来年2月に国内で発売されることになった任天堂の新型携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」。3D画像が専用メガネなしの裸眼で楽しめるというのが最大の特徴だ。「3Dの魅力は体験してもらうしかない」と任天堂の岩田聡社長がいうように29日に東京都内で開かれた発表会の会場には実機が用意され、体験できるようになっていた。一足早くゲームに触れてみた。
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本体には、3Dの効果を調節する「3Dボリューム」がついており、最大まで上げると、2Dの画面からキャラクターが浮きあがった。ボリュームを下げると3Dの浮き上がり方が減るなど微調整でき、全部下げると普通の2Dのゲームに戻る……という具合。3D映像には新しさも感じるが、じっと見ていると目が疲れてくる。「3D画面は、個人によって感じ方に差がある」(岩田社長)という通りで、さらにゲームのタイプによってもかなり変わるようだ。この「3Dボリューム」を付けたのは、絶妙の配慮といえそうだ。
3DS最大の武器が3Dなのは間違いないが、通信機能の強化も強みだ。「ドラゴンクエスト9」で話題になった「すれちがい通信」は、ゲームデータを3DSでは本体で保持するため、今遊んでいないゲームでも過去に遊んだことがあるゲームであれば「すれちがい通信」が作動する。流行のソフトで遊んでいなくても「すれちがい通信」が体験できる。無料ソフトの自動ダウンロードもあり、ランキングや簡単なデータ、情報なども配信。ゲーム機本体の電源を切らなければ、「スリープモード」でも受け取れる。
本体内蔵のソフトも充実しており、AR(拡張現実)と本体のカメラを使った体感シューティングゲーム「ARゲームス」、内蔵カメラで写真を撮って簡単に分身キャラクターの「Mii」を作る「Miiスタジオ」など、異色のソフトやツールを用意。ユーザーが「すれちがい通信」のためにゲーム機を外で持ち歩くようになれば、日常のさまざまな場面でゲーム機を利用することになり、そうした光景がひいては3DSをアピールすることになる。テレビでもなかなか普及が進まない3D映像だが、携帯ゲーム機が先べんとなり、その魅力を広く伝えられるようになるかどうか業界全体が注目している。(毎日新聞デジタル)
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