福山雅治:「龍馬伝」暗殺シーンは無の心で 「最高の境地」と香川絶賛

龍馬伝の撮影が終了しがっちり握手する福山雅治さん(右)と香川照之さん
1 / 1
龍馬伝の撮影が終了しがっちり握手する福山雅治さん(右)と香川照之さん

 大河ドラマ「龍馬伝」(NHK)の撮影を11日に終えた坂本龍馬役の福山雅治さん(40)は、8日に撮影されたばかりという龍馬の暗殺シーンについて、「一つ心がけていたのは、暗殺される側の心境として、暗殺されることを知っているわけはないと思って、とにかく何も考えないようにしてその日まで臨もうと思った」と無の心で臨んだことを明かした。これに対し、実力派俳優として岩崎弥太郎役でも定評ある演技力をみせた香川照之さん(44)はその暗殺シーンを見届け、「役者として最高の境地に達していた」と福山さんが龍馬そのものになっていたと絶賛した。

あなたにオススメ

 「龍馬伝」は、坂本龍馬の33年の生涯を、三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎の視点から描いたドラマ。大河ドラマ初の4部構成で現在、第4部「RYOMA THE HOPE」が放送されている。龍馬暗殺シーンに関しては同番組の鈴木圭プロデューサーが反幕府勢力を取り締まった「京都見廻組」の佐々木只三郎、今井信郎らが実行犯という定説を採用すると明かしているが、暗殺犯を演じる俳優についてはまだ発表されていない。

 暗殺シーンを「大事なシーンではあるが、どのシーンも大切だという思いがあるから、ことさらそのシーンだけどうということはなかった」と語った福山さんだったが、「(暗殺される)その日、その瞬間、本番が始まったときに訪れる心情を楽しみにしていた」とも。

 一方、香川さんは「僕にとっても大切な日で、その日が来てほしくないような、来てほしいような不思議な日だった」といい、「龍馬の額に血が塗られているのはショッキングで、見てはいけないものを見てしまった気持ちになる。でも福山さんがほかのシーンと同じように、そこで起こることに反応するという思いでいるのが分かって、すごいことになってしまったと、別の意味での驚きを持って見た。なにも準備しないという、役者として最高の境地に達していた」と振り返り、福山さんを絶賛した。

 香川さんは芝居について「俳優が何かを考えて何かを準備したときほどカメラの前で加速がつかない。加速するためには準備しない、考えないこと。そのためにはせりふを口が酸っぱくなるほど反すうし、死ぬほど準備しなければならない。それでいて何も考えないのが境地なんです」と演劇論を展開。「それを福山さんは龍馬伝の途中から体感されてて、僕も引っ張られた。どんな重要なシーンでも本番前に芝居の話はしないんです。これは奇跡を見るようでした。(そうなったのは)なぜかというと坂本龍馬そのものだから」と熱弁をふるった。

 「龍馬伝」は、10年1月3日の初回放送から10月3日の第40回までに平均視聴率19.0%、最高視聴率は1月31日に24.4%(いずれもビデオリサーチ調べ、関東)を記録している。最終回の第48回「龍の魂」は11月28日の予定で、時間を拡大して放送される。(毎日新聞デジタル)

テレビ 最新記事