PLUTO:浦沢直樹の人気マンガがハリウッドで映画化 「怪盗グルーの月泥棒」の製作会社で

原作「PLUTO」(小学館)のコミックス第1巻と第2巻の表紙
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原作「PLUTO」(小学館)のコミックス第1巻と第2巻の表紙

 マンガ家の浦沢直樹さんが手塚治虫さんの「鉄腕アトム」の1編「地上最大のロボット」をリメークしたマンガ「PLUTO」が、ハリウッドで実写映画化されることが21日、明らかになった。映画化するのは、全米でヒット中の3DCG(コンピューターグラフィックス)アニメ「怪盗グルーの月泥棒 3D」(日本公開は29日)を手がけたクリス・メレダンドリさんの製作プロダクション「イルミネーション・エンターテインメント」で、日本の「手塚プロダクション」と手を組み、エグゼクティブ・プロデューサーに手塚さんの息子の手塚眞さんを迎えてCGを駆使して製作する。

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 「PLUTO」は、03~09年に「ビッグコミックオリジナル」(小学館)で連載され、コミックスは全8巻で累計850万部以上を販売するヒットとなり、手塚治虫文化賞や文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、星雲賞を受賞。浦沢さんが生まれて初めて読んで感動したマンガを大胆にリメークし、手塚版では脇役だったドイツの刑事ロボット「ゲジヒト」の視点で描いた。

 映画化について浦沢さんは「私は子どものころから『地上最大のロボットの巻』の大ファンでした。しかし、まさか自分がそれをリメークして『PLUTO』を描くことになるとは思ってもみませんでしたし、それはとてつもない挑戦でした。今回、その『PLUTO』の実写映画化に挑む新たなチャレンジャーが現れました。大の手塚ファンの私は期待をこめて見守りたいと思います」とコメント。

 また、手塚眞さんは「手塚治虫と浦沢直樹のコラボレーション。これは黒澤明と北野武が出会ったような、あるいはフォードの『駅馬車』をルーカスが『スター・ウォーズ』に作り変えたような、マンガの大ニュースでした。さらにそこにグローバルな映画のアーティストたちの手が加われば、その興奮は数倍にもなるでしょう。これがハリウッドと日本の良いパートナーシップのもとに作られる、エポックメーキングな傑作になることを期待しています」と話している。

 映画化を担当するメレダンドリさんさんは「浦沢直樹は『PLUTO』で独創的なアクションと冒険に満ちた創造の世界を確立しましたが、私が本作品の権利をぜひ獲得したいと思ったのは、そのキャラクターであり心温まるストーリーゆえでした。素晴らしい歴史のある手塚プロと、また最も才能ある現代の作者である浦沢氏と一緒に働くことができうれしく思います」と話している。クリスさんは23日に開幕する東京国際映画祭に「怪盗グルーの月泥棒 3D」が出品されるため21日に来日する。

 「PLUTO」のストーリーを共同制作した長崎尚志さんは「20世紀、日本中の少年がむさぼり読んだ手塚治虫の『鉄腕アトム・地上最大のロボット』……今では伝説となったその作品を、私と浦沢直樹は21世紀に『PLUTO』としてよみがえらせました。それは現代の日本マンガ界にとっては、タブーを破ることであり、とてつもない冒険でした。その作品がハリウッドで映像化されるのは、我々にとっても、映画ファン、マンガファンにとっても実に喜ばしいことです。ですが同時に、メレダンドリ氏は、我々以上の冒険を引き受けたことになります。どうか日本中、いや、世界中のファンが納得し、興奮し、感動するような作品が生まれますよう、心から願っています」とコメントしている。(毎日新聞デジタル)

(C) Naoki Urasawa/Studio Nuts,Tezuka Productions,Takashi Nagasaki

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