その年の優れた映画や俳優らに贈られる「山路ふみ子賞」の贈呈式が26日、東京都内であり、女優の寺島しのぶさんが「女優賞」を受賞した。寺島さんは若松孝二監督が戦争のむなしさを描いた「キャタピラー」での演技が評価された。この日寺島さんは舞台公演のため、代理で出席した若松監督は「日本の女優の中では皮膚まで芝居できる人はこの人しかいない。あと、もんぺが似合う」と起用の理由を明かし、「あの人じゃなきゃできなかった。ぶっつけ本番であれだけの芝居ができる人はいない」と絶賛した。
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寺島さんは同作でベルリン国際映画祭の最優秀女優賞も受賞しているが、同賞の授賞式でも若松監督が寺島さんの代わりに出席した。若松監督は「今日はベルリンと同じ格好でもらいに来ました。ありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。寺島さんは「『キャタピラー』という作品に出会えたこと、評価していただいたことをうれしく思います。ありがとうございます」とビデオメッセージを寄せた。
同賞は元女優の山路ふみ子さんが日本映画振興のため私財で設立した「山路ふみ子文化財団」の主催。日本で一番早く発表される映画賞としても知られており、今回で34回目。「映画賞」は、「悪人」の李相日(リ・サンイル)監督、「新人女優賞」は「悪人」などの演技で満島ひかりさん、「春との旅」の名演、長年の映画界への功績に対し淡島千景さんに「映画功労賞」、「トイレット」で国際的な人間喜劇作りをしたことに対し、荻上直子監督に「文化賞」、聴覚障害者の女子サッカーを撮った記録映画「アイ・コンタクト」で、福祉問題への洞察力をたたえて、中村和彦監督に「福祉賞」が贈られた。(毎日新聞デジタル)
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