注目映画紹介:「パラレルライフ」 同じ運命を繰り返す“平行理論”を利用した韓国のミステリー

「パラレルライフ」の一場面。(C)2010 CJ Entertainment Inc.All Rights Reserved.
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「パラレルライフ」の一場面。(C)2010 CJ Entertainment Inc.All Rights Reserved.

 異なる時代にありながら、2人の人間が同じ運命を繰り返すという法則、“パラレルライフ(平行理論)”。エイブラハム・リンカーンとジョン・F・ケネディの間にもこの法則は当てはまるとされ、その平行理論を利用して描かれたのが韓国のミステリー映画「パラレルライフ」(クォン・ホヨン監督)だ。

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 出世街道をひた走る判事ソクヒョンの妻が殺された。捜査が進む中、1人の女性ジャーナリストから、30年前の同月同日に同様の事件があったことを聞かされたソクヒョンは、別の事件で注目を集めていた平行理論を信じるようになる。だが、その理論にのっとれば、16日後、自分と自分の娘も殺されてしまう。ソクヒョンは死を回避しようと奔走するのだが……。

 妻の殺人事件をきっかけに、パラレルライフの存在を信じるようになる判事。いったんは犯人らしき人間が捕まるが、それで事件はすっきり解決するはずもない。判事をとりまく人間たちはみなうさんくさく、判事の妻をひそかに愛していた検事や、身近すぎる存在でむしろ疑いたくなる判事の事務官、さらに判事の義父たちが入り乱れ、真犯人を分かりにくくしている。

 当初は、400年前と現代が交差するストーリーだったそうだが、衣装などで違和感が出てしまうため、30年前と現代の設定にしたという。それによってSF的な要素が排除され、現実味を帯びた物語になった。

 ソクヒョンを演じているのは、韓国ドラマ「宮廷女官 チャングムの誓い」で知られるチ・ジニさん。物語のカギを握る容疑者役で、映画「チェイサー」や「ノーボーイズ、ノークライ」のハ・ジョンウさん。映画を見終わっても、なお釈然としないものが残るが、そこにまた、この映画の面白さがある。24日からシネマスクエアとうきゅう(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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