フジテレビ系で放送中の朝の情報番組「めざましテレビ」(毎週月~金曜午前5時25分~8時)に、8月から番組初のアニメコーナーができることが27日、明らかになった。斬新な作風で知られる映像作家、佐藤懐智(さとう・かいち)さんが制作を担当し、擬人化した携帯電話を主人公に、社会風刺をテーマにしたショートアニメ「HARD TALK CAFE」を放送する。
ウナギノボリ
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新聞には社会風刺のイラストや一コママンガなどがあるのに、どうしてテレビにはないのか。「それは、アニメと情報番組が完全に遊離しているからで、この壁を破りたい! 普段のニュースや情報で伝えきれない、胸に残るモヤっとした気持ちをアニメという形で表現したい!」という番組スタッフの熱い思いから今回の企画が誕生した。
アニメを手がける佐藤さんは「David 亀 Tsai」名義で3DCG(コンピューターグラフィックス)短編アニメ「カニバル星人」を制作。同作は過激な描写で社会問題の深刻さを鋭く説きながらも、ギャグあり、ホラー要素もある独特の作風で世界的に注目を集め、「ニューヨーク国際インディペンデントフィルム&ビデオフェスティバル」でベストアニメーション賞とベスト国際ホラー賞をダブル受賞したほか、「カンヌ国際映画祭」短編部門や「ロッテルダム国際映画祭」などにもノミネートされた。
なぜ今回のアニメの主人公は携帯電話なのか? 角谷公英チーフプロデューサーは「携帯電話は人に知られたくない個人情報の集まり。だからこそ持ち主から背負う人生の重みやおかしさをいっぱい抱えているはず。しかも、現代において携帯を持っていない人はほとんどいない。彼らが命を持ってしゃべりだしたら人間の生活は一変するのでは?と思い、これが社会風刺のコンセプトと見事に一致しました。携帯こそが人間のすべてを知っているのです……」とその理由を語った。持ち主の分身ともいえる携帯電話がひそかに知能を持っており、夜な夜な持ち主が寝静まったころに充電器を抜け出し、たまり場の「HARD TALK CAFE」に集まってくるという設定で、政治家や芸能人、スポーツ選手、ギャルなど実にさまざまなケータイがカフェに集まってくる。酷使される日々を嘆き、愚痴をこぼし、憂さを晴らすケータイたちの会話劇でストーリーが展開し、そこから現代社会を映し出していく。
角谷チーフプロデューサーは「やっぱり誰でも“人間”だということです。威張っている政治家や有名人も、ケータイの中ではただの人。僕らの情報番組は、モノを一辺倒にしか伝えない傾向がありますが、このアニメによって、『みんな同じ人なんだよね』と思っていただきたい。今年の番組全体のテーマは『one』。バラバラなモノが一つになるということです。このアニメを通じて、普段絶対に接点のない人がつながり、おもしろおかしい『人間ドラマ』を繰り広げていきたいですね」と意気込みを語っている。
「HARD TALK CAFE」は8月3日から毎週火曜午前6時48分ころから約2分間「めざましテレビ」内で放送される予定。(毎日新聞デジタル)
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