話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は10年秋からフジテレビの深夜アニメ放送枠「ノイタミナ」でアニメ化されるマンガ「海月姫(くらげひめ)」(講談社)です。Kiss編集部に作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
インタビュー:筧美和子 30歳、原点のグラビアに立ち返った
−−この作品の魅力は?
作者の東村アキコさん独特のキレのあるギャグと、切ない(誰ひとり両思いになりきれてない)恋愛模様、また、「さえない女の子が隠れた才能を見いだされていく」という少女マンガの王道ともいえる要素が、絶妙のバランスで混じりあったところでしょうか。笑える、キュンとなる、ハラハラする……と、読者の方からいただく感想がさまざまなことをみても、いろんな読み方・感じ方ができる作品だと思っています。オタク女子集団である「尼~ず」、イケメンふたりの鯉淵兄弟、おもしろ総理、などなど、多様なキャラクターも見どころです。
−−作品が生まれたきっかけは?
東村さんにガツン!とした少女マンガのストーリーものを描いていただきたい、という編集部の思いに対して、「才能もの」(東村さんいわく、のジャンル?です)を手がけてみたい、と東村さんが応えてくださったことがすべてです。主人公がクラゲオタクなのは、東村さんご自身が過去にクラゲにハマっていた経験を生かしています。
−−作品を作るうえでうれしいこと、逆に大変なことは?
うれしいことは、いつもいつも、東村さんが予想を超えるネームを起こしてくださること。さらに打ち合わせを経て、そのネームをもっともっと面白くした原稿としてあげてくださることです。打ち合わせといっても、細かい部分まで詰めるわけではなく、ざっくりとした感想やお願いを伝えるだけなのですが、それを想像以上の域まで昇華してくれる東村さんの力に脱帽しております。いつも爆笑したり切なくなったりしながらネームを読めるのは本当に幸せです。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
おしゃれになんか微塵(みじん)も興味がないオタク女子が、なぜかファッションブランドを立ち上げることに!? 本当にそんなこと可能なのかどうか、はたしてどうやって? もどかしい恋の行方はどうなっちゃうの?といったあたりにご注目を!
2010年度講談社漫画賞を受賞し、10月からはフジテレビ「ノイタミナ」ほかでアニメも放送予定。今年めっちゃ熱い「海月姫」、ぜひご一読ください。
Kiss編集部 T
海月姫 東村アキコ 1~4巻 Kiss(毎月10、25日発売)で連載中
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