夜の世界を舞台に、女同士のバトルを描いて人気を博したドラマ「嬢王」シリーズの第3弾「嬢王3 ～Special Edition～」（テレビ東京系）が放送されている。前作「嬢王 Virgin」に引き続き、ヒロインの“カリスマキャバ嬢”杏藤舞を1年ぶりに演じるのは女優の原幹恵さん。役柄そのままのセクシーなドレスに身を包んだ原さんに話を聞いた。（毎日新聞デジタル）

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　前作に続いてのヒロイン起用は「本当に信じられなかった」という原さん。それでも「クランクインして、キラキラのドレスを着て、髪もきれいにしてもらって、また舞の口調でしゃべっていると、何かどんどん幸せを感じてきて、実感がわいてきました」と笑顔を見せる。前作から大きく成長したヒロイン・舞には「私自身驚いてます。前回はいじめられて、クヨクヨしてばかりだったんですけど、今はいじめられても立ち向かってがんばってるので、演じていて楽しいですね」と語る。

　昨年の撮影については「自分が演じるのに精いっぱいで、まわりが見えてなかった部分もあった」と振り返り、「今回は、前作よりもステキなものを作らなきゃいけないと思うので、プレッシャーもありますけど、それをはねのけて、成長した舞を演じられるように頑張らなきゃ」と話す。演じる上での苦労については「やっぱり、カリスマキャバ嬢、杏藤舞なので、すてきなキャバ嬢に見えるように、お酒の作り方やお客様との会話の内容も考えてます。それと、舞には人の心を動かす力があるので、ちゃんと視聴者の方に分かってもらえるように、しつこくならないように頑張ってます」と明かした。

　キャバクラ嬢という仕事については「すごく遠い存在、遠いイメージだった」という原さんだが、演じてみたことで「今のお仕事に似ているところはあるんじゃないかと思った。キャバ嬢もお客様と接して、癒やしたり、楽しませたり、夢を与えたりするお仕事なので、通じる部分はありますね」と話す。役についても「舞は、もともとはコンプレックスがあって、いじめられたり、からかわれたりしてた女の子だったんですけど、（前作で描かれたキャバクラ嬢ナンバーワンを決めるコンテスト）『嬢王GP』に出たことで克服できた。私自身も、胸にコンプレックスがあって、このお仕事を始めてそれと向き合って、克服できたので、そこはすごく共通すると思います」という。

　今作ではラブストーリーも強化されるといい、原さんは「前作ではハッピーエンドにならなかったので、今回はちゃんとハッピーエンドになるのかなと、ちょっと期待まじりで楽しみです。私自身の恋愛？　基本妄想型ですね。頭の中では結構デートしてるんですよ」とにっこり。キャバクラには付き物のお酒については「好きですね。地元の友だちや同じような仕事をしてる友達と飲みに行きます。酔うと、スキップします（笑い）。基本的にスキップが好きなんですけど、普段からスキップする勇気はないんです。だけど、お酒を飲むとスキップできる気分になりますね」と笑顔で話していた。

　ドラマの原案は人気マンガ。原さんは「マンガは好きですね。コテコテの恋愛マンガから男性が読むようなスポーツマンガとかヤンキーマンガ、ジャンル問わずなんでも読みますね。ずっと好きなのは矢沢あいさん。『ご近所物語』から始まり、『NANA』だったり『天使なんかじゃない』も大好きですし、田村由美さんの『BASARA』も好きです。少女コミックらしからぬ壮大な感じがして、子どものころは、あれをみて大人になった気がしてました」と楽しそうに話す。

　作品については、「今回は女の子のドロドロした部分がよりリアルになってるんです。去年は、モップを押し付けられたり、床にたたき付けられたり、暴力的なイジメだったんですけど、今回は女性らしい、ネチネチとした言葉責めなので、そのあたりはよりリアルですし、『嬢王』らしくセクシーなシーンもあったり、かなり盛りだくさんです。でも、やっぱり舞の成長具合を楽しんで見ていただけたらうれしいなって思います。男性だけでなく女性にも支持してもらえるような作品にしたいですね」と意気込んでいる。

　ドラマ「嬢王」シリーズは、05年に北川弘美さん主演でドラマ第1弾「嬢王」、09年には第2弾として原さん主演で「嬢王 Virgin」が放送され、好評を博した。シリーズ第3弾となる「嬢王3 ～Special Edition～」は、「ビジネスジャンプ」（集英社）で連載中の「嬢王 Virgin」（倉科遼さん作、紅林直さん画）を原案にしたオリジナルストーリーで、前作の続きを描く。渡部豪太さん、かでなれおんさん、神楽坂恵さん、中山恵さん、金剛地武志さんらも出演しており、深夜ドラマ枠「ドラマ24」（毎週金曜深夜0時12分～）で放送中。