キャスリン・ラスキーさんによる世界的ミリオンセラーのファンタジー小説「ガフールの勇者たち」(メディアファクトリー)を、「300<スリーハンドレッド>」(07年)、「ウォッチメン」(09年)のザック・スナイダー監督が映像化した「ガフールの伝説」が1日に全国で公開された。戦闘ものやヒーローものならお手のもののスナイダー監督だからこその迫力の映像、臨場感がスクリーンに表現されている。しかも今回は3Dで同時上映。フクロウたちが空を舞う浮遊感や風を切る疾走感が体感できる。
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メンフクロウ属の子フクロウのソーレンと兄のクラッドは、あるとき、「純血団」を名乗る邪悪なフクロウ集団にさらわれてしまう。純血団は、メンフクロウ属のみをフクロウの純血種と考え、それ以外のフクロウを支配下に置こうと企んでいた。ソーレンは、やはりさらわれてきたサボテンフクロウ属のジルフィーらとともに純血団から逃亡を図り、彼らの計画を阻止するために、伝説の「勇者たち」が住むとされる「ガフールの神木」を目指す……というストーリー。
見始めると、愛らしい子フクロウたちの表情に、瞬く間に魅了される。もともと、ラスキーさんは、フクロウの生態をノンフィクションの絵本にして紹介しようと考えていたという。しかし、フィクションを通して描くほうが彼らの特性や習性が子どもたちには伝わりやすいと考え、現在のようなファンタジー小説になったという。それだけに、ここで描かれているフクロウは、キャラクターは擬人化されているがリアルだ。
ファンタジーであり、冒険譚(ぼうけんたん)であり、正義が悪を倒す勧善懲悪の話だ。子どもも楽しめる分かりやすい物語ではあるが、子どもほど順応性が高くない大人は、たくさん出てくるフクロウの顔と名前が一致せず、最初のうちはこんがらがるかもしれない。一方で、純血種こそが優位とする狂信的な考え方の危険性と、多様性を受け入れる寛容さが重要なことを描いており、案外、テーマは深く、大人も興味を持って見られるはずだ。なお、日本語吹き替え版では、ともに洋画のアフレコは初挑戦の市原隼人さんと川島海荷さんが、ソーレン役とジルフィー役を担当している。1日から丸の内ルーブル(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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