インパクトのあるタイトルだ。荻上直子監督の3年ぶりの最新作「トイレット」が28日に公開された。監督のこれまでの作品にすべて出演してきた、もたいまさこさんの味わい深い演技が堪能できる。アメリカ留学時代にインディーズ映画をたくさん見たという荻上監督が、「北米で映画を撮りたい」という夢を実現。カナダのトロントでカナダ人の俳優を使って撮影された。
あなたにオススメ
葬送のフリーレン:テレビアニメ第2期 新監督起用の経緯
企業の実験室に勤務する青年レイは、プラモデルおたく。家族と離れて1人暮らしをしていたが、火事に見舞われ、家族と住むことになった。一家は母親を亡くしたばかりで、家には引きこもりの兄モーリーと妹のリサと飼い猫のセンセー、そして母親が死ぬ間際に日本から呼び寄せた、ばーちゃん(もたいさん)がいた。ばーちゃんには英語が全く通じない。毎朝トイレに長い時間こもる。ばーちゃんがトイレから出てきたときに深いため息をつく。レイはその理由はなぜなのかを考えた……というストーリー。
「人生は退屈の繰り返しだ」と考え、人とのかかわりを極力避けてきた青年レイ。彼の生き方が家族との同居とともに殻が破け、少しずつ変わっていくさまを丁寧に見せていく。独特のまったりとした雰囲気ととぼけたユーモアが荻上監督の持ち味だが、今回はそれに加えて、よりシビアに人生について語っている。「かもめ食堂」(06年)、「めがね」(07年)の主人公は、くたびれた日常から離れ、非日常的な場所で新しい人生を見いだしていったが、本作の主人公レイは日常の中に放り込まれたままなのだ。兄のモーリー、妹のリサも変化していくのだが、その中心にばーちゃんがいる。そのばーちゃんにはせりふらしきものがほとんどない。が、孫を見守る目が温かい。ばーちゃんのぬくもりは、春の穏やかな日射しのように、孫の心を溶かしていく。監督の作品には欠かせない一要素の料理は、フードスタイリストの飯島奈美さんが担当した。
3人の孫とばーちゃんとの時間が、見終わった後も断片的な記憶のように印象に残る。ゆったりとした静かな作品なのに、タイトルと同じく、観賞後のインパクトは長く続くところに、この映画のすごさがある。28日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)、銀座テアトルシネマ(東京都中央区)、渋谷シネクイント(東京都渋谷区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
映画「スター・ウォーズ」シリーズの劇場最新作「マンダロリアン・アンド・グローグー」(ジョン・ファヴロー監督、5月22日日米同時公開)の公開を記念して、「帰ってきたスター・ウォーズ…
原泰久さんの人気マンガを俳優の山崎賢人さん主演で実写化した映画「キングダム」のシリーズ5作目となる続編のタイトルが「キングダム 魂の決戦」(佐藤信介監督)に決まった。秦国にそれ以…
仮面ライダー生誕55周年記念映画「アギト-超能力戦争-」(4月29日公開)の新たな場面カットが13枚が公開された。
3月9日に発表された3月6~8日の映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)によると、藤子・F・不二雄さん原作の人気アニメ「ドラえもん」の劇場版最新作「映画ドラえもん 新・のび太の…
俳優の本木雅弘さん主演で、米澤穂信さんの傑作ミステリーを映画化する「黒牢城」(黒沢清監督)の公開日が6月19日に決まった。本木さん演じる荒木村重ら13人のキャストが勢ぞろいしたメ…