本当にありがたいことです。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
直近では8月に「這いよれ!ニャル子さん5」が刊行予定です。4巻で登場したハス太ほかも活躍しますのでぜひお楽しみに!! また12月にはドラマCD第3弾と、そのほかも実はイロイロ展開(!?)予定なので、今後もニャル子にご注目くださるとうれしいです。
ソフトバンク クリエイティブ GA文庫編集部 松本真弓
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