東京・浅草の正月を彩る恒例の「新春浅草歌舞伎」に出演する歌舞伎俳優の市川亀治郎さんと片岡愛之助さんがこのほど、東京都内で会見した。11年公演には中村七之助さん、中村亀鶴さんも出演しており、亀治郎さんは、4人の顔が並んだチラシを手に取り、「ホストクラブみたいだねえ。新宿でこんな看板出てたよ」と笑わせ、「でも(観劇料が)安いっていうのは一番魅力ですよ。それが一番大事だと思う。敷居が高いっていうのは、内容じゃなくてハードのほう。見るチャンスが広がると思いますよ」と話し、愛之助さんも「役者の素顔が見られるのが魅力。『お年玉』といって、(年始の)あいさつもあるので、役者の素顔が見られる機会はなかなかないんじゃないかな」とアピールした。
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「新春浅草歌舞伎」は、次世代の歌舞伎を担う花形俳優が顔をそろえる“若手歌舞伎俳優の登竜門”的な公演で、毎年20~30代を中心とした女性ファンが詰めかけるなど人気と注目を集め、30年以上にわたって親しまれている。「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」「独楽(こま)」「壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)」「黒手組曲輪立引(くろてぐみくるわのたてひき)」の4演目を上演。「浅草公会堂」(東京都台東区)で11年1月2~26日に行われる。チケットは2000~9000円で発売中。
亀治郎さんは「ぼくは10年やってますからね。もう年中行事という感覚。(観客には)もう歌舞伎を知っている人も少なくないので、ある程度“つらい”演目でもついてきてくれるようになりましたね。最初は(演目を)すごく考えましたけど」と語り、愛之助さんは「父なりおじなり、先輩がいないので、のびのびやれるけど、修正が効かない。なおいっそう自分との戦いになるので、ちょっと怖いですね」と明かしていた。
なお、WOWOWでは 天涯孤独で同じ「吉三」という名前を持つ3人の盗賊が、すさんだ世の中で人とのつながりを持ちたいと願いながらも運命の皮肉に翻弄(ほんろう)され追い詰められていく悲劇を描いた「三人吉三巴白浪」、歌舞伎十八番「助六」を大胆にパロディーした「黒手組曲輪立引」の本格古典歌舞伎2作を、千秋楽の2日後から2日間にわたってオンエア。「新春浅草歌舞伎」はWOWOW初登場となる。「三人吉三巴白浪」は1月28日深夜0時、「黒手組曲輪立引」は同29日午後2時半から放送予定。(毎日新聞デジタル)
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